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本のタイトルについてあれこれ考えたこと

ビジネス書のタイトルは、何が書かれているか、読んだら何が得られるかが直感的にわかることがキモのようですね。
もちろん例外はありますが。
時間のないビジネスマンにはありがたいポイントです。

「教科書」や「授業」「教室」という言葉が入った本をよく見かけますが、これはわかりやすい。
「○○の入門教室」
「世界で一番やさしい△△の教科書」
などなど。
「初めて勉強する人に向けて、基本的な情報をわかりやすく、バランス良く教えてくれるモノ」というイメージが伝わってきます。
手に取る側は仕事で悩んでいたり、わからないことにぶち当たっていたりするので、つい期待をしてしまうんですよね。

学校の勉強なんて、役に立たないモノが多いよ。
教科書で勉強しただけでは、本当の学びにはならないから。

とは何度も聞いてきたけれど、勉強した内容はともかく、学校で使った「教科書」や受けた「授業」というモノ自体を、人はネガティブに思っていないのでしょう。
学生時代は授業中爆睡していようが、教科書に落書きしていようが、授業や教科書には大人になっても「学び」を期待させる何かが詰まっているのかもしれません。

・・・

ちなみに、私はタイトルだけでは中身がよくわからない本にも惹かれます。

ちょっと謎めいていて、とっつきにくい。
けれど思い切って読んでみるとすごく面白かったり、自分の気持ちになじむこともある。

なかなか打ち解けない人と出会い、しばらくお会いしているうちに少しずつ人となりが理解できてくるような。
そんなじわじわと感じる幸せもあります。
私自身が人見知りで、人と打ち解けるまで時間がかかるタイプなので、タイトルだけで中身を悟られない本たちに勝手に親近感を抱いているのかもしれません。

例えば、今年に読んだ本の中で、一番中身がわからないタイトルはこちら。

書籍名:ポースケ
著者:津村記久子
出版年:2018/1/23
出版社:中央公論新社(中公文庫)

手に取った時はあらすじも何もわからず「ポースケって、何だ?登場人物のニックネームとかかな」くらいに思っていました。
読み始めたら全然違ってポースケさんと言う人は現れず、カフェを舞台としたお話でした。
(「ポースケ」の意味はぜひGoogle先生にお尋ねください。)
内容が面白かったことはもちろん、自分の勘違いもひっくるめて楽しい本です。

何を書いているの?とあれこれ疑問を感じさせたり、ちょっと勘違いさせたり。
そんな、人の心を翻弄する本に、私はまた手を伸ばしてしまうんだろうな。

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