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田根剛さんの頭の中

建築家、田根剛さんの展覧会がオペラシティアートギャラリーとギャラリー・間で開催されている。「未来の記憶 Archaeology of the Future 」と題され、それぞれ「Digging &Building」、「Search&Research」というサブタイトルがついている。

田根さんのことを初めて知ったのは、21_21デザインサイトの「フランク・ゲーリー展」。

私がそれまで体験した建築の展覧会は、とにかく模型が置かれ、スケッチや設計図が並べられ、そして実際に入れるセット(住居や事務所など)が展開されているものが多かった。

田根さんの展示が独特なのは、思考プロセスや建物のコンセプトなどを重視しているところ。フランク・ゲーリー展ならゲーリー氏の考え方を、田根さん自身の場合は当然、本人のものを見せる。

このような展示は「建築は興味あるけど、なんだか掴みにくい」という人に激しくおすすめです。

アウトプットまでの過程を知ると、それまでなんとなく遠かった模型の存在を少し引き寄せることができる。見方が変わる。

そしてこの考えの広げ方は、自分に応用できそうで、やってみたくなる。

さて、その思考はどのようなものかというと……

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これが全てリサーチの中で集められたもの。その土地や文化の記憶から建築を作る彼にとって、この作業がとても大事だという。「衝動を見つけるためのリサーチ」と、インタビューで田根さんは語っていた。

建築というと、理系で、デザインで、命に係わるものを作っているから壮大で、というイメージがあるような気がする。だから、関わりがないとなんとなくふわっととらえてしまう。

けれど、建築は考え抜く仕事だ、と今回わかり、ある種安心した。

1人で思索にふけってもいいし、2人で国立競技場の模型の中に入ったりしてもいい。映像もあるので本当に楽しめます(特にギャラリー間のフィルムは落ち着く)

余談になりますが、昨日上げたシチズンの会場設計も田根さんだった。

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多分好みのデザインなんだと思う。「倉俣史朗さんが好き」とまた別のインタビューで言われていたし(倉俣さんは私の推しデザイナーです)。

とにかく百聞は一見に如かず。どうか見に行ってください。


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