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【随筆/まくらのそうし】 ウリハムシ

 ウリハムシという、橙に黒背の虫がいて、ウリ科の野菜を食べてしまう。

 穴が開くという程度ならまだいいが、苗を植えれば駄目になるほど、その食欲はすさまじい。

 キュウリにカボチャ、スイカにメロン、片っ端から食われれば、見るのも嫌になるほどだ。

 ところでこのウリハムシ、ウリ科だけでなく、大豆にもつき、せっかく頭をもたげた芽茎をボロボロに、放っておけば綺麗さっぱりなくしてしまう。

 仕方がないので、一時は、ペットボトルに水を入れ、ウリハムシを落とし、溺れさせ、大豆を防衛していたが、面倒くさいのと嫌なのと、大豆自体を植えなくなった。

 これはペットボトルの口を切り、蒔いた地面に被せれば、虫もつかず、ウサギも来ず、うまく育てられるのだけれど、不精者には敷居が高く、ほとほと農業というのは人の所業と、世捨て人を気取るのだった。

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