倉重 公太朗

日本の雇用社会はどうあるべきかを考える企業労働法の弁護士。倉重・近衛・森田法律事務所代表。 第一東京弁護士会労働法制委員会外国法部会副部会長、日本人材マネジメント協会執行役員 著作はこちら https://amzn.to/2E0vocP https://kkmlaw.jp

カネカ騒動から学ぶ、日本型雇用の変化対応力

育休取得後の配置転換、退職前の有休取得などを巡るTwitterの投稿から、カネカの問題が取り上げられている。

私は、この問題についてメディアからの情報以外に内情を知るすべはないが、専ら企業サイドで労働法を扱う弁護士として、日本型雇用慣行の変化を感じざるを得なかったので、その点を記しておこうと思います。

下記記事にもあるように、日本型雇用においては、解雇権が制約されている代わりに人事権が広い。つ

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パワハラ法制化と「イラッ」と来たら6秒待つことの重要性

先日、ハラスメントの中でも一般によく聞かれる、パワーハラスメントに関する法改正が成立しました。

実は、これまでパワハラについては直接規制する法律がなかったのです。同じハラスメントの類型として有名なセクハラは男女雇用機会均等法が、そして、妊産婦に対するハラスメントとしての「マタハラ」は男女雇用機会均等法及び育児介護休業法でそれぞれ規制されていました。

しかし、パワハラについては直接的な法律がなく

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限定正社員で日本型雇用は変わるのか!?

限定正社員という雇用の類型があります。

日本の正社員の場合、一般的には職種・勤務地が無限定であり、職種変更や勤務場所の変更が行われることがあります。

一方で、地元志向の高まりなどから転勤に対する拒絶感、キャリアパスの観点から職種変更に対する抵抗感などが高まり、従来型の日本型雇用慣行とどのように整合性を図るのかが問題となっています。

そこで冒頭の記事ですが、これまでも特に法律で禁じられたりはし

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掛け声だけでなく法整備を~真の副業解禁へ~

「副業解禁」という言葉を昨年あたりから目にするようになりました。実際は、副業については法律で禁止されているものではなく、企業が就業規則により禁じる旨の規定を設けるところが多かったというのが実態です。

昨年、厚生労働省作成の「モデル就業規則」でも、副業許可制の規定が削除されたり、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」などが作成され、そういった空気感が副業解禁という空気感を醸成しています。

また

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終身雇用はいつまで頑張って維持できるか

経団連会長やトヨタ社長が終身雇用の雇用慣行に対する懸念を立て続けに表明しており、時代の移り変わりを感じます。

トヨタ自動車は過去最高益を更新していますが、たとえ、現在最高益をあげたとしても、遠くない未来においては自動車産業と情報通信・AIと移動が融合して、これまでのように、優れた『車屋』というだけでは生きていけなくなる、という危機感が背景にあるのでしょう。

産業構造が激変する中で、 トヨタでさ

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