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妄想ワンピースシリーズ「コスメカウンター」
黄金色のドアを開けると、生花とも香水とも違う濃厚な香りが、あなたの体中を包み込む。コスメティックカウンターの香りだ。
美しくディスプレイされた季節のアイテムを横目に、あなたはお気に入りのブランドを探す。もしかしたら、新しいブランドにチャレンジするかもしれない。
目当てのカウンターに着いたあなたに、ビューティアドバイザーが新色を試してみませんか、とメイクを施す。
カウンターの眩い照明に照らされたあな
妄想ワンピースシリーズ「過去のこの日」
「過去のこの日 5年前」
「過去のこの日 2年前」
自分のSNSの「思い出」という場所には、過去が表示される。
旅先で、お洒落なカフェやレストランで、ジムで、自宅で。
一人で、家族と、友人達と。
グラスを掲げ、料理に舌鼓を打ち、様々な活動に精を出す、今より少し若い私がいる。
お気に入りのポインテッドトゥ。新色のチークにグロス。アンティークのブローチ。ああ、このピアス、ヘビロテしてたっけ。
こんな日
妄想ワンピースシリーズ「香水」
『年を重ねて美しく、自分の足で颯爽と』をモットーにしているウォーキングインストラクターで、なおかつ、着るだけでマイナス5キロ痩せ見えの魔法のワンピース®︎代理店『R ana』を主催している友人の、ワンピースのお客様用に、短いお話を書かせていただいています。このご時世、なかなか新しいお洋服を買いたい気持ちにならないかもしれないですが、少しでも明るい気持ちになれたら、と思います。
アメ横の雑然とした
妄想ワンピースシリーズ「マチネ」
「マチネ」
劇場の前に立ち、あなたはチケットを確かめる。
そこは、白壁に瓦屋根が美しい歌舞伎座かもしれないし、麗人達の写真が飾られた東京宝塚劇場かもしれないし、淡紅色の万成石が重厚な雰囲気の日生劇場かもしれない。もしくは、雑然とした街中に、まるで主のように存在する本多劇場か、座席番号すらない小劇場だろうか。
久しぶりの観劇に華やぐ心を押さえつつ、もぎりの列に並び、チケットの半券を受け取って、あなた