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ハタチから8年間放置した痔の手術体験記②手術+入院生活

痔の手術をしたので、情報を探している人の参考になればとまとめてみました。今日は入院中のことを中心に書いています。
人によって色々な違いがあると思うので、そんなパターンもあるんだな程度で読んでもらえたら幸いです。また、医療の知識がない素人患者の感想なので、何か間違ったことを書いている箇所があった際は教えてください。

どんな風にまとめるか少し悩みましたが、私の一例を事細かく書きすぎたことによって、これから治療を受ける方にいらぬ不安や先入観を与えてしまうのは望ましくないと思ったので、1日ずつの細かい出来事ではなく、手術前に気になっていたトピックをいくつか書き出す形式にしています。
なお、血の気が引きそうなことは極力書いていないつもりですが、こういう体験記を読むと怖くなってしまうという人は、もし治療前の痔があるならとりあえず先に病院に行ってもらい、全部終わってから読んでください。
※すでに知識がある人向けのキーワード:内痔核・結紮切除


手術について

端的にまとめると、何をされているのか全く分からなかった。うつ伏せになった自分の上に重たい毛布を20枚くらい重ねられて、その上からぎゅうぎゅう押されているような感じだった。大体30分くらいで終わった。
下半身の麻酔だったので、意識があるままで手術なのが怖いなとビビッていたが、先生が「大丈夫~?」と話しかけてくれたら「は〜い」と答えて、あとは手術室の棚の中にある箱の文字を眺めていたら案外すぐ終わった。緊張はしていたので極力ボーッとするように努めていたが、それでも特に大きな恐怖も感じさせずサッサと終わらせてくださり、お医者さんって本当にすごいなと感動した。取れたものを見せてくれたときだけ、それは特に見たくないわとツッコミそうになった。

手術後の痛みについて

そもそも、ネットで見た注射タイプの手術の説明で散々「従来の手術は痛みが強かったが…」と前置きのダシに使われていたので、1週間くらい堪え難い激痛と闘うのだと勝手に想像していた。傷が治ったいま振り返ると当然痛かったし大変でもあったのだが、基本的に痛み止めがあったので、思ったよりは「まぁこんなもんか」という感じだった。ただ、私は(痔を8年放置できるくらい)不快や痛みに鈍いタイプかもしれないので、もしも普通に死ぬほど痛かったわという方がいらっしゃったらすいません。
看護師さんが初日にチラッと見せてくれた入院計画のような資料の備考欄に「疼痛コントロールに努めます」と書いてあったのだが、疼痛はとうつうと読み、意味はずきずきとうずくように痛むこと、らしい。痛み止めが切れた時は、確かにズキズキ・ジンジンという種類の痛みだった。

痛み止めについては、1日何回まで・間隔は何時間空ける、というルールの中で我慢せずにどんどん飲んでいた。痛み止めが切れてきた感覚がしたら「そろそろ飲もうかな」くらいのペース。手術が終わった直後、先生に「痛みを最大限我慢してから飲むより、痛みが弱い状態ですぐ飲んだ方が効果の満足度が高いよ」と教えていただき、指針にできたので大変ありがたかった。当然消灯後にナースコールでお願いしたりもした。病院の皆さん、本当にありがとうございました。4~5日目に痛みがある程度落ち着いてからは、朝食後は腸が動いて便が出るからトイレの痛みを和らげるために朝飲んでおこう、一応シャワーの前に飲んでおこう、みたいな感じで痛くなるかもしれないタイミングを予想して使っていた。

手術後のトイレについて

手術後の翌朝、初めての便が出るまでは相当緊張した。柔らかめの便になるように上手にコントロールしてくださっていたのか運が良かったのか、そんなに気張らなくても自然に出る柔らかさだったため、排便自体は身構えたほど大変ではなく、便が通った後にジンジンするくらいで済んだ。血は出ます。
私の場合だと、入院中は朝食後すぐくらいに便意が来て、多い日は5~6回便がでた。グッと力を入れられないので、小出しにしている感じ。

私の場合で少し困ったのは、手術後3日間くらいは午前中の体調が悪く、立ち上がると頭痛もあったため、体力的にトイレがしんどかったことだ。手術後初めての便のときは、緊張と体調不良と睡眠不足やらも重なったのか、汗・めまい・吐き気で「あ、倒れるかも」という感覚になったので、思わずトイレからナースコールをしたりもした。(個室の外に車いすを持って待機していてくださった。)トイレでいきんだり痛みを感じたり、出血があったりすると、血圧がサッと下がって気分が悪くなることがあるそうだ。大部屋同室で一緒の日に手術を受けた他の人はなっていなかった様子なので、全員必ずなるわけでもなさそうです。これは日数が経過するにつれて自然と落ち着いた。

ちなみに手術後は2週間くらいおしりにガーゼを当てているので、トイレの前に自分でガーゼを取り、終わったら自分で新しいガーゼを三角に折ってテープで留める。テープは付けなくてもいいらしいが、面倒なのでテープをしなかったとき、ガーゼがあることを忘れてトイレに座ってしまい、便器に落としたガーゼを手で拾う羽目になったので、結局最後までテープは留めておくことにした。

病院食について

めっちゃおいしかった。これは正直好みと病院によると思うので、ただの食レポで申し訳ない。普段よりも栄養バランスが良くておいしいごはんをモリモリ食べていたので、退院直前はいつもより肌ツヤが良かったような気さえする。定食屋さんのごはんの量を思い浮かべたとして、おかずは気持ち少な目で、お米は大盛くらいあった気がする。お米には「押し麦」という大麦が混ざっていて、便通に良いらしいので、退院後は自宅でも食べている。体調が優れず食欲がないときもあったが、入院中の楽しみはごはんだった。

普段はいつでも良く食べられる方なので、珍しく食欲がなかった中で面白かったのが、しんどくて食べられないものと食べやすいものがハッキリ違ったことだった。食欲がないときにしんどかったのは、塩味・醤油味・肉魚・お米・お茶。逆に食べやすかったのは、マヨネーズ味・カレー風味・果物の缶詰・春雨・もやし・きゅうり。あとはリンゴジュースがすごく飲みたかった。これは何か違いがあるんでしょうか。
とはいえ、元気な今になると毎日でも食べたいくらいのごはんだったので、特に美味しく食べた日の献立を書いておきます。

朝:押し麦ごはん、ふりかけ、がんもと人参を煮たやつ、ほうれん草の味噌汁、ヨーグルト、お茶
昼:けんちんうどん、煮たかぼちゃ、りんご、お茶
夜:押し麦ごはん、もやしと人参ときゅうりのからし和え、豚肉と野菜を味噌っぽい味で炒めたやつ、プリン、お茶

大部屋について

今回は6人くらいの大部屋で6日間を過ごし、すべてのベッドが埋まっている日もあれば、3人くらいの日もあった。実は、予約時に一応希望を聞いてくれたときは個室と伝えていた。(確約はできないと事前に聞いていた。)個室で希望を出した理由は、知らない人と同じ部屋で生活するのがストレスに感じそうだからという点に尽きる。実際は大部屋だった訳だが、長短どちらもありつつ、個人的には大部屋で良かったなと思っている。

◆大変だったこと
①色々気になって夜に眠れない
1日目と2日目は夜にほとんど眠れなかった。手術後でナーバスになっていたし、もちろんおしりも気になるので、結局個室でも眠れたかは怪しい。ただ、隣の人がナースコールを押したなとか、看護師さんと患者さんの話し声が聞こえるとか、いびきだなとか、大部屋起因の眠れない理由もあるっちゃある。慣れてきてたら眠れるようになったが、1日目の夜はリアルに一睡もできずシクシク泣くくらいしんどかった。
②1日目の夜はベッドの横に置いたポータブルトイレを使った
書くか悩んだのですが書きました。1日目の夜は麻酔後ということもあり、トイレまで歩いて行くのはNGで、朝までベッドの横に設置した蓋つきのポータブルトイレを使うよう言われた。もちろんカーテンで仕切られているので他の人から見えはしないのと、蓋があるので匂いは分からなかったが、まぁ…ちょっと面食らいはした。補足すると、私の場合は手術後5~6時間(うろおぼえ)で自分で尿が出なかった場合はカテーテルで導尿するとのことだった。詳しい処置は知らなかったのだが、「頑張って水飲んで尿を出してね」と看護師さんに2回くらいマジのトーンで念押しされたので、大部屋でポータブルトイレは嫌だとか言う間もなく一生懸命お水を飲んでトイレを使いました。出て良かった。

◆良かったこと
①仲間がいて心強い
同じ日に恐らく同じ手術を受けた患者さんが、同室にあと2人いた。術後はあらゆることを質問したくてたまらないのだが、こんなん聞くほどのことなのか?と悩んだりする。あと、おしりとか便とかに関連する質問ばっかりなので、聞く前に一瞬ためらったりもする。そんなときに、同室の患者さんがまさにその疑問を看護師さんに質問している声が聞こえてきて、心の中で「グッジョブ!」と感謝することが何度かあった。また、痛み止めを頼んでいる声を聞いて、みんな痛いよなと仲間意識を感じることもあった。患者さん同士で特に交流はしなかったが、心の中では勝手に戦友だと思っていた。
②財布に優しい
個室を希望した場合は、ほとんどの場合で大部屋よりも費用がかかると思う。予約時には苦渋の決断で個室希望を出したが、出費のことを考える度に胃が痛んだ。病院により異なると思うが、私の場合はもし個室を選んでいたら入院費用は2.5倍くらいになっていたので、結果的に大部屋で助かったと思っている側面は大きい。
③そこまでストレスでもなかった
2~3泊の家族旅行でさえ、1人の時間がないとストレスに感じるタイプなので、5泊6日の大部屋生活なんて我慢できないもんだと思っていた。実際過ごしてみると、全員知らない人なので言葉を交わす必要もないし、日中ベッドでイヤホンをして過ごしている分には、人の存在を意識から消すこともできた。手術後で不安なことも多いので、逆にちょっと喋りたい気がしたくらいだった。(喋らなかったけど。)これは日数がそこまで長くなかったことによるかもしれないので、2週間くらい入院していたら違った感想になっていたかも。
④眠れない夜でも人がいると怖くない
「大変だったこと」と言ってることが逆ですいません。馬鹿らしいかもしれないが、私はホラーが苦手だ。想像するだけで無理。今回の入院は、ザ・トラディショナルスタイルな病院だったため、夜に怖くなったらどうしようかと本気で心配していた。眠れなかったのだが、普通にいびきも聞こえるし、絶対幽霊でないな~という空気感は有難かった。あと、廊下とか普通に明るいので、夜のトイレも怖くなかった。

今回は以上です。
次回は入院中にあってよかったものをまとめます。では。

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