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京都の入れ子構造 その二

パワー・スポットとは、大地の力(気)がみなぎる場所のことです。京都にはパワー・スポットが数多くありますが、最も有名なパワー・スポットのひとつに、「鴨川デルタ」があります。

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鴨川デルタ先端部分

鴨川デルタは、加茂川と高野川が合流する地点にある中州で、ここから京都の中心部を流れる鴨川が始まります。画像の左側が加茂川で、右側が高野川です。両河川が合流した手前の流れが、鴨川になります。鴨川デルタは、画像のように二等辺三角形をした場所で、広々として開放感があり、いつも多くの人が集っています。

奥の森は、京都の守護神である下鴨神社です。これほど、地理的にも歴史的にもエネルギーが集中している場所は、そうないのではないでしょうか?加えて、サッカー必勝の守護神である「任部社(とうべのやしろ)」も、奥の森の中にあります。

昨年、関西を去るとき、鴨川デルタのパワーにあやかれないかと思って、中州を散策していました。

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鴨川デルタ先端部

パワーが最も集中するのが中州の先端だろうと考えて、先端部分の川底を探していたときに、1.5cmほどの二等辺三角形の青みがかった小石を見つけました。

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鴨川デルタの先端にあった小石

小石は、上流から流れてきたのか、削られて角は丸みを帯びています。それが、鴨川デルタのちょうど先端に流れ着いていたのです。「鴨川デルタ」の最もパワーに満ちた場所にあった「デルタ(三角形の物体)」、ということで、パワー・スポット「鴨川デルタ」の特別な分身のように感じられたので、拾って帰りました。

鴨川デルタの小石は、物理的には、ただのありふれた小石に過ぎません。しかし、「言葉の入れ子構造(〜の中の〜)」によって、名高いパワー・スポットの分身として意味付けされました。今、小石は、執務室に飾ってあり、密かに、倉リハの守護神にしています。もしかしたら、小石は、倉リハの行く末を、希望に満ちたものに変えてくれる、かも、しれません。

記号操作で生まれた、実在のない意味付けが、いつの間にか存在感をもってしまい、何かを変えてしまう、そんな、軽くて、しなやかで、しゃれ好きなのが、人の精神です。

(2019年4月15日)


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