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つながるスイッチ!! -vol.23-「荒木校区」の取り組み(1)

今回は荒木校区の取り組みを紹介します。

荒木校区では、毎週月曜日7:00~8:00に、
久留米荒木キリスト教会で「おにぎり食堂」が開催されています。
「おにぎり食堂の会」の皆さんに、活動の様子や想いなどを語っていただきました。


荒木地区主任児童委員 廣重 深幸さん
荒木地区主任児童委員 古賀 勝子さん
荒木地区民生委員児童委員協議会 会長 髙田 カヨ子さん
荒木地区民生委員児童委員 津留崎 洋子さん
ボランティア 深川 和美さん
ボランティア 近藤 詳子さん
久留米荒木キリスト教会 牧師 溝上 哲朗さん



1、「おにぎり食堂」が始まるまで


●廣重さん
荒木小学校に出向いた際、先生から、しっかり朝ご飯を食べていない子どもたちがいる現状を教えてもらいました。何か子どもたちのためにできないかと考えましたが、そこまで大掛かりなことはできない。だけどおにぎりと味噌汁を出す「おにぎり食堂」だったらできるかもしれない!と思い立ち、動き始めました。民生委員の皆さんやお友達などにも声をかけ、協力者を募りました。そして令和5年8月に活動をスタートしました。


●古賀さん
子どもたちにおにぎり食堂の存在を知ってもらうため、荒木小学校にも協力いただき、手作りのチラシを全校児童に配りました。


●廣重さん
食堂の場所は、久留米荒木キリスト教会(以下、「荒木教会」)の溝上牧師に相談したところ「ぜひ使ってください」と快諾いただきました。荒木教会は荒木小学校のすぐ近くで、子どもたちの通学路です。多くの人の協力のもと活動を始めることができました。


2、活動の現状、感じること


●深川さん
おにぎり食堂の日は、朝6時から仕込みをしています。最初は、どの程度の食事を準備したらよいかわからず、手探りで進んでいました。食堂をスタートした当初は5~6人の子どもたちが利用してくれていましたが、徐々に利用してくれる子どもたちが増え、今では25人分くらい準備しています。


●廣重さん
食材は地域の人や「荒木農家盛り上げ隊」等から提供いただいています。


●髙田さん
その日届いた食材で当日にメニューを決めます。メニューは好きな味のおにぎりと数種類のおかずが乗ったプレート、そしてお味噌汁です。当初はおにぎりと味噌汁のみでしたが、提供いただける野菜なども増え、どんどんメニューが増えていきました。お味噌汁のだしも前の晩からいりこで仕込んでいます。だしを取ったいりこを甘辛く炒め佃煮風にすると喜んで食べてくれます。お味噌も手作りで、美味しいと好評です。家ではあまりご飯を食べないというお子さんが、おにぎり食堂では食べてくれるという話を聞きました。また、ある保護者から、れんこんの炒め物の作り方を教えて欲しいと尋ねられました。お子さんがここで食べたれんこんの炒め物が美味しかったと家で話されていたそうです。嬉しいことです。


●廣重さん
おにぎりと味噌汁にこだわったのは、人のぬくもり、食材の温かさを感じることができるからです。この食堂では美味しい温かいものを食べてもらいたいですね。おにぎりは毎回3~4種類の味を準備しています。好きな味を選ぶ楽しさもあります。


●古賀さん
わざわざ駆け寄ってきてくれて、美味しいと言ってくれる子どもたちもいます!とても嬉しいです。この食堂が子どもたちの「居場所」になってくれていたら喜ばしいです。学校とは違うコミュニケーションや出会いの場であってほしい。アットホームな環境で誰かと食事をすることは楽しいんだよ、と感じてほしいです。


●津留崎さん
荒木小学校の先生が、見守りに来てくれることもあります。学校との協力体制ができていると感じます。食堂を開催しているのは毎週月曜日。一週間の始まりは、休み明けで学校に行きたくないと思っている子も多いと思います。おにぎり食堂のご飯を楽しみに学校に行こう!と思ってもらいたいです。


●溝上さん
先日、ある子が「ここが僕たちのおにぎりのところ!」と教会のことを説明しているのを聞きました。僕『たち』という表現に驚かされました。みんなでご飯を食べているという気持ちが根付いているのだと感動しました。


3、活動を通して思うこと、これからのこと


●深川さん
この活動は無理せず、長く続けていきたいです。子どもたちが楽しく過ごしてくれることが一番。家で一人きりでご飯を食べていたりなど、本当に困っている子はもっとたくさんいるはずです。今後、そういう子どもたちにも手を差し伸べていきたい。何かいい方法がないか考えています。


●古賀さん
必ず、食べ終わって学校に向かう子どもたちに、「いってらっしゃい」と明るく送り出しています。子どもたちも皆、「いってきます」と元気に登校していきます。この瞬間が本当に嬉しい。子どもたちには、積極的に声かけを心がけています。コミュニケーションがこの活動のやりがい、喜びを感じるひとときです。


●津留崎さん
起きるのが苦手なので目覚まし時計を3個セットして、早起きしています!料理も得意ではないのですが、この活動のお手伝いをしたくて関わらせてもらっています。洗い物は私にお任せください(笑)。今後は、子どもたちだけではなく一人暮らしの高齢者に向けた食堂もできたらいいなと思っています。


●髙田さん
微力ではありますが、これからも私にできることを協力していきたいです。想いはあっても実際に行動に移すことは簡単なことではありません。この活動を立ち上げた皆さんの想い・行動力を応援しています


●溝上さん
このおにぎり食堂は、子どもたちにとって「自分が大事にされている」と思うことができる場所ではないでしょうか。お腹も心も満たされる、素晴らしいことです。こういった場所がもっと増えるといいですね


●近藤さん
はじめの頃は表情が硬く、口数も少なかった女の子が笑顔を見せるようになり、お話ができるようになったことがとても嬉しいです。薪ストーブをたいて暖かい会場を準備していただいたり、新鮮な野菜やその他の食材を毎回届けていただいたりしています。心があたかかくなるような月曜のひと時に参加できることを嬉しく思っています


●廣重さん
皆さんの協力があってこそできている活動です。誰かのために何かしたいと思っている人は多いと思います。この食堂をきっかけに協力者が増えたり、他のエリアに食堂ができたり…この食堂から「つながりの輪」が広がれば嬉しいです。また、休みの日のお昼に、子どもたちと一緒におにぎりを作りたいとも思っています。自分たちで好きな具材を使って、おにぎりを作る。簡単なおかず作りなども。そうすることで、家族が忙しい時でも自分でご飯を作ることができます。体に良いものを食べる食育にもつながれば理想的です。夢はどんどん膨らみます!



4、取材を終えて

初の早朝7時30分からの取材。インタビュー前に、実際におにぎり食堂の朝ごはんをいただきました。ダシがしっかり効いた具沢山のお味噌汁、野菜たっぷりのおかず、大きなおにぎり。美味しさに感動しました。食堂内では会のメンバーさんたちが子どもたちに積極的に声かけをし、「いってらっしゃい」と学校へ送り出す、まるで大きな1つの家族のような空間でした。取材後、私も「いってらっしゃい」と送り出していただき、美味しいご飯とスタッフの皆さんのあたたかい気持ちで、お腹も心もエネルギー満タンになった取材となりました。

近藤 詳子さん 髙田 カヨ子さん 深川 和美さん 溝上 哲朗さん
古賀 勝子さん 廣重 深幸さん


【まとめ】

小学校との連携をきっかけに活動をはじめる

・場所や食材の提供など、多くの協力者のもと取り組めている

子どもたちの居場所になるよう取り組んでいる

・子どもたちに「いってらっしゃい」と明るく声かけ送り出す


★おにぎり食堂は、いつでも見学OKです。
お手伝いいただける方も随時募集しています。


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