【詩】気紛れと従順
手の内は明かさない、との事
あけすけに見せている素振りはお上手で
それ故、またしても
まんまと夢見心地
ほくそ笑む 後ろ姿
取り残される私の呆けた顔 馬鹿らしい
目の前に出されて
並べられたごちそうは
鮮やかで香しく
それでも 待てというならば仕方ない
従順な犬のように
愛され方を覚えることに必死で
ただ濡れた目で
誉められることだけに集中する
上手な愛され方があるならば
上手な愛し方があるならば
それを完璧にこなせるならば
愛おしい手がスイッチへ手をかける
小さな音を立てて
ごちそうの立体映像は消滅した
おいしい未来は簡単に消えてしまった
ほくそ笑む 後ろ姿
取り残される私の呆けた顔 馬鹿らしい
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