「ポエトリーリーディングが鳴り止まない」

会社で 学校で フードコートで いやもうどこでだって
黙っていたら ほんとよく聞こえて来る
少なくとも聞く為の沈黙ではなかった
時にそれは緘黙に近く 閉口だった
よく働く為 学ぶ為 (あれ?ここには何しに来たんだっけ)
とにかく よく働き学ぶ為に集中した (あーそうだ食べる為だった)
その結果としての沈黙だった
黙っていたら ほんとよく聞こえて来る
世界にはこれ程までに陰口が多いのか
うんざりする
もう何回目か
それでも歩いて来た
加担しない為の沈黙にとどまらず声を上げた
上げたら
上げたから
今やこんな所に居る
それは緘黙で閉口で辛うじて訥弁の
下らない光景だった
下らない!下らない世界だ!
吐き捨てるよう 怒鳴りつけるよう
筆圧で破れた紙面の奥
机にまでおうとつを作る文字その絶叫が
わかってたまるかと世界に背を向けている

それももう何回目か
それでもまだゆくのか
ゆくのだろうな
だからこその詩か 光か

人の世で生きていたら 生きているから
俺を押し黙らせるものに遭遇し苦しい苦しいと息も絶え絶えの帰り道
反動かはたまた
内に鳴るそれを手にする
どうして灯すのか 灯るのか
値する世界か
それでもまだゆくのか
ゆくのだろうな
だって今 君は 詩を書いている

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