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不安で未来が霞む、はよ春風よ吹け

たぶん春だからだ
春だから思考が鈍く、これから新しい年度が始まる、連綿と続く人生のまた何の変哲もない1年が始まる、その不安が忍び足でやってくる

わたしはまた7時に起きようとしてつい二度寝する、
でも夢の続きはぷつんと途切れたまま君は遠く彼方、
小走りで出勤しては終わらせ方に困る雑談に愛想笑い、
勤退の打刻だけはきっちりに、同期との飲み会はルーズに呑まれ、
帰宅後は身体にこびりついた噂話を洗い流す

はて、わたしの日々は
わたしの毎日は
わたしの毎時間毎秒は、
           何で構成されているのか
それは満ちているのか、光っているのか、はたまた温いのか、硬いのか。
日々感情はある、わたしは生き物だから
幸せとは日々の感情の総称だ、いや待て、日々の生活そのものだ
日々の生活すなわち過ぎ去る時間、幸せの要素を刻々と積み上げている
わたしは満足に食べるし満足に眠る
わたしは緩やかに老いていく、満たされた日々に感謝する
そうわたしは幸せか

たぶん春だからだ
幸せの定義に疑問を抱き、夜が明ける
満ちているけど欠けている 
湧き出る源泉は心のうちにあるのだろうか
何かを目指しているような感覚、依然わたしは怠惰な生き物だ
満たされるのではなく、満たしていく
そう決意した夜は寂しさを覚えないとわかっている

春は苦手だ
いつだって時を鈍らせるのは惰性だ、鈍さだ、停滞だ
はよ春風よ吹け



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