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短編ドラマ×ダンス「アラサー女子と神、居候」【感想】結婚とは何か。そしてダンスが秀逸。

最近はとんとご無沙汰してしまっている、役者で、かつ、振付師の松本稽古さん主演のYouTubeドラマ、全4話(約1時間とちょっと)を視聴。

メインとなるのは稽古さん扮する渡辺あやめと、その彼女の家になぜか居候しているピコという神様(企画演劇集団ボクラ団義に所属する大神拓哉さん)の二人。

サムネイルを見たら分かるが、いかにもコメディだし、実際にも基本的にはコメディだ。そんな緑色した神様がどういういきさつでなぜ居候してて、飲み食いもさせてもらってるのか、と思いながら見て行ったが結局、最後まで分からなかった(笑)。だが、それでいいのだ。このふわっとした設定が、このドラマとテーマに合っている気がする。

主人公のあやめは30歳を目前にして、焦っている。とにかく、結婚をしたい、しなくちゃと思っている。30歳の前あたりで結婚を焦る女性のドラマは過去にもよく見られたが、今もそういう考えの女性も多いものなのだろうか。じぶんは結婚というものに疎いし、縁もない(自虐ではない。そのままの言葉だ)から、そのあたりの感覚がさっぱりわからないが、そういうものとして見ていった。

1話では友達が結婚式をするというので、出席はするがご祝儀三万円を渡さなければならないのが不満だという。そのご祝儀を取り戻すべく、結婚をしたいと言い出すのだ。彼女の本音がどこにあるのかはわからないが、現実問題としてご祝儀って本当に痛い出費だと思う。彼女の手取りが22万とか言ってそれでも痛いと言っていたが、それ以下だといよいよ死活問題になってしまう。もう一律1万円(それ以下でもいい)とかで、そのぶん結婚費用もめっちゃ下げればいいのではないかと思う。結婚式というもの自体…いや、なんでもない。これ以上は書かないでおこう。

そして、あやめはマッチングアプリでマッチした相手と出会う。そこそこに相性は悪くはなさそうな相手だ。さて、2回目のデートは行くかどうか迷った挙句、ピコとは別の神様に占ってもらうが、それでも悩むうちに元彼・良企にばったりと出会い、心が動く…。

という話とは話として、じぶん自身は別のことが気になってしまった。その元彼の役をしてるのは黒木文貴さん。(昔は”黒貴”さんだったので、そう呼ぶ方が今もしっくりくる)役柄も役者の役だが、もちろん実際も役者さんだ。彼の舞台もかつてはよく観に行ってたなと思い出す。稽古さんにしても、彼にしても、興味がなくなったから観に行かなくなったわけじゃないので、いつかまた行きたいと思うから、本当にもどかしい。ただ、じぶんが行けるようになった時には…というのが芸能の方には当然ついてまわるので、早く行けるじぶんになりたい…。この気持ちは厳密には結婚とは違うが、そうやって焦る気持ちは結婚と同じかもしれない。焦ったところでどうなることでもないのも同じだ。(と半ば強引に結婚に話を戻してみた)

さて、ドラマの結末は実際のドラマの方で確かめてもらうとして、この手のドラマはどうしてもじぶんの結婚観についていろいろ考えてしまう。ドラマでは”結婚が終わりじゃなくてスタート”と言っていたが、この言葉は引っかからざるを得ない。この言葉だけ見ると、結婚してない人はスタートさえ切ってないと言ってるように聞こえるからだ。(結婚が終わり、ゴールではないというのだけは賛成する)

そして、思う。結婚自体が幸せなのではない。いっしょにいて幸せを感じる人と出会い、ずっといっしょにいられることが幸せなのではないかと思う。じぶんは結婚自体はしない人生だろうけど、そういう幸せはつかみたいと今もまだあきらめずにそう思う。思ってばかりでは出会えないので、動くしかないし、いいかげん動こうと思う。(婚活ではない)

最後に、このドラマ。考え方とかには必ずしも共感できなかったりはするけども、ストーリー全体としてはとても楽しく見させてもらった。巷のドラマともそれほど遜色ないようにも思える。(ボリュームがもっとあればまた違って見えるかもしれない)

そして、なんといってもドラマの話の終わりにキャスト全員によってなされる、ダンスがとても秀逸だ。奎子さんの振り付けがやっぱりうっとりさせられるし、キャストの皆さんのダンスも上手くて、ダンスの映像面での見せ方、演出も良かった。もしかしたら一番の見どころかもしれない。これからこのドラマを見られる方はダンスにも注目して見て頂けたらと思う。

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