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#3_12 TIFメインステージ争奪戦を科学する

TIFメインステージ争奪戦
2015年から始まった企画であるが、優勝すればほぼ確実にその後の人気を確実にするというジンクスがある。
そのため若手の登竜門として地下アイドルオタクからの認知も高い。

【歴代優勝者と決勝進出】
2015年:アイドルネッサンス
2016年:まねきケチャ(MAPLEZ・生ハムと焼うどん・神宿)
2017年:26時のマスカレイド(原宿物語・天晴れ原宿・Task have Fun)
2018年:ナナランド(IVOLVE・なんキニ・NEO JAPONISM)
2019年:メイビーME(真っ白なキャンバス・chuLa・マリオネッ。)
2020年:企画中止(オンライン開催)
2021年:荒天のため決勝中止(決勝はJamsCollection・STAiNY・アンスリューム・群青の世界を予定)

しかし、TIFも商売であり、近年の夏フェス同様収益の問題もあるだろう。
その中で、メインステージ争奪戦という企画も過去の「純粋にファンが多い/人をたくさん集められなければ優勝できない」という流れと違って、かなり課金レースの匂いがしてきているのも事実である。
本稿では、TIF2022メインステージ争奪戦のルールを科学し、今回のタイトル未定の優勝の要因、また今後の本企画の在り方に対する提言をしていきたい。

ルールの確認

今回の投票は大きく4項目の投票により、合計1455ptをどのように獲得していくかが重要になっていく。
1. フジテレビ関連のHPにある壁紙のダウンロード数(割合按分)
2. 1日目チケット購入者の事前投票(順位点数)
3. 会場投票(1位2票/2位1票)
4. 配信投票(順位点数)
詳細はこちらから。

壁紙投票

決勝進出した4組の壁紙ダウンロード数に応じて、各出演グループに「事前モバイル投票ポイント」が付与されます。
投票企画は、フジテレビコンテンツストア/フジテレビ♪フジメロ/フジテレビforスゴ得の3サイトで開催中です!

【得点配分】
全体を150ポインとし、ダウンロード数の比率に応じて、 各アイドルにポイントを付与します。

事前投票

楽天チケットの先行販売の3日通し券と金曜券に、メインステージ争奪LIVE投票権が付属します。チケット1枚につき1票となります。

【得点配分】
投票順位に応じて下記の規定ポイントを進呈
1位:40ポイント、2位:30ポイント、3位:20ポイント、4位:10ポイント

会場投票

公演当日、入場の際にお客様に2種類の投票券(2ポイント券・1ポイント券)をお渡しいたします。
ライブ終了後の投票時間に、会場内に設置している投票ボックスに2ポイント券と1ポイント券をそれぞれ別の2組のアイドルに投函していただきます。
※投票できる券は、会場のお客様1名につき2ポイント券・1ポイント券各1枚のみとなります。同じ種類の投票券を複数枚投函することはできません。

【得点配分】
得票数がポイントとして加算されます。

配信投票

公演はTIFコミュニティにてオンライン配信予定です。オンライン視聴チケットの3日間通し券と金曜単日券を購入された方に投票権が付与されます。チケット1枚につき1票となります。
ライブ終了後の投票時間に、オンラインで投票いただきます。投票場所など詳細は対象者へ後日案内致します。

【得点配分】
投票順位に応じて下記の規定ポイントを進呈
1位:110ポイント、2位:85ポイント、3位:60ポイント、4位:45ポイント

前哨戦結果

念のため、前哨戦(予選)結果を載せておく。

本ルールでの優勝条件の確認

1,455ptを考える必要がない

実はこのルールは正確に言うと1,455ptの獲得が目標では全くない。
というのもの、本ルール4位でも確実に得点が入るものがあるため、「何ポイントはいるか」ではなく「何ポイント差がつくのか」を見ていく必要がある。

ここで今回は会場内の各グループのオタク人数(=1位の投票人数)は同数であると仮定する。
その時、事前投票の10ポイント(4位点数)、会場1位票の150ポイント(300人×2pt÷4グループ)、配信投票の45ポイント(4位点数)は確実に入ってきており、残りの635ポイント(壁紙150ポイント、事前投票60ポイント、会場2位300ポイント、配信125ポイント)をどう争奪するのかに代わるのである。

優勝確定条件

ここで、優勝確定条件は410ポイントと想定する。
というのも、410ポイントの約3分の1になる”210ポイント”と、最低獲得票数の"205ポイント”を合計したものになる。

つまり、
1位:410ポイント
2位以降:350ポイント程度
くらいで、1位が確定するという想定数字である。

食前舌語が着目する2項目

この中で食前舌語は「壁紙投票」「配信投票」の2点に注目する。
というのも、この210ポイントを獲得するのに、壁紙と配信の2つが大きなカギになるのである。

★壁紙投票

おそらくダウンロード数はモバイルIDやPCの端末IDと紐づいている可能性が高く、そのため1台の端末での複数投票は難しい可能性が高い。
しかし、投票企画が実施されている、フジテレビコンテンツストア/フジテレビ♪フジメロ/フジテレビforスゴ得の3サイトは、性質が大きく異なる。

上記にも記載がある通り、なんとフジメロのみは会員登録なしに投票することが可能だったのである。
そのため、投票を呼び掛ける中でスゴ得やコンテンツストアは捨て、フジメロに限定して投票数を稼ぐことが重要である。

ここで、大体各グループの投票数が500程度であった場合、そして1グループが圧倒的な数字をたたき出した場合、大きく点数が異なる。

壁紙投票の一例

ここで、大きな点数を獲得するのに、必要なことは「一般人の票」である。
先ほど述べた通り、フジメロでの投票は、HP遷移⇒グループのバナーをclickのたった2工程での投票が可能である。
そのため、例えば下記のような施策での爆増が可能であると考える。
・ファンがTwitterで告知するためのフライヤ画像の作成
⇒わかりやすさ重視でコアファンの周りの人へ協力させる
・ビラ配りで一般人に投票
⇒ビラにHPのQRを貼り付け、Twitterをフォローしてもらう要領で一般人に協力してもらう

ここで相手グループの合計ダウンロード数と同数を1グループで獲得することで、150ポイントの半数の75ポイントを獲得できるため、インパクトが大きいと考える。
今回の4グループで一般の人への投票呼びかけはあまり見られなかったようだ。

事前投票

TIFの来訪者数を考えると、あまり何かができる、というよりかは点に運を任せるしかないという印象である。
また、全体の約1割しかないため、票数としては捨ててもいい票数として考えられる。

会場2位投票

今回の出演者グループを考慮すると、かなりRingwanderungさんとタイトル未定さんが楽曲派としての共通点もあり、両者の票数の入れ合いが発生すると考えられる。
また同様にパラディークは同様のことからかなり現地票の獲得が難しいと感じる。

ただ、これも当日どのオタクが多く来るか、という話であり、グループのオタク間での結託するといったことがない限り、基本的には大きな差が出ない結果になるかと思われる。

★配信投票

これは前哨戦の配信割合をもとに配信票数を概算している。
上記を見ればわかる通り、地方のタイトル未定が頭一つ抜け出している印象を受ける。
ここの点数は1位と2位で25ポイント、1位と4位で65ポイントも異なるため、4位になった瞬間おそらく争奪戦優勝からは脱落するレベルでの票数差である。
順位間の票数差が大きいことから、ほかの項目と比較しても、確実に票数を獲得していくことが必要であると考える。

(ここから悪い話します。)
ただし、最初に壁紙でも伝えた通り、端末IDに紐づいている可能性が高く、課金レースが一見できないように見えるが、正直これも票数を金で解決することができる。
例えば配信チケット4,900円+スマホレンタル3,000円で、つまり8,000円程度でオンラインでの1票が獲得できるのである。
特に1位になればいいわけであり、想定オンライン投票数500人程度であるとするならば、約2割の100台程度(=80万円)程度投資すれば確実に1位の110点を獲得できると想定されるのである。

そういう意味では、運営が力を入れたり、オタクが少し努力することで、簡単にこの110票が手に入るあたり、もう少しいろいろできそうな気もする。

TIF2022の結果を見る

すでにご存じの通り、今回の優勝はタイトル未定さんである。

タイトル未定さんは以前記事を書かせていただいたり、ついまさんが取り上げていただいたりしたことがあるグループ。
おめでたい限りである。

さて、改めて「現地票は大きく変えられない(チケット当選がどれくらい多かったか)」ことを前提に、今回の勝因を考察していこう。

勝因①:壁紙票数

今回、最初から述べていたフジメロへの誘導ができているのかは不明ではあるが、フライヤの作成など、投票までのコストを減らすことで、より投票数を獲得することにつなげた。
結果として、他グループの合計の1.2倍のダウンロード数を獲得し、この時点で他のグループと大きな差をつけられた。

勝因②:配信票数

改めて地方勢の強みを感じられた一方で、パブリックビューイングを通じてしっかりファンに投票してもらう仕組みを作れたことも配信投票1位になった理由だと考えられる。

ちなみに…

2位のパラディークとは150点差という大差での勝利となったのであるが、上記の2項目について推察してみる。

というのも、例えばであるが、
①パラディークが壁紙ダウンロード数が5倍だった場合
⇒タイトル未定が42.3ポイント、パラディークが93.1ポイント
②パラディークが配信で1位だった場合
⇒タイトル未定が85ポイント、パラディークが110ポイント
となり、現地票・事前投票が同だったとしても、総合計で
 パラディーク:434ポイント
 タイトル未定:433ポイント
と逆転するのである。

つまり、前述で課金によってなんとなってしまう「壁紙投票」「配信投票」の2項目が重要だったことがここからも明白であると考える。

まとめ

今回はそのような傾向が見られなかったといえばうそになるが、少なくともタイトル未定に関して課金ゲーム的なもので勝ち取った様子は全く見られないことは述べておきたい。
それを前提としたうえで、「TIFのメイン争奪の投票システムが複雑化したことで、実は金銭的に優勝を勝ち取ることができてしまう環境になってしまった」という大きな問題も浮き彫りになった2022年だと考える

他の夏フェスも同様であるが、こういったグループ間の闘いが、単なるファン数といった人気やグループそのもののパフォーマンスの実力ではなく、課金ゲームになってしまう可能性を秘めている現状を非常に嘆かわしく感じる。

最後に

今回の最大の予想外は「タイトル未定の現地票が圧倒的な差がついたこと」である。
地方アイドルが最も苦しむところが集客であるが、そこを克服したタイトル未定のさらなるステップアップが楽しみである。

閑話休題

食前舌語は今回は自宅での参戦となっている。
ちなみにだが、TVerで無料配信しており、これがまたいいクオリティの配信である。
残り2日間もし暇なドルオタがいるならば、ぜひTVerで涼しいTIFを体感してもらいたい。

※2022/08/05 22:22記載
 一部票数に間違いがございました。申し訳ございません。
 配信票2位の票数は65票ではなく60票です。
 こちらにミスについて、記事内での大きな変更はないため、そのまま記載いたします。

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