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8月23日 ポテトチップス市場シェア○割のカルビー。

普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。
視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための質問例はこちら。

→確かにシェア6割だったらそれを維持するだけで問題ないので変革を起こす必要は認知されないだろう。松本氏というトップが変わったことで一体何がカルビーの中で変わったのだろうか?

東京都板橋区成増に本社を置き、ポテトチップスなどのスナック菓子を中心とする商品を製造・販売する総合スナックメーカーの株式会社湖池屋が制定した「湖池屋ポテトチップスの日」です。

記念日としては湖池屋さんに限定されてしまっていますが、ポテトチップスについて調べてみました。

まずどれくらいの市場規模があるのでしょうか?
日本スナック・シリアルフーズ協会「2021年度スナック菓子の出荷数量及び金額」によると、2021年のポテトチップス市場規模(出荷額ベース)は1,740億円となっています。

スナック菓子全体では3,035億円ですので、ポテトチップスはその6割弱を占めていることになります。

ちなみに内訳(金額・シェア)は以下の通りです。
☑️ ポテトチップス:1,740億円
☑️ ファブリケートポテト(成型):313億円
☑️ コーン系スナック:448億円
☑️ 小麦系スナック:391億円
☑️ その他スナック:142億円
☑️ 総計:3,035億円

なお、連続して遡れる2015年は以下の通りです。
☑️ ポテトチップス:1,590億円
☑️ ファブリケートポテト(成型):232億円
☑️ コーン系スナック:500億円
☑️ 小麦系スナック:390億円
☑️ その他スナック:130億円
☑️ 総計:2,841億円

つまり、ポテト系が伸ばしていて、中でもファブリケートポテト(「チップスター」や「じゃがりこ」のようなもの)の伸びが大きくなっています。

カルビーの決算資料内に同協会のポテトチップス出荷量の推移をグラフにしたものがありましたので転載します。


同じくカルビーの決算資料に全日本菓子協会のデータによる「国内菓子市場」をグラフ化したものがありましたので転載します。菓子小売額自体はコロナ禍によって2020年は大幅に落ち込んでいますが、スナック菓子は売上を伸ばしていることが分かります。


今回調べて初めて知ったのですが、ジャガイモは検疫の関係で輸入が禁止されている国もあり、輸入が可能でも、輸入時の検査に加えて隔離栽培(国の施設で輸入したジャガイモを植えてウイルス等の検査を行う)が必要になる、ということで事実上、ジャガイモそのものを輸入してポテトチップスの材料とすることは難しくなっています(加工食品などは対象外)。

となると、ポテトチップスの材料であるジャガイモはほぼ国内で調達されます。日本スナック・シリアルフーズ協会「2021年度ポテトフォーラム」によると、2020年実績の国内馬鈴薯使用量の内訳は以下の通りで、国内馬鈴薯のうち、18.2%がポテトチップスに加工されていることが分かります。

ジャガイモといえば北海道、と思ってしまうのですが、実際北海道は10a当たりの収穫量が他の都府県と比べても多くなっています。


一方で、ジャガイモ(馬鈴薯)の生産量は年々減少しており、昭和61年には400万トンを超えていたものが、令和2年には250万トンを割り4割も減少しています。その一方でポテトチップスの需要は増えており、近年ではしばしば品不足などが話題になる状況です。

さて、これまでポテトチップス全般について見てきましたが、シェアトップのカルビーがポテトチップス市場で71.2%という圧倒的なシェアを持っています。

カルビーといえば、ずっと強い企業、というイメージがありますが、実は高いシェアを持つものの低収益体質であった時代があり、それを打破するためにジョンソン・エンド・ジョンソンの日本法人社長から松本晃氏をトップに据え、改革した、という経緯があります。
その経緯を簡単に紹介している東洋経済の記事がありましたのでご紹介します。





最後までお読みいただきありがとうございます。

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