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ヒトとモノの関係性 いいストレスをデザインする

「いいストレスをデザインする」―デザイナーの私が大切にする姿勢です。
モノと人(商品のユーザー)との関係性を整理し、良好なストレスをデザインすることで、生活にメリハリや喜びをうみだせるからです

いいストレスと悪いストレス

私たちは、「ストレスを感じた」という言葉を聞くと、通常はネガティブな状態を思い浮かべます。しかし、実際のところ、ストレスは「精神的緊張」という意味であり、ストレス=悪い ということではありません。
ストレスには、 “いいストレス(eustress) “と”悪いストレス(distress)”が存在しています。

“eustress ” =いいストレス(Good Stress)
生活をいきいきさせ、人生をエネルギッシュにすごすきかっけを与える良い緊張。
“distress” =悪いストレス(Bad Stress)
不安や緊張をあおり、心や体に負のエネルギーを与え、時には蓄積させる悪い緊張。

人は、全くストレスのない環境(まったく刺激のない状態)では、うまく体温調整ができなくなったりすることが知られています。つまり、快適に生活するには、適度な刺激が必要だ。ということです。

”いいストレス”が、やさしさ

私の会社には、次のような言葉があります。

ヒトが考えなくてすむモノよりは、ヒトの思考を促すものを。
ヒトにべったりとしたやさしいモノよりは、ヒトの理解と創造を喚起させるモノを。

1995年 ICI Design Institute Inc.

なかなか、なんとなく理解ができないところがありました。言葉が自分の上を滑っている感じ。

ふと、理解できたのは娘が小さな頃
なかなか立って歩こうとせず、ハイハイでばかりすごしているので、病院に相談にいきました。
すると、そこで、
「もしかして、バリアフリーのお部屋ですか?」
「お子さんのおもちゃは手に取れるところに置いていますか?」
と質問されました。
そう、我が家はマンションで、バリアフリー仕様。玄関まてフラットです。
立てないからと、子どもが好きなおもちゃは全て床に置いていました。
この私がしていた、私がやさしいと思っていた行動が子どもの成長を阻害していたのです。

このとき、べったりとやさしい。の理解ができました。モノからもヒトの いいストレスがないといけないんだ。とストンと腑に落ちた瞬間でした。

よいストレスをデザインする

人とモノの関係に、“いいストレス”があることで、モノとの間に、驚き、楽しさ、そして、笑顔がうまれます。意欲をよびこすかもしれません。
モノとヒトの関係に「良いストレス」をデザインすることによって、豊かな生活や笑顔の溢れる生活を創り出すことができると信じて私はデザインをつづけています。



デザインのこと、日常のことを綴っていきます。
今後も、興味を持っていただけたら幸いです。

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