借金800万円、アルコール依存症の底辺男が25歳Fカップナースと結婚した話②

それはイオン銀行からのローン返済の葉書でした。籍を入れる1週間前の話でした。借金の話を彼女にするつもりはありませんでした。激務な職場でしたが、給料やボーナスはそんなに悪くはなく、きっとなんとかなるだろうと思っていました。その考えが甘かったのはいうまでもありません。

イオン銀行だけで約300万円の借金があったのです。利息を返すと元金は全然減っていませんでした。彼女は激昂をしました。自分が結婚しようとした相手がアルコール依存症のみならず、借金や虚言癖の持ち主だったのです。彼女は26歳になった歳でした。私は8個上、35歳目前のおっさんでした。破談になっても文句は言えません。見栄を張って結婚指輪100万円近くのものも買ったばかりでした。それはほとんど私が持っている現金のすべてでした。

その後は修羅場でした。借金が総額いくらあるかを聞かれ、過少申告して400万円ほどと答えました。その後、総額がいくらであるかはほどなくして発覚しました。彼女は泣いて怒りました。自分の大事な結婚がそのような詐欺師の手で汚されたからです。

利子だけを払って元金が全然減っていないこともわかりました。私は借金を直視できていませんでした。親には絶対言いたくなかったのですが、親の力を借りざるを得ませんでした。また彼女のおばさんにもお金を借りることになりました。その時になるまで問題の深刻さには気付いていませんでした。

借金の内訳も聞かれました。それはお酒代や風俗代で消えたお金でした。特段贅沢をしたつもりはありませんでした。ただ見栄っ張りでお金によってしか、自分の価値を認められず無駄に人に奢っていました。「千と千尋の神隠し」のカオナシのようでした。自分のためだけに使った借金を彼女は一緒に背負ってくれたのです。

彼女は女神でした。そのような最低最悪の状況にある男を捨てるのではなく、結婚するという選択をしてくれたのです。いまだにそれがなぜかはわかりません。彼女は昔から捨てられていた犬や猫を放っておけない性格だったらしいのです。

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