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つながるスイッチ!! -vol.23-「荒木校区」の取り組み(2)

前回のつながるスイッチ!!vol.23「荒木校区の取り組み(1)」で紹介した荒木校区「おにぎり食堂」。

取材中に皆さんの会話からよく登場していた
「荒木小学校との連携」。

今回は荒木小学校の先生たちに、
どのような想いで地域のことを考えられているのか
お話を伺いました。

久留米市立 荒木小学校 校長 猪口 恭浩さん
久留米市立 荒木小学校 教員 池田 峰貴さん
久留米市立 荒木小学校 教員 堤 麻耶さん




1、子どもたちの朝食の現状、おにぎり食堂スタート


市内の小学校では、子どもたちの生活環境などを把握するために、
学期ごとにアンケート調査が行われています。


「朝食を食べているか?」という質問項目では、
一部の子どもたちが朝食を食べていないという現状が分かりました。
その結果
に対して、猪口校長はこう話されます。


朝食の欠食は、集中力の低下やイライラした感情になり、子どもたちに良くない影響を及ぼします。学校でも〈早寝・早起き・朝ごはん〉をスローガンに掲げているので、すべての児童がきちんと朝食をとって欲しいと感じました


「朝食を食べてきたという子どもたちの中には、パン1つクッキーやフルーツだけなど、実際は朝食をしっかりととっていない子もいるようでした」と池田先生。


子どもたちの朝食環境に先生たちが不安を感じていたなか、
おにぎり食堂がスタートしたのは
池田先生と荒木地区主任児童委員の廣重さんとの会話がきっかけだったそう。


特別支援教育支援員として来られていた廣重さんに、しっかり朝ご飯を食べていない子どもたちがいることを相談しました。廣重さんが民生委員さんたちなどと協力して『おにぎり食堂』を始めてくださいました」と池田先生は話します。


夏休みの出校日に合わせて全校児童に「おにぎり食堂」のチラシを配布


学校との協力体制のもと、
令和5年8月に「おにぎり食堂」が始まりました


     出校日に配布したチラシ               その後作成されたチラシ(PTA新聞にも紹介)



2、おにぎり食堂がもたらした効果


おにぎり食堂は、毎週月曜日7:00~8:00
荒木小学校近くの久留米荒木キリスト教会で行われています。


「休み明けの月曜日はなんとなく足取りが重たくなりがちです。
おにぎり食堂に行くことが学校へ向かう良い流れになっていると思います。最初は子どもたちが行きやすいようにと付き添うこともありましたが、今ではおにぎり食堂には子どもたち同士で誘い合って行くなど、良い効果もうまれています。おにぎり食堂の会の皆さんが『いってらっしゃい』と送り出してくれることが、子どもたちはとても心強く思えているようです」と堤先生。


朝ごはんは頑張るきっかけ!美味しい朝ごはんを食べるといらいらせずトラブルも少なくなり1日中、満たされた気持ちになりますよね。実際におにぎり食堂に行くようになって、良い変化が見られている子もいます。子どもたちが地域の人とふれあう機会にもなるので、初めて参加する時などは必要に応じて付き添ったり、できる範囲で見守りを行っています」と池田先生。


「学校だけでは取り組みが難しい部分を地域の皆さまが補ってくれている学校だけでなく、地域全体で子どもたちを見守っていきたい…その1つの形としておにぎり食堂があるのではないでしょうか」と、校長先生は笑顔で話されます。



3、地域のこと、これからのこと


●池田先生

8時30分過ぎに足取り重く通学する子もいます。おにぎり食堂は8時までですが、朝だけでなく、おやつや夕ご飯が食べられる食堂があるといいですよね。今、校区内に4つの子ども食堂があるので連携して様々な子どもたちに対応できるようになると理想的だと思います。地域だけに負担をかけるのではなく、私たちもそのお手伝いをしながら、安全・安心な校区を目指したいです。そして子どもたち、親御さんたちがほっとできる場所をたくさん作りたいです。より良い校区になるよう地域の人と一緒に考えていきたいです


●堤先生

子どもたちと地域の人たちとの触れ合いが多い校区だと感じています。子どもたちは学校を卒業した後も、地域の見守りの人に声をかけに遊びにきたりしているそうです。とにかく地域みんなの仲が良いと思います。日頃から廣重さんとコミュニケーションをとっていたことが良かったと思います。学校や地域のことを共有できることが大切だと感じています


●猪口校長

荒木校区の良い特徴と感じているのが、転入してきた子が馴染むのが早いことです。あと地域と学校が近い存在だと感じています。荒木小学校は児童数も多く、活気あふれる学校です。子どもたちには、自分の意思を持ってしっかりその意思を周りに伝える力を身につけて欲しいと思っています。今まで以上に荒木校区の子どもたちを学校含め地域全体で見守り、育て何かあった時に助け合えるようになれたらと思います。




4、取材を終えて


寛大に見守り応援している猪口校長、子どもたちに対する熱くて優しい想いの池田先生と堤先生。池田先生が廣重さんに子どもたちのことを相談したことで、おにぎり食堂が始まりました。「やりたいことや理想は、口に出しています」と池田先生が話されていたように、先生同士、そして地域の皆さんとも密にコミュニケーションをとっていて、良い関係を築いているのが伝わってきました。そこから想いが実現し、形になっていっているようでした。


【まとめ】

・池田先生が廣重さんに相談したことがきっかけでおにぎり食堂がスタート

・おにぎり食堂のチラシを全児童に配布

・子どもたちにとっておにぎり食堂は学校に向かう良い流れになり、
心強さにもつながっている

想いや理想を口に出し、密にコミュニケーションを取る

学校と地域、校区全体で子どもたちを見守る


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