【短編小説】ショート・グッドバイ
夜も深くなった午前三時。さっきまで見ていた夢は、高校生の私。教室で高らかに歌を歌い、王様のように自由に振る舞い、それにつられて周りのみんなも陽気になり、先生に不満があるときは大声で不満をぶちまけ、理路整然と論破する。そんな夢だった。私はこうした夢を今まで何度も見てきている。目が覚めた後は、かならず不思議な気持ちになる。色で表すならば、淡いミント。透明人間になって、幾つもの壁をすり抜けて、ここまでやって来たような感覚。ところで現実の私は、無口でとても大人しい生徒だった。大人し