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#2_1 アイドルが新規を獲得するには?(透色ドロップ佐倉なぎさんのリプ欄をもとに)

ついに、ついに#2の連載を始められます。
といっても、本当は最初に総論を載せて、とかいろいろ考えていたのですが、全く予定通りにならないのが食前舌語のnoteということで。

本記事では、下記のツイートのリプ・引用リツを集計することで、地下アイドルオタクが新規でチェキに行く理由を分析することを目標とします。

はじめに

まずこちらのツイートをご確認いただきたい。

まぁ透色ドロップって同じところとずっと対バンしてるイメージあるもんなぁ、などと思いつつ、このリプ欄を見ると古今東西の地下アイドルオタクたちのリプで埋め尽くされている。
これは食前舌語としてはぜひ分析したい内容であると思い、集計を開始したのである(この時、22/9/30、この記事の投稿日をご確認いただければいかに集計に時間がかかったのかがわかるだろう)。

使用したデータ・分析手法

まずツイートの収集にはこちらのchrome拡張機能を利用した。

この拡張機能を加えるだけで、Twitterの最新にあるツイートをCSV形式でDLが可能になる、神がかり的なものである。
こちらで、「(to:nagi_skirdrp)」でのツイートを収集した。分析時期・内容などは下記に記載している。

ツイートされた日   2022/9/26 23:33
ツイート収集時期   2022/9/30 3:00
総ツイート数     1504投稿、1019アカウント
うち関連あるツイート 876アカウント

また、分析としては主にエクセルでの視認により関連があるかどうかを確認しており、また言及内容の分析・フラグ付けも視認で行っている。

また、データについてはこちらで公開しておく。類似記事ご作成の際はこちらからダウンロードしてもらえればと思う。
※アカウントに関する情報は調べれば出てくるものですが、念のため任意のユニークな文字列に変換しております。

集計結果

集計対象

先ほども述べた通り、約850アカウントの情報をもとに分析をしたが、集計対象母数を集計している。
グループ2周年を迎えたアイドル、ということを考えると、かなり多様な時代のオタクたちからの意見が集まっていると考えられる。

集計項目について

今回の876ツイートを確認した結果大きく36の項目に分かれた。

〇事前情報
積極的なSNS投稿/いいね・リプ返/ライブ配信(SR)/既存客・友達の紹介/チェキレポ/話しやすい・共通点/自分の趣味に出演・コラボ/推しと仲いい/配信ライブ/ビラ配り/グラビア/推しの主催出演

〇ライブでの情報(一部上記含む)
ビジュアル/表情管理・笑顔/ダンス/歌声/MC/面白い/個性的/性格/レス/必死さ・努力/声の大きさ/グループの中心/将来性/曲の好み/撮影可能か/ライブが楽しい/ライブの熱量

〇ライブ後の情報
明確なレギュ/新規無料/値段・コスパ/現場の雰囲気/特典会の時間

〇その他
縁・フィーリング/リリイベ・敷居の低い単独

単純集計の結果

まず上記項目での単純集計の結果を表記する(複数回答可能)

複数選択可

もちろん今回ツイート主が「ライブを見て」と条件を限定しているため、ライブを中心としてコメントが多く出ているが、上記の36項目のようにライブの前/ライブ中/ライブ後とさまざまに分かれている。
また、この流れは下記のカスタマジャーニー(#1_10にて掲載)との親和性も認められる。

単純集計としては、やはり1位にレスをあげる人が多かった。
過去にレスについて扱った際も記載したが、改めて「レスは特別感の醸成」という点でも納得のいく結果である。

また、多いものとして3位にビジュアルが上がっているが、それと同じくらい表情管理や笑顔も多かった。
これはもちろんSNS上とステージ上で判断基準が異なることも背景としてあるが「推し始める理由は顔でも、推し続ける理由はそうならない」と述べていた#1_3に加える形で、「推し始める理由は顔だけでなく人柄や表情もある、推し続ける理由に顔はない」と補足する形となった。

また、ワードクラウドの結果はこちらである。

細分化しての検証

ここからは、アカウントごとの情報をもとに、よりターゲットに細分化して考察する。
※属性間クロス集計をしています。

アカウント開設日(≒オタク歴)

割合①:-2014/全体
割合②:2020-/全体

アカウント開設日(≒オタク歴)をもとに、クロス集計をしている。ここから、地下アイル戦国時代を体験しているのか、またコロナ禍でのオタクを始めたか、などの違いを見ていければと思っている。
また、オタク歴にあまり関係がなくダンス・レス・ビジュアル・表情管理の票が多かったため、オタク歴間での比較をしている。

まずオタク歴の長い人の特徴として、やはり「面白さ」と「既存客・友達の紹介」が非常に高く出ているのがわかる。
まず面白さについては、やはりオタク歴が長い≒年齢がそれなりに高いことが予想され、アイドルに疑似恋愛を求めているというよりは別のきっかけを求める傾向があることが想像される。
また、オタク歴が長いためにアイドルオタクの友達も多く、そのため紹介という名の布教で新しいアイドルとチェキを撮ることも多い。これは単に紹介数が多いことと同時に、歴が長いためにある程度通っているアイドルが固定化されており、歴の短いオタクよりも新しい推しメンを探すモチベーションが低いことも考えられる。

一方オタク歴が短い人の特徴として「話しやすさ・共通点」や「新規無料」「いいね・リプ返」などの割合が比較的高くなっている。
まず話しやすさについては、やはり新規へのハードルの高さの1つに、そもそも何を話すのか、という抵抗感があるのではないだろうか。確かに食前舌語がの2人目のチェキがアキシブ時代の津代さんだったのだが、話す内容に困ったことを覚えている。
さらに新規無料やいいね・リプ返など、ハードルを下げる施策が有効であることが見受けられる。

フォロワー数

割合①:<500/全体
割合②:≧1000/全体

フォロワー数をもとにクロス集計を行っている。ここから、友達の紹介やリツイートなど、ほかのグループへの情報感度の高さをもとに比較を行っていく。

まずフォロワー数が少ない人の特徴として「表情管理」と「明確なレギュ」の2点があげられる。
フォロワー数が少ない中で、紹介など他の理由がないために、やはりステージ上で何が気になるか、という点が重要になってくる。その中で、ビジュアルなどではなく、ライブアイドルならではの「表情」という点は非常に興味深く考えられる。
一方、一人で新しいところに行くなかで、疑問を人に聞けない、という点ではレギュレーションが明確であることも重要である。

佐倉なぎを認知しているか

フラグとしては、ツイート内容に「なぎちゃん」「なぎまる」の記載があるか、bioに透色ドロップのメンバーの記載があるかで佐倉なぎの存在の認知有無を確認している。

佐倉なぎさんを認知している人の高い傾向としてShowRoomやいいね、リプなどの点があげられており、そのあたりの努力がファン獲得に貢献しているのではと考えられる。
一方で、必死さ・努力などの点が比較的低い点を考えると、アイドルとしての覚悟やプロ意識などが(持っていることを前提として考察するが)あまりアピールできていないのではなかろうか。この辺りは有識者(透色ドロップのファン)にも聞いてみたい。
※また、ライブが楽しいの割合が低いのも透色ドロップの問題なのかもしれないが、これは少し調べると別の議論になりそうだったので割愛する。

考察:カスタマージャーニーで出すべき情報

ここまでの内容を、改めて下記のカスタマージャーニーに合わせて考察する。

ライブ前:話したくなる(≒ライブへの誘因)

まず友達からの紹介において一番重要なことは、「紹介しようと思ってくれるような熱量のあるファンを増やしていくこと」、つまり既存顧客へのファンの深度をどこまで深められるかである。
改めてこのライブアイドル文化は紹介を中心として横に展開されていくことが多い中で、新規を求めていくだけでなく、まずは既存顧客をどこまで満足させられるかが重要である。
またそれと同様に、そのファンが紹介するコンテンツをどれだけ用意できるかである。例えば固定ツイートに自己紹介のツイートを載せておけば、ファンはそのツイートを展開するだけでアイドルの情報(≒魅力)をすべて展開することが可能である。この紹介のハードルを下げることも重要である。
また、UGCを増やす施策も効果的ではあるが、これはある程度ファン数が多いグループで効果的であるため、地下2-3階のグループだと一過性の施策になってしまい、残念な結果になってしまう可能性もあるため注意が必要である。

また、偶然接触で重要なこととして「ビジュアル」は上げられるものの、それ以上に「話したくなる」項目を作っていくことが重要である。
この子が何が興味があるのか、何を話すと盛り上がるのか、というのは新規の最も難しい問題の1つである。その中で、確かに佐倉なぎさんのTwitterを確認すると、その内容の記載がほぼないに等しく、初めてのチェキにこの子を選ぶのは難しいように感じる。
ちなみにSNSの写真については下記で考察をしている。

ライブ中:パフォーマンスとレスと環境

ここまでで誰とチェキを撮るか決まっている事例も多く確認できたが、ライブ段階で決定されるものとして3段階あると考えられる。

まずは圧倒的なパフォーマンス。この理由は「感謝」や「謝礼」的な要素の割合が高いと考えられる。
いい歌声を聞かせてくれてありがとう、いいダンスを見せてくれてありがとう、といった、度肝を抜かれたパフォーマンスに対しての行動である。

次にレスや表情管理については、まぁ言わずもがなであるが、やはり双方向性のコミュニケーションを受けた中で、話してみたいと思うのは普通の感情であろう。

そして、ライブが楽しかった、などのライブ環境も挙げられる。これについては感想をアイドル本人に伝えたいという想いだったり、思い出の1つとしてチェキを残しておきたい、といったものだったりするだろう。

このように、ライブ中もちろん一人のアーティストとしてのパフォーマンスの能力を磨いていくことは必須であるが、別にそれが完璧である必要はなく、むしろライブアイドルとして求められるものはレスや表情管理、その現場やライブを楽しい環境にしていく、といった別の要素であると考えられる。

ライブ後:いかにファンを逃さないか

上の図にも「脱落率を下げられるか」と記載したが、ここまでくればチェキに行こうと積極的な感情を持たれている中で、いかにその感情の水を差さないかが重要である。

その中でレギュレーションがわかりずらい、というのはあり得ない話なのである。
読者の中にも、お店でほしいものがあったが値札が付いておらずいくらかわからないから購入をためらったことはあるだろう。レギュレーションがわかりずらいとはまさしくこれなのである。

透色ドロップさんについては下記の画像を定期的に上げているが、
・文字数が多くて見ずらい(このnoteへの大ブーメラン)
・なんかチェキの種類が2つある(知り合いに確認したがほぼ同じらしい)
・金額は?メンバーごと?一言は?時間は?
というように、これだけだとチェキを初めて買う人への疑問をまったく解決できていないのある。
また、ここにメンバーの写真や趣味などを載せれば、どの子が行きたい子だったか、どんなことを話せばいいのか、などガイドにもなるだろう。(また新規と話す内容を固定化できるメリットとして、その話題について話す内容を先に決めておき練習を繰り返せるため、2度目のチェキへの確率も挙げられるだろう。)

まとめ

新規獲得に一番重要なことは「新規層がどのタイミングでどのような情報を求めているか」をしっかりとらえることである。
それは絶対にビジュアルではない、ことが今回の分析でも明示化できたのではないだろうか?

閑話休題:面白かったリプ返

勝手にまとめさせてもらいます。
許可とってません、ごめんなさい。

今後分析しますが、この方のおっしゃる通り、いままで地下アイドル業界全体が好きだった人が多かったものの、コロナ禍で(それが原因かは不明であるが)業界ではなく各グループへの興味が増えた印象がある。
そのため、対バンやフェスでも自分のお目当てが終わったら帰ったり、別の対バンに行ったり、そもそもグループの2現場回しが当たり前になっているといったことも現在の地下アイドルの特徴であろう。

業界ルールはわからないですが、確かにこの方のおっしゃる通り、対バンの2つ前ってお目当てじゃないとスマホいじってるだけなので、そのタイミングのオタクにライブ前に意識させるのはいい施策かもしれないですね!

いままでどれくらいの地下アイドルが「お金を払う価値があるか」を考えただろうか。1分1500円は、手取り3割でも時給約3万円であって、高級ラウンジレベルの金額です。
もう少しそのあたりのプロ意識のある特典会を意識すること(話す内容など)も重要なのかもしれない。

確かにと思いました。
ライブが年100公演ある中で、1公演で1人新規を獲得できれば、確実に地下アイドルでもトップレベルのアイドルになれます。
つまり、すべてのライブで1公演ずつ何を目標とするのか、その目的意識がないなーなーなライブを続ければ、新規は全く集まらないよね、という感想。

多分この人と話が合いそう。

これ見たとき、結構真理だなと感じました。
チェキで話に行くことを目的としているから、アイドルもチェキを目的としていて、その前のライブへの注力がなされていない、といった悪循環。

ちなみに、食前舌語が最近気になったアイドルはTikTokで可愛いと思った子です。時代ですね。

閑話休題:告知

全国ツアー中らしいので、ぜひ気になった方は行ってみては?

閑話休題:いい曲だよこれって話

透色といえば楽曲、みたいなツイートをよく見かけるので聞いてみましたが、この曲いいですね。ってことでMVおいておきます。
※めっちゃくちゃYouTubeページでいいたいことがあるので、これは別記事で。

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