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母は壊れてしまったのだろうか?

人に向かって「壊れた」は失礼な表現だけど、母のことだから許してほしい。

私は前々から「自分の頭が空っぽになること」に恐怖していると言っている。その理由は母と祖母にある。

祖母は90代後半まで生きていたが亡くなるまでの数年間は認知症を患っていた。とっても元気で可愛いおばあちゃんだった。

母も少しそんな兆候がでていたが、もしかしたらばあちゃんと同じようになってしまっているのかもしれない。まだ70歳にもなっていないのに。

家族から「どうしよう!」というメールが来たのが今日の午後。

何事かと思いメッセージをやり取りしていると、母が大声で叫びながら家の外に出てしまったらしい。

こういう時、真っ先に近所からの目線を気にしてしまう自分が嫌になる。

まずは母のことを考えるべきなのに。

危険な状況かどうか、父は近くにいないのかなどを確認した。

父は買い物にでかけており、もうすぐ帰ってくるとのことだった。

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実を言うと、私はもう何年も実家に帰っていない。月に1回くらい両親が車で私の家に来て、畑で取れた野菜や旅先で買ったお土産(今日のお写真)などを持ってきてくれるのが恒例になっている。

だから、母の状態も、父がどんなふうに対応しているのか全く知らなかった。

月に1回来てくれる時に母の様子は見ていたが、見て見ぬ振りをしていた。「母は元気だ」と言い聞かせて。

ばあちゃんが亡くなってからだ。母に少しずつ変化が現れたのは。

・気に入った映画を何十回も見に行く
・父が何か隠し事をしているんじゃないかと大騒ぎする
・冷蔵庫に入りきれないほどたくさんの買い物をしてしまう

どう考えたって何かおかしい。
でも見て見ぬ振りした。年を取って少しのんびりしちゃってるんだろうって。

でも、やっぱり気になっていて、毎日母にメッセージを送ったりもしていた。少しでも考えたり会話できたらいいなって。でもそのメッセージの返事も最近は来なくなった。父はスマホが壊れたからと言っているけど、もしかしたらもう母はメッセージを打つこともできないのかもしれない。

だから毎日電話をしようと思った。でも結局できてない。

フリーランスなんだから実家に帰って直接話せばいいじゃないかと思われるかもしれないけれど、私は実家が苦手だ。
母も父も人間的に素晴らしいと思っているし、他の人から見たら全く問題ないと思うはず。
でも実家が苦手だ。大学に入ったときから一人暮らしをはじめたけれど、その時から実家には数回しか帰っていない。なんか居心地が悪い。理由は分からない。

そんなワガママと見て見ぬ振りのせいで母を苦しめてしまったのかもしれない。(詳しくはまた別の機会に書くけど)事実婚的なパートナーはいても結婚はしていないし、子供を持たない選択をしている。だから母に孫の顔を見せることはできない。

母からすれば到底理解できない生き方だろう。母の周りの人は、子供は結婚し、孫を連れてきているだろう。でも母は、娘はいつまでたっても結婚しないし、家にも帰ってこない、孫の顔すら見せてくれない。きっと周りの人たちを見て、寂しい思いや悔しい思いをしたことは想像に難くない。

ほったらかしてしまった私に責任があると思っている。
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母は父が帰ってきたら落ち着いたようで、また2人でどこかにドライブしに行ったそうだ。

母は父がいないと不安になってしまうのかもしれない。
その不安が単純な「不安」という感情ではなくまた別の感情になってしまい、それが吹き出してしまうのかもしれない。

だから父が一日中寄り添って、ドライブに行ったり、買い物に行ったりしているそうだ。

このままでは父の体力がいつまで持つか分からない。

父は「心配しないで自分の人生を生きなさい」と言っているが、強がっているだけだと思う。父だってもう年金生活の高齢者だ。毎日こんなペースだと絶対に持たない。

ここで私が行動しなくては。クヨクヨしてても改善されるわけじゃない。

少しだけ持っている知識で、色々と調べてみた。
まずは「地域包括支援センター」に相談してみることに。

・現状は家族に確認&説明してもらう
・母がどんな状態なのか診断してもらう(本人は診察を拒否)
・それを踏まえて私達家族はどう動けばいいのか
・母に楽しく過ごしてもらうためにはどうすればいいのか
・父の負担を減らすためにはどうすればいいのか(Dカフェやデイケアの利用など)
・介護保険の申請をするべきか
・損害保険に入るべきか(もしくは入っているか確認。認知機能が低下している時に他の人を傷つけたり、物を壊してしまった時のため)
・私は何をすればいいのか

こういったことを地域包括支援センターの専門家(プロ)に相談する。

父や母の世代はこういう場所や人のお世話になることを恥ずかしいと思う傾向があるが、こういうことこそプロや行政の力を借りるべきだと私は考える。今まで高い税金を真面目に払ってきたんだから、このくらい還元してもらったっていいはず。

父と母を連れて行く前にまずは子どもたちで相談に行き、(恐らく父や母は拒否するだろうから)プロに対応をお願いするという流れになると思う。

誕生日を迎えた翌日にこんなことになるとは思ってもいなかったけど、私はあんまりネガティブに考えていない。
いくら過去を嘆いても今の状況が良くなるわけじゃない。だったら持てる知識と経験で母と父に最高の環境を整えることが私の使命だと考えて、とにかく全力で動くしかないのだと思っている。

診断が出るまでわからないので、母は認知症じゃないかもしれないけれど、「認知症サポーター講座」を受けようと思っているし、「認知症介助士」の勉強もしようと思っている。まずは知識が必要だ。
知識を集めつつ、地域包括支援センターと一緒に動くことでもっと知識を深めて行動につなげていく。センターに力は借りるけど、もう「ほったらかし」はしない。

こういうことをこういう場所に書くことはナンセンスだと思っていますが、こういう状況や思いをしている人に「仲間」がいることを少しでも知ってほしいし、1つの道しるべになると思うので少しずつ書き残していきたいと思います。

私も辛い。でも前を向く。

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