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スカイとマルコ(26)・一緒に生きること

え、遠吠え?狼?
寝ぼけた頭で、月子さんは考えた。
数秒後、ガバッと飛び起き、隣の部屋に駆け込んだ。
窓際で、ソラが、空に向かって悲しげに吠えていた。

あ、もしかして・・・。
月子さんは、最悪な可能性に思い当たった。
この子には分かるんだ。離れていても分かるんだ。

そっと後ろから近づき。抱きしめた。

悲しいね。寂しいね。辛いね。

本当は、ご近所迷惑だから、遠吠えを止めさせないといけないんだろうな。
申し訳ない、でも、今はできない。
明日、何か買って、ご近所に謝って回ろう。
今は、この子の気持ちを優先してあげたい。

そんな思いに駆られながらも、月子さんは、冷静に自分の心を見つめていた。

私はこんな場面でも、実に客観的だ。でも、感情がないわけじゃないんだよね。でも、多くの人間はあまり理解してくれないのよね。
ソラはどうだろう?
まあ、それはソラが決めること。私は、私がやれることをやるだけ。

月子さんは、遠吠えを続ける、ソラの背中を優しく撫で続けた。

早朝、動物病院から電話がきた。
しょんぼりと尻尾を下げたソラと共に病院へ行った。
冷たく、硬くなったその子をソラはずっとずっと舐め続け、最後には食べようとしたので、月子さんと獣医さんで必死に止めなきゃいけなくなり、病院を恐怖に陥れた。

1週間後、小さい小箱に入った白いパウダー状になった骨が届けられた。
小箱を開けてソラに見せると、あっという間に、透明の袋を噛みちぎり、骨を食べてしまった。

ソラは、食べることで、自分の血となり肉にして、ずっとその子と一緒に生きようとしているのかもしれない。

そう思うと、月子さんは、その行為を止められなかった。









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