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【読書メモ】怒らないこと(アルボムッレ・スマナサーラ)【#65】

目次を紹介すると

第1章 「怒り」とは何?
 「怒り」について誰も知らない
 人間は「怒り」と「愛情」で生きている
 「ゴキブリが気持ち悪い」のは自分のせい
 「私は正しい」と思うから怒る
 言葉は正しくない
 怒る人々が思うこと
 嫌なことを反芻してさらに不幸になる

第2章 怒りが幸福を壊す
 拒絶のエネルギーが強烈になると
 怒りが私たちの命を脅かす
 怒りは自分を焼き尽くす「火」
 病気がすぐ治る人、いつまでも治らない人
 怒りはすぐに伝染する
 「怒る人ほど頭が悪い」という真理

第3章 怒らない人
 いちばん強烈な罰、それは無視
 お釈迦さまを困らせた運転手
 自分で反省しなければ意味がない
 偉大な人ほど謙虚でいられる
 怒ったら、怒らないこと
 怒る原因がないときは誰でも立派

第4章 怒りの治め方
 自分の心にある「怒り」に気づくこと
 怒ったら「自分は負け犬」と言い聞かせる
 正しい「平等」を理解する
 「生きがい」などにこだわらない
 エゴは自分の足枷
 怒りではなく「問題」をとらえる
 笑えば怒りは消える
 心を鎮めて状況を把握する

怒らないこと (だいわ文庫)

これは文庫版の目次です。入手しやすいのはこちらでしょう。僕は再々々読くらいなので、サンガ新書のものを持っていますが、目次がもう少し細かく区切られています。内容は同じだと思います。

第1章から第3章までが怒りについての解説や考え方です。仏教では対機説法という手法が採られますので、様々な事例を使ったケーススタディのような内容になります。

対機説法というのは

仏教では、相手の能力や状況などに応じて教えを説きます。これを「対機説法」と呼びます。たとえば、怠けがちな人には「もっと頑張ったらどうですか」と問いかける一方、頑張りすぎる人には「もう少し力を抜いてもいいですよ」と伝えるのです。
そのため、釈迦の教えを記録した経典などでは、互いに矛盾する点が多々見つかります。

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第4章で、やっと怒りへの対処方法が出て来ます。注意するところは、怒りを抑えたり我慢してはいけないということです。抑えた理我慢しても、ずっと死ぬまで我慢し続けることになってしまうからです。また、ストレスを発散すれば良いというのも注意です。怒りの原因を見ずに、誤魔化しているだけだからです。怒りを、より大きな刺激で誤魔化しているだけなのです。

では、どうやって対処するかというと。見つめることです。それをヴィパッサナー瞑想と呼びます。怒りが生まれたら「あ、怒りだ。僕は怒っているな」と自分自身を観るという方法です。そうすると、怒りが生まれた瞬間に消えてしまいます。

ヴィパッサナー瞑想というと難しいですが、西洋風にいうとマインドフルネスです。今の自分を、善悪の判断せず、ただ見つめる、観察することです。そうすると、怒りが消えていきます。

怒らないためにも
「自分は偉い」というエゴを捨てる
「自分はダメな人」というエゴを捨てる
「他人に負けたくない」というエゴを捨てる
のも大事です。なので、エゴにも気づくようにしましょう。これも自分を見るようにすれば分かって来ます。

最後に、「怒り」と「笑い」は両立しません。詳しくは本書を読んでいただきたいのですが、怒らないでいるために、とにかくよく笑うようにしましょう。知恵の笑いは「笑って幸福になる」ということです。無知の笑い「幸福だから笑う」ではないことに注意ましょう。

おわり


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