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エルモア/道具は手段/音と生き方の話

エルモア・ジェイムス Elmore James についてXに投稿。

衝撃でした。
これアコギの音なのかよ!と。
ふつうにむちゃくちゃ音色がカッコいいエレキだと思って聴いていたので。

そして、衝撃の後に、悟りました。
良い音が出れば、理想の音が出れば、どんなものを使おうが何をしようがいいのです。前から頭ではわかってたけど、心の底からはわかってなかった。

自分も最近はエレアコをアンプに繋いでライブをしていて、

で、少し前の記事でも書いたけれど、ジャズコーラスのアンプのセッティングが、先日のスタジオではBass 11時でMiddleとTrebleがフルという、弾き語りのギターとしては、結構に変なセッティングだった。

それについて、「変テコなギターの音をふつうのギターの音に近付けていた結果こうなったのだった」ということをなかば自虐的に書いたのだけど。

でも、エルモア・ジェイムスがあの音をアコギで出してたってことを知って、痺れたのと同時に、自分のやってたことは、自虐する必要は何もなかったしそれどころかむしろ胸を張ってよいことだったんだな、と。良い音出すために、常識を疑い、そこから外れた(というほどでもないけど)ことをしてたわけだから、それは姿勢としてロックなのではないかな。どうかな!

そしてエレキを無理して弾かずとも、ようやく理想に近い音が出せるようになってきたのだから、このエレアコの変なセッティングで突き進もうと思う。

(宣伝めいてますが、↑はそのセッティング+エフェクターを繋いで弾いて歌ってる曲です。不思議な響きに聴こえるけど、良い音だと思うし、良い演奏だと思います。暗い音が苦手でなければぜひ)

道具(楽器)は、手段であって目的ではない。

いや、別に目的の人がいてもいいのかもしれないけれど、とりあえず自分は、良い音楽を演奏するという目的のもと、ギターを弾いて、歌っているのであって、高いギターや高いエフェクターを買って悦に入ることが目的ではない。
と書くことでそうした人を傷つけたくないのであまり強くは言えないけれど。

一万円を切るギターで痺れる音を出せる人もいる。エフェクターだって、ベリンガーの3000円くらいのリバーブをテレキャスに繋いでDeepな音を出すひとが僕の友人にいる。結局その人の使い方次第、その人の出したい音が出せているかどうかなのだと思う。

良い音で楽器が演奏されていたとしても、それが、良い音楽とイコールではない、というのも頭に入れておかきゃな。

先日、御茶ノ水の楽器屋で130万の新品のアコギを試奏してるおじさまがいて、「鳴りが違いますね」と満足そうに店員さんと話していたのだけど、自分の耳で聴いてた限りではどう考えても全然鳴っていなくて(ギター自体の問題が大きいと思った)。
あのひとはあの後130万円出してあの鳴らないギターを買ったんだろうか?とものすごくもやもやした。

それはともかくとして!
高いものや、良いものを買ったとしても、痺れる音が出せなかったら意味がないのだ。
そのためにも、毎日の練習と、一日一日の生き方を、大切にする。

説教みたいな、ちょっと年長者ぶるような、いやな書き方だけども、15年ほどギター弾いて歌ってきて、やっと、わかってきたことがある。
練習は当然大事だし、音楽いろいろ聴くことも大事。でも、そういうのとは別に音楽と関係ないところでも、日々の心持ちみたいなものは音に出る。本当に本当に出る。

僕はふつうになろうとすることを諦めて、覚悟してからギターの音が変わった。友達でも、初めて彼女ができてそのタイミングでめちゃくちゃギターの音が良くなったという人がいる。嘘みたいな本当の話。
やってるのが人間であるかぎりは、生き方が音に出る、僕はそう信じてます。

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