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寺山修司映像の世界

 寺山修司の世界へようこそ。没後40周年記念として映画監督としての寺山修司にフォーカスした特集上映が2023年5月18日(木)から同21日(日)まで渋谷ユーロスペース(渋谷区円山町1-5 KINOHAUS:電話03-3461-0211)で行われる。
 幻想的でカルトな映像作品が特徴的な寺山修司。自らの生い立ちを青森県下北半島の風土と共に描いた『田園に死す』がその一つだろう。


 1960年の『猫学Catllogy』以来、寺山修司の実験映画は、どれもが「映画は世界を網膜の中に灼きつけるのではなく、網膜から「世界を引きずり出す」のである」と宣言する、独特の危険な仕掛けに満ちている。
 長編映画『書を捨てよ町へ出よう』のラストで、何も映っていない白いフィルムを映写し、「われわれの作る部分は終わったのだから、このあとは観客である諸君に作ってもらいたい」と問いを投げかけた。


 寺山修司の映像作品はカンヌ映画祭、ベルリン映画祭、エジンバラ映画祭をはじめとする海外の映画祭に招待されて数々の賞を受賞している。
 幻想とエロチシズム、イメージの錬金術、虚構と現実の地平線に築き上げられた寺山修司の絢爛たる王国・・・。

 上映される作品はーー
『書を捨てよ町へ出よう』(1971)
『田園に死す』(74)
『さらば箱舟』(84)
『上海異人娼館』(81)
『草迷宮』(79)ほかー『迷宮譚』(75)、『消しゴム』(77)、『一寸法師を記述する試み』(77)。
〇「実験映画集1」ー『青少年のための映画入門』(74)、『疱瘡譚』(75)、『マルドロールの歌』(77)、『ローラ』(74)、『審判』(75)。
〇『実験映画集2』ー『檻囚』(62)、『トマトケチャップ皇帝』(71)、『じゃんけん戦争』(71)、『蜂服記』(74)、『書見機』(77)、『二頭女―影の映画』(77)。

 上映スケジュールは、渋谷ユーロスペースのホームぺージ(ユーロスペース (eurospace.co.jp)にて要確認。
 この寺山修司映画特集は2023年6月10日(土)から同16日まで大阪:シネ・ヌーヴォで、同6月から7月にかけて名古屋シネマテークにて、そして、同8月19日(土)・20日(日)に青森・三沢にて開かれる。
 
 寺山修司は1935年12月10日、青森県に生まれた。18歳で短歌研究新人賞特選を受賞し、歌壇に鮮烈なデビューを果たす。20代前半で売れっ子シナリオライターに。67年には劇団、演劇実験室「天井桟敷」を結成、海外で高い評価を得る。詩、俳句、戯曲、映画、競馬、スポーツエッセイ、作詞、小説、評論などそのマルチな活躍から「職業 寺山修司」と称される。83年5月4日、47歳で急逝した。


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