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母のその後とこれから

認知症疑いのある母のこと。

①地域包括支援センターとのやり取り

前回、地域包括支援センターの担当者さんとやり取りをしてとりあえず一度訪問してもらって母の状況や今後について話してもらうということになった。

2週間後くらいに担当者さんから電話が来ていた。「来ていた」というのは私が電話に出られず、折返しもできていなかったから。(どうも「電話」というツールが苦手だ)

担当者さんに折り返し、状況を教えてもらった。
実際に訪問する前に何度か実家にアポイントの電話をかけてくださったそうなのだがタイミングが悪く1度もつながらなかったそうだ。
父と母はよくドライブに出かけるので電話に出られなかったようだ。(あえて「出なかった」のではないと思いたい)

「訪問できていないけど、お父様・お母様の状況はいかがですか?」と聞かれたので、なんか申し訳なくなってしまい、父も母も月に1回くらい私の家まで来られる状態なので今のところ大丈夫なのかもしれない旨を伝えた。
唯一母の情報を伝えてくれる妹とはちょっと連絡が取れずにいるため、父からの情報しか私のところにはなく、私の家に来てくれる時の様子を見ることしかできない旨も伝え、これ以上お手間をかけさせるわけにはいかないので少し様子を見ましょうと提案した。

担当者さんは少し残念そうだったが、常に気にかけてくれるとの返事をくれた。

これは単なる「ポジティブ思考」とか「逃げているだけ」と言われるかもしれないが、母は妹が言うほどひどい状況には見えないのだ。
母は世間体を気にする人なので私の前では全力で「いつもの母」を演じているだけなのかもしれないけど。
確かに少しは以前よりもふわっとした感じだけど。それでもひどい状況だとは思えない。
私と違って妹は一緒に住んで、目の前で母の異変を目撃しているので妹が言うことが正しいのは分かってる。でもなんか実感できない。

だからというわけではないけれど、地域包括支援センターとのつながりはできたし、現在の母の状況を見るともう少し様子を見てもいいような気がして、担当者さんにも見守っていただきつつなにか状況が変わったらまた連絡するということで電話を切った。

「なにかあったらいつでも電話してください。待ってますから!」と言ってくれた担当者さん。本当に心強い。ありがとうございます。

②父のこれから

毎日つきっきりで母のそばにいる父だが、定年退職した会社で「バイト」をすることになったそうだ。(さすが大手企業、定年退職しても仕事をくれる)

週2日、会社に行って朝から夕方までほぼ定時で働くとのこと。

父にとっては少し気分転換になるしとてもいいと思う。まだまだ働けるし、今まで積み上げてきたスキルを活かせるお仕事みたいなので大いに楽しんで働いてほしい。

③今後について

父が週2日とはいえ働きに出てしまうと、母は実家で一人ぼっちになってしまう。母にとっても気分転換になると思うけど、やっぱり心配だ。

なにかあったら地域包括支援センターに電話しようとは思っているけど。
私が週2日だけ実家に帰ればいいんだろうけど、まだそれは自分の中で何かが邪魔をしている(逃げてるだけかもね)。もちろんいよいよ両親ともヨレヨレになってきたら実家に通うことは考えている。

でも今は違う、ということで、今私にできることを考えてみた。
メールは毎日じゃないけど送ってる。(母はメールを返す気力がないようだ。いつも父から返事が返ってくるw)
Skypeをしようかと思ったけど、それもやる気力がないようだw
「電話ならできるよ」と父が言っていたので、父が会社に行く2日だけ母に電話をしようと思う。

一人になってしまうと、もしかしたら車に乗ってしまうかもしれない。
不安になって外に出て騒いでしまうかもしれない。

そんな心配を事前に回避するため、週2日電話をすることを母に伝えておけば家で待っていてくれるかもしれない。
今まで電話で母と話すことはほとんどなかったので、電話することがいい方に転ぶか悪い方に転ぶかはわからない。

だけど、もし自分が母のようになった時、電話でもなんでも話し相手になってくれる人がいたら安心するだろうと思う。
人は話すことが好きだ。話を聞くことも好きだ。だから母に電話しよう。

(今もスピッツの曲を聞きながらnoteを書いているけど、母と電話をするときもスピッツをかけてあげようと思う。母はスピッツが好きだから。)

実を言うと「母に電話をする」と決めたが、必ずしも前向きではない。とにかく電話が苦手。母と話すのも苦手。しかも今の母の状況だとますます辛い。だけど、認知症というか鬱というかそういう傾向があったのに気づいてあげられなかったことに責任を感じている。

「責任を感じている」だけではだめなんだ。
それに対してきちんと対処していかないと。
もう手遅れかもしれないけど、母の話を聞こう。聞けなかった分を全部聞こう。少しでも気分がはれてくれたらそれでいい。

電話をすることで父がいない間、母に家にいてもらうために。
電話をすることで少しでも症状の進行が遅くなるように。
なにより母が電話を楽しんでくれるように。

④辛い時の対処法

やっぱり自分の家族が老いていくことは寂しいし辛いと感じてしまう。昔からきっちりしていて賢かった母は特に、だ。

だけど、周りの家族が暗い表情で母に接していたら母も辛いと思う。
こういうときは得意の「なんでも面白くしちゃう」特技を発動する。

周りからしたら「不謹慎」?あまり気持ちがいいものではないかもしれないが、自分の家族だからそこは大目に見てほしい。

症状が出始めてから母は声が大きくなった。私の家に来るときもマンションのエントランスで大きな声で話す。最近の口癖は「あんたはカワイイね〜!」だwこれを毎回言う。
他の住人に聞かれたらちょっと恥ずかしいけど、最近は気にしていない。「めっちゃ私のファンだなw」と思ってる。「うるさい人がいる」というクレームが管理組合に来るまでは気にしないことにしている。
母の症状を隠す必要はないし、誰しもこうなってしまう可能性はある。だからこそ今からこうやって啓蒙活動的に公開しておけばいいんじゃないかなくらいに思ってる。
クレームが来たら引っ越せばいい!(住宅ローン残ってるけどw)

さっきも「母はメールを返す気力がないようだw」と書いたが、ちょっと前は「もう母はメールも返せないのか…」と思っていた。でも父から「メール来て喜んでるよ!」とメッセージもらうたびに、「これでいいじゃん!」と思えるようになってきた。そりゃメールなんてない時代の人なんだから、小さいスマホでメールを返すこと自体誰だってめんどくさくなるよね。
メールは送り続けるけど、次は手書きの手紙を出してみようと思う。きっと手紙なら返ってくるはず。写真かなんかを1枚入れたりして。

母が「今」楽しいと思えればそれでいいんじゃないかな?
「前はできたのに…」と過去の母を振り返るより、今の母を尊重してあげたい。今したいことをすればいい。今できることをすればいい。

私は意外と楽天的なのだ。

母をバカにしているわけではなくて、楽しませたいのだ。きっと母自身も辛いと思っているはず。(だけどそれを見せようとしないのは遺伝かw)
だから私が暗い顔をしていたらもっと落ち込んでしまう。だからとにかく楽しくして母にも楽しんでほしい。

老いも認知症も「しょうがない」じゃん。老いは誰にでも来るし、認知症だって誰しも可能性はある。65歳以上の約7人に1人は認知症だったという2018年のデータもあるくらい。
だったら楽しんじゃったほうがいいじゃない。
母のこともあるので私もいつかは認知症になると思う。人より早いかもしれない。そんなとき、怖がらず明るく普通に接してほしい。私は認知症を楽しむつもり。

母に電話をするのは前向きではないけれど、これを「傾聴サービスの練習」だと考えると不思議と動き出せる自分がいる。これも一種の「なんでも面白くしてしまう」特技かもしれない。

母の症状が出てきた時、改めて認知症について調べたりしていて思ったのは「私にできることはなんだろう?」だった。母に対してもそうなんだけど、もっと大きな枠で考えたときにできることはなんだろう?と考えた。

認知症でもなんでもそうなんだけど、高齢になってくると状況によっては話し相手がいない人も増えてくるのではないか?やっぱり人は人との会話がないと元気がなくなっていくような気がする。

そこで思いついたのは「傾聴サービス」!
高齢者とテレビ電話をしてお話を聞くサービスなのだが、常に在宅で仕事をしている私にぴったりなのではないかと。

これを母という「高齢者」にサービス提供すると考えれば少しだけ前向きになれる気がした。

自分の家族が認知症なんだと考えるとやっぱりネガティヴになってしまうけど、他人の家族だと考えるとネガティヴではなくただ「助けてあげたい」と思えるのは不思議だ。

今後は少しでも前向きに、楽しく母をケアしていこうと思う。
母は第二の人生が始まったのかもしれない。

⑤介護保険で備える

たまたまANAのマイレージか何か見ているときに「ANA明日へのつばさ 親介護保険」というものを見つけたので加入することにした。

この状況では母は難しいかもしれないが、父だけでも介護保険にと思って加入を検討している。要介護3と認定されたら一時金がもらえる掛け捨てタイプの保険だ。公的介護保険もあるのであくまでサポート程度のつもりだけどやっぱりもしものときはお金がかかるからね。

ついでに自分のも入っておいたw月数十円だし、我が家には介護のための蓄えがまだないので。早いうちに認知症になったり介護が必要になった時に備えておきたい。

あとは「損害保険」を確認しておこうと思う。父や母の認知症がひどくなった時、万が一他人に危害を加えてしまったり、他人のものを壊してしまったとか怖いのは車を運転して踏切に進入、電車を止めてしまった!なんてときにすごい損害賠償を求められたとき。こういうときに損害保険があると助かる。

母の認知症はとてもショックだし辛いけど、ここは明るく乗り切って、地域包括支援センターと連携しつつ、父とも連携しつつ、保険でも備えて母に楽しく暮らしてほしいと思う。

今回のお写真は母が好きそうな野花を選んでみました。

まとまりのない長い文章を読んでくれてありがとうございます。

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