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現役駅員から見た【緊急事態宣言】

4月7日夜、安倍首相により「非常事態」が宣言されたにゃ。

これに先立ち、いろいろなことがメディアから情報が出てきたり、日常に変化がおきているにゃ。

現役駅員からみた現状をお伝えするにゃ。

コロナウイルス襲来

クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が横浜港に着岸してから徐々に騒動が拡大してきた日本。

いよいよ都市部を中心に拡大し始めそうだといった状況の時、鉄道を通した社会はどうだったかということを少し振り返るにゃ。

おそらく、未知との遭遇といった感覚が大きかったと思うのだけれども、この時期の通勤電車はいつも通り。

まだマスクが足りない!なんていうことも騒がれていなかった。

もちろんご利用いただくお客様の数もいつも通り。

実はマスク姿の人がおおよそ半分程度いたにゃ。

そう、そのころの日本は花粉シーズン真っ只中だったにゃ。

この時点ではまだコロナウィルスに関連した影響はあまり出ていなかったにゃ。

感染拡大

ダイヤモンドプリンセスから日本国内に広がってきたコロナウイルス。

様々な情報が錯綜する中、鉄道業界にも余波の足音が近づいてきたにゃ。

JR東日本の駅員さんが罹患し、隔離されてしまったのにゃ。

一日に何万人もの人が行き交う「駅」で、罹患しないほうが難しいのではないか。働きながらそんなことを思う日々になってきた。

この頃から世間では、次第にマスクが足りない!となりはじめた。

勿論、駅に備蓄してあるマスクは特殊なもの(火山灰用)の他はある程度しかないため通常使用のものは底が見え始めたにゃ。

この時点で駅員さんの中では、「いつ自分が罹患・媒介となってしまうかはわからない」といった危機感が充満していたにゃ。

非常事態宣言前夜

いよいよ、非常事態が宣言されるか!?という日の前夜、鉄道の運行に関して様々なニュースが飛び交い始めたにゃ。

(以下引用)

〈独自〉政府、首都圏で鉄道減便要請を検討 緊急事態宣言後、新幹線も 最大5割、終電繰り上げも(産経新聞)

政府が7日にも発令する緊急事態宣言に伴い、首都圏などの対象区域で鉄道各社に対する減便の要請を検討していることが6日、分かった。対象は新幹線にも及ぶ見通し。不要不急の外出を抑制する狙いがあり、宣言が出れば来週以降、減便が始まる可能性がある。

政府がJR東日本などと検討しているのは、7日にも緊急事態宣言が出た場合、来週から当面の間、平日にも土日・祝日のダイヤを運用し、終電も繰り上げる。その後、通常の最大5割程度に列車の運行本数を間引きした臨時ダイヤに移行。新幹線は5割以上の減便も検討する。

改正新型インフルエンザ等対策特別措置法では、政府が緊急事態宣言を出した場合、電気や水道などのライフラインの機能を最低限維持するため各事業者と「総合調整」を行う。公共交通機関も同様の措置を取ることが想定されている。

(引用ここまで)

上記は実際にネットに掲載されていたものにゃ。

もちろん、実際に現状ではそのようなことはなく、多客時の臨時便や観光列車の運休・減便・サービス縮小に留まっているのにゃ。

このニュースだけが先行し、現場では一時お客様からの問い合わせが殺到し混乱が生じたのにゃ。

このとき、既に乗降人員はおおよそ半数程になっていた。。。

ついに非常事態宣言

いよいよ非常事態が宣言されました。

非常事態宣言がでる以前から乗降数が減っていたので大きな変化はなかったのにゃ。

変わったことといえば「終電の降車人数」

これに関しては非常事態宣言の前後で体感おおよそ半数位に激減したにゃ。

夜の飲食が大幅に減ったのが原因と思うにゃ。

このあと内部では本来最繁忙期である『定期券の販売』ではなく、

『定期券の払い戻し』に追われることになるにゃ。

定期券類は各社が連携し、統一したルールで販売・払い戻しを行うので臨時の取り扱いを決めるのも大変な作業にゃ。

以下各社共通(一部異なる場合あり)の取り扱いにゃ。

定期乗車券の払いもどし
〇「通学定期乗車券(大学生等相当の通学定期乗車券を除く)」の取り扱い
【対象のお客さま】
新型コロナウイルス発生に伴い、通学先の学校(小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等)が休校となったため、通学定期乗車券の払いもどしを希望されるお客さま
【払いもどしの方法】
2020 年 2 月 28 日以降の最終登校日を最終使用日とみなし、1 ヵ月単位で計算した額(所定の手数料が掛かります)を払いもどしいたします。ただし、最終登校日以降に通学定期乗車券を使用されている場合は、対象外とさせていただきます。


 〇「通勤定期乗車券」又は「上記以外の通学定期乗車券」の取り扱い
【対象のお客さま】
緊急事態宣言の発出に伴い、通勤定期券又は大学生等相当(大学・短大・専門学校等)の通学定期券の払いもどしを希望されるお客さま
【払いもどしの方法】
2020 年 4 月 8 日以降当該定期券をご利用になっていない場合、2020 年 4 月 7 日に払いもどしのお申し出をされたものとみなし、1 ヵ月単位で計算した額(当該定期乗車券の使用開始後7日以内の場合はご利用日数分の往復運賃を差し引いた額・所定の手数料がかかります)を払いもどしいたします。ただし、2020年 4 月 8 日以降に当該定期券を使用した場合は、その最終使用日に払いもどしのお申し出をされたものと
みなしてお取り扱います。

おおむね上記の取り扱いに各社が統一しているにゃ。

各社統一の取り扱いを策定→現場社員に伝達

現場社員の感覚では今回のイレギュラーな対応は、今までにないくらい迅速だったにゃ。

鉄道事業各社のスタンス

根拠となる特措法には、緊急事態宣言時に公共交通の遮断または減便を要請する直接の規定はないのにゃ。

政府から、感染症対策を「的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるとき」は指定した公共機関に対して、感染症対策の総合調整を行うことができると定められているのにゃ。

そのため鉄道各社は、政府からの要請があればその都度検討するというスタンスなのにゃ。

実は、外出を抑制するために公共交通機関を減便するという手法は、これまでもロンドンやニューヨークで行われたのにゃ。

しかし危惧されていた通り、満員電車が問題化して中止になった経緯があるのにゃ。

日本では、外国に比べて通勤の鉄道分担率が高いので、都市機能を維持するために鉄道輸送はなくてはならないのにゃ。

だから通勤者の減少以上に列車を減便すれば、現在以上の混雑が発生し、感染拡大のリスクが高まりかねないにゃ。

検討中といわれる最終列車の繰り上げにしても、最終列車に乗っているのは必ずしも一杯飲んだ仕事終わりの人たちだけではなく、時差通勤で夜遅くに帰宅している人や夜勤の人もいる。

最終列車を繰り上げるということは、深夜時間帯の利用者が最終列車に集中しかねないのにゃ。

実際には既にいくつものパターンの減便案がそれぞれの会社間と打ち合わせが行われているのにゃ。

全体の動向

この騒動、いつまで続くかは未知数なところもあるけれど、現状やっぱり危機感を持っている人そうでない人の差がすごいなと思うのが正直なところにゃ。

テレワークに移行する人、

通勤時間を変える人、

いつも通りに通勤する人、

マスクをする人、しない人

お構いなしに旅行に出かける人

こういう時でも、『全員を納得させること』というのは、本当に難しいことなんだなぁと思ったにゃ。

なにはともあれ、早く落ち着くことを願うのにゃ。

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