書籍紹介。サン=テグジュペリ『人間の大地』光文社古典新訳文庫。
サン=テグジュペリ『人間の大地』光文社古典新訳文庫。読了。
おすすめ度4
難易度3
サン=テグジュペリの中で一番の傑作はこれじゃないかと思っている。
飛行機という20世紀の乗り物が新たに切り開いた空という空間での体験を詩的に表現したことともに、空から地上を見下ろすことで人間が何に縛られて生きており、何が人間らしく生きる条件なのかを問うたのは意義あることかと。
また、飛行機乗りというと自由気ままに生きているイメージをもつかもしれないが、その彼が次のような言葉を作品に残していることはよく考えたいものです。
手の届かないところにある共通の目的によって同胞と結ばれたとき、僕らは初めて胸いっぱいに呼吸することができる。経験によれば、愛するとは互いに見つめあうことではない。一緒に同じ方向を見つめることだ。サン=テグジュペリ『人間の大地』光文社古典新訳文庫。p272
目的に対して責任を持って生きる。そこに自由があることが空を飛ぶ経験の中に爽やかに、また、静謐にあることが詩的表現と相俟ってよく表されているかと思います。
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