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最後の登校

引っ越しの準備や手続き、卒業式も無事に終わり、社会人のカウントダウンが迫っている。今日は、久々に大学に来ている。就職先に提出しなければならない卒業証明書と、先生からゼミ生全員分の卒業論文を載せた文集が出来たから、3月までに取りに来てねという連絡があって、取りに来た。卒論提出前は遅くまでみんな残っていて騒がしかったけど、今は僕以外誰もいない、しんとしたゼミ室は、何かもの寂しい。ホワイトボードの落書きはそのまま残っていた。今は、春休みだからなのか、構内に学生の姿はあまり見られない、閑散としている。それが、余計心をしんみりさせる。恐らく、今日が大学最後の登校になるだろうな。4年間通った学舎は、4年前に入学した時と、あまり変わっていないように見える。この見慣れている大学の風景や建物も、暫くは見られなくなると思うと寂しいな。

折角来たから、大学でお世話になった先生や職員さんに挨拶したいと思って、ゼミ室を後にして、構内を東奔西走した。まずは、よく行っていた保健室へ。入学してすぐ、健康診断の結果を保健室にとりに行ってから、先生と仲良くなって、怪我はしていないけど、話をしにきたりで、入り浸るようになった。2年生くらいから、漠然とした生きづらさを抱え始めた時には、自分の長くつまらない話をひたすら傾聴してもらったり、カウンセリングをしてもらったりして頂いた。本当に自分に人生にこの世界に絶望していて、毎日死にたいと思っていた、一番辛い日々だったから、すごく支えになったな。卒論に行きづまった時は、爪を切りたいという理由をつけて、気分転換によく行っていた。通う都度、卒論の進捗を報告をしていて、出来上がるのを楽しみにしてくださっていたから、文集を一冊差し上げた。喜んで受け取ってくださった。その保健の先生も3月末で大学を退職されるらしい。もう、保健室に遊びに来てもお会いできないのか。寂しいな。でも、最後にお会いできて良かった。

そのあとは、外国人の英語の先生と職員さんに挨拶しに行った。結局留学はできなかったけど、1、2年生の時は、留学の相談や自分の夢とかを良く聞いてもらっていた気がする。ルーマニア人の英語の先生にはマンツーマンで英会話の練習もして頂いたな。コロナになってから、通うことは減ってしまったけど、最後の最後に挨拶できて良かったな。色々話を聞いて頂いた女性の職員さんも、3月末で大学を退職されるらしい。もう、4月から大学に行っても、お会いできないのか。寂しいな。でも、最後にお会いできて良かった。

最後に1年生の時から深い交流があった大学の職員の方に挨拶しに行った。4つ上の先輩に紹介して頂いてから、仲良くなったんだっけ。1年生の時には、みんなでキャンプに行ったり、2年生の時には、ウォーキング大会したり、海鮮丼を食べに行ったりして、楽しかったな。3年生になって急に会わなくなったけど、たまに連絡してくれて、自分のことを気にかけてくださっていた。僕が未熟で”尖っていた”せいで、気持ちがエキサイトして、怒られたり、口論したりしたこともあった。でも、それも今となっては過去であり、思い出だ。今日は偶然、キャンプで仲良くなった同窓会の役員の方も居合わせていて、最後に挨拶できて良かった。笑顔が素敵な方で、頼れる歳の離れたお兄さんのような人。すごい巡り合わせで鳥肌が立った。最近、お会いしていなかったから、最後に会えて本当に良かった。この方々は、4月からも大学に熊本にいてくれるみたい。就職で地元を離れるのは、寂しいけど、こうやって残ってくれる人がいることは、凄く心強い。帰ってきた時に帰る場所があることはすごくありがたい。最後に感謝の気持ちを伝えて、お別れした。

お世話になった方、全員とは会えなかったけど、大学4年間、僕は大学の内側で色々な方に支えてもらっていたんだなと感じた。みんな、世間知らずの僕の考えや将来の夢、悩みを沢山聞いてくれて、将来が楽しみと、応援もして頂いた。自分に沢山の学びや気づきを与えてくれて、自分を成長させてくれた。また、いつかお会いできるといいな。本当にありがとうございました。


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