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「難民・移民フェス」は、美味しくて、かわいくて、何かしなくちゃと思った。

※本稿の写真はすべて、さまざまな環境・状況下にいる方に配慮し、出店者・来場者の顔は一切映していません。

「難民・移民フェス」知ったきっかけはラジオ。

2022年11月23日。「難民・移民フェス」に行って来ました。

興味をもったきっかけは、7月にTBSラジオ「荻上チキsession」をきいたことでした。

この回では、第一回難民・移民フェスの様子が紹介されていたのですが、難民や移民ときいてもその現状はまったく知らなかった私は、愕然としました。
「そんなに大変な思いをしている人がいるのか・・・」
戦慄と言ってもいいかもしれません。

なにかに突き動かされるように、第二回目は必ず行こうと思ったのでした。
そして11月。思いのほか早くそれは開催されました。

会場は雨にもかかわらず大盛況。

当日はあいにくの雨模様。前日には主催からこんなツイートもあったくらいだったのですが。

どっこい。こんなに大盛況でした。会場を埋め尽くす人・人・人。
社会の関心の高さを目の当たりにしたのです。

いろいろお買い物したいし、いろんな人とお話もしてみたい。
でもまずは勉強、ということで、本イベントのオープニングトークを立ち見。
主催の金井真紀さん、高谷幸さん、そしてサヘル・ローズさんが登壇して、このイベントの趣旨、支援に対する考えなどが語られていました。

「私たちは、差別や闘いに否応なく間接的に加担している。銃をむけなくても、無意識に差別する側に回っている」

「難民問題は、難しいことではない。まずは背景を知ることから」

「尊厳をもって生きられる社会作り。偉い人ではなく現場の人がそれをつくることが解決への道。知ること、繋がることが実現につながる」

「そのきっかけが、食事であり、音楽。興味をもつことが大切。なぜなら、差別は無知からはじまるから」

サヘル・ローズさんの生い立ちや実績、主催の金井さん・高谷さんの実行力。これらが生み出す、圧倒的な説得力。
この会場には、いろんな人がいます。権力が圧力をかけようと思えばできるはず。
でも、埼玉県川口市という自治体を後援につけるまで、徹底的にやっている。
行動に移している人特有の凄みです。

難民・移民の実情をラジオで聞いてきた私は、正直、かなり”構えて”訪れました。
でも。シリアスであることと、明るく希望をもつことは両立するのだと、御三方の話から学びました。
少し肩から力が抜けたような。でも、その力を別の何かに向けることを促されている様な。不思議な心持ちになりました。

売切御免の大人気。美味しいものだらけ。

肩の力が抜けたら、お腹が減りました。折しも時間帯はお昼時。
会場のブースは約25あったらしいのですが(国は10以上)、フードを提供しているところもたくさんあって。

そうです。大変に不謹慎ではあるのですが、私が楽しみにしていた一つは、お食事でした。

お目当ての一つがこれ。ミャンマーふりかけ「バラチャウンジョ」。

秒で買いましたよ。もちろん。

実際、べらぼうに美味しかった。
干しエビ、ニンニク、たまねぎがカリカリにフライされているふりかけ。
とうがらしも入っていて、かなりピリッとします。エスニックな食べるラー油、といったところでしょうか。油っぽくはないですが。
香ばしさと食感がクセになる感じ。塩味は強くないので、どんな料理とも相性が良くて(とくに醤油とあう)、ご飯がすすみまくります。

そしてこちら。パンケーキ。お店には「アフリカのおかし」と案内がありました。お国はどちらだったんだろ。

これもやさしい甘さ。バター多めで子どもが大好きな味。マドレーヌに近い味わいです。実際、出店者のおうちでも食べているとか。
家に持ち帰って娘と食べたのですが
「みんな似てるの食べてるんだね」
と。

そう。出身国は遠くても、似たものを食べて、同じように美味しいと感じる。
そして、そういう人たちが日本に逃げて来て、大変な思いをしている。
そんなことを話しながら食べたパンケーキは、ちょっと複雑な甘さでした。

こちらはソッコーでソールドアウト。それもうなづけるほど美味しそうでした。

もう一つお土産に買って帰りたかったんだけどな。。。

当日は雨だったこともあり、寒かった。
なので温かいお茶は格別にありがたいものでした。ポットがかわいい。口二つ。たしかこちらもミャンマーのブースだったような。
「他は売り切れちゃったんです。ゴメンナサイ〜!」
と謝るママさん。
いえいえ、とんでもないですと、ほかほかの紙コップをうけとり、傘を片手にズズズっ。
紅茶の香りにほっとしたのでした。

実は他にもいろいろと食指が動いたのですが、どのブースも大行列。売切続出で。
でも。変な言い方ですが、嬉しかったのです。安心した、とも言えるかもしれません。売れてよかったねー!と。
おそらく、会場に来た人たちみんな、そう思ってたんじゃないですかね。

グッズも最高にかわいい。お土産買いまくり。

不謹慎の上塗りなのですが、お買い物も楽しみにしていました。

こちらはアフリカ布のハンドメイド小物。私はシュシュを娘に購入。

ふだんはゴムしか使ってない娘いわく
「これ、みたことない。かわいい。保育園につけてく」
とのこと。好評。
そう。カラーやインパクトのわりに、カジュアルなコーディネートなら意外と何にでも合わせられました。発見。

そしてこちら。チリのブースで買ったクリスマスリース。

めっちゃくちゃかわいくないですか?

これは悩みに悩んでひとつ購入。
同じものが二つとない。しかも大中小の3パターンあり。大サイズなんて、電子レンジの天板が隠れるくらいの迫力。
うちはそんなに大きなものを飾るほど広くない、ということで、中サイズを購入しました。
実際に手にとると、松ぼっくりやら葉っぱやらの感触が、指先や手のひらでダイレクトに感じられ。
自然の恵みと手作り感が楽しめる逸品でした。

こちらはビーズアクセサリー。おじさんが太っとい指を繊細に操って、それはそれはかわいいアクセサリーを作っていました。やるな、おじさん。

私は白猫のブローチを購入。
娘の保育園カバンにつけようとしたら、生地が厚くてつけられず。
ただいま出番を検討中。

ウクライナのチャリティブースも。
んー。。。雨が、文字通り、お買い物に水をさしやがりました。


支援が急務。仮放免者の待ったなしな実態を知る。

食事やお買い物にうつつをぬかしてはいたものの、ちゃんと学ぶことも忘れるつもりはありませんでした。
だって、そのためにきたのですから。

会場には、こんなメッセージだったり。

「これを映してください」と手渡されたカードです。

この日、一番胸に突き刺さったのは、仮放免者のみなさんを支援している社会福祉士の大沢優真さんの講演でした。
ソーシャルワーカーとして日夜、日本人、外国人の生活困窮者支援に奔走されているとのこと。

私は「仮放免者」という言葉すら、この時はじめて知りました。
日本に来て、入管に入れられ、なんらかの理由で入管から出た(出された)人たちのこと。
しかし就労・就業は認められておらず、かといって日本政府からのサポートもない。保険もないので、医療にアクセスすることもできません。
つまり、理由があってやむなく母国を後にし、日本に救いを求めて来たものの、そこでもまた困窮を強いられている。
そんな方々が、たくさんいるとのこと(私の聞き間違えではなければ、6,000人と言っていたかと)

大沢さんの言葉で、私の脳みそに焼き印されたものがありました。

「今日、この会場には、多くの仮放免者の人たちがいます。彼らは、このイベントが終わったらまた、働けない、食べるものがない、病院にいけない。そういう生活に戻っていく方々です」

雨をいっそう冷たく感じたのを、今もまざまざと思い出せます。

この食事、美味しいな。このグッズ、かわいかったな。
ブースのみなさん、フレンドリーな笑顔で感じがよかったな。
そんな思いと同じくらい強い影に、慄いてしまったのです。

「俺、このまま帰っていいのかな」
会場を後にする時、なんども振り返ってしまいました。
私には帰る家があり、生活がある。
でも、あの人たちは。子どもたちは。

もういてもたってもいられなくて。とりあえず、寄付からはじめました。

お金ですまそうという、浅はかで横着な性根が恥ずかしいのですが。
しかも、超・低額。セコイ。

でも。第三回があったら、今度は前もって寄付しようと思います。ちょっとお金貯めて。
まず私にできることは、興味を持ち続けること。足を運び続けることかもしれない、などと考えています。


まずは知ることから。メディア露出多数。とくにこちらのラジオも必聴。

いてもたってもいられない熱は、家に帰っても続いていて。
サヘル・ローズさんが言っていた通り、まずは知ることから、ということで、中央紙からのネット記事などを読んでいます。

そしてこれも聴いたり。
TBSラジオ「荻上チキSession」。開催1週間前の様子が紹介されています。

本稿を書いている今日24日には、こんな放送も。

これならラジオだから、仕事しながらでも聞ける、知れる。
まずはできることから始めようと思います。できるだけ続けられることを模索しはじめました。


最後まで読んでいただきありがとうございました。


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