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スタートレック:ディスカバリー・シーズン4の感想と考察

見終わったあと、あまり記事にまとめようという意欲がわかず、気が付けば長い時間がたっていた・・・以下、ネタバレ含みます。

1000年後の未来、銀河系の外で繰り広げられるスケールの小さなヒューマンドラマ

うーん、ピカード(PIC)が割とよかったのでそれと比べてしまうが、どうにも・・・スタートレックの復活をかけたプロジェクトのはずなのに、失速している気がする・・・シーズン2がピークだったかも知れない。

一言でいえば、

1000年後の未来、銀河系の外で繰り広げられるスケールの小さなヒューマンドラマ

1000年後、銀河系の外、という二つの「人類未踏」の設定がありながら、繰り広げられているのはスケール感のないヒューマンドラマなんですよね、、、1000年後でも銀河系の外でもある必然性があまりない。。

大風呂敷を広げて小さな話をしている感じ。。。

個々の脚本はそれなりに優れていると思うが、どうにも迫力に欠ける。

根っからの悪人はいない

そういった、ある意味ではスタートレックの理想を追い求める脚本であるのだが、やっぱり魅力的な悪役というのは必要なんですよ。

さらに、フィリッパ・ジョージャウという強烈なカリスマも抜けたあとのディスカバリー・シーズン4、視聴者を引き込むに足る個性を持つ者が皆無だったこのドラマは、スパイスの入っていないカレーのような甘ったるいものとなってしまった。

理由こそが大事・・・なのは分かるが

マイケルの母が、

理由こそが大事よ、あなたには分かるはず

というシーンがあるが、この言葉にこのシーズンの方向性は集約されている。そう、理由こそが大事。どんな悪事に見えることでも、そこには理由がある。

それはそれでよいテーマだと思うが、その理由がスケール感の小さいヒューマンドラマに縮退させられてしまっている。

最もスケール感が大きいはずだった10-C(テンシー)による「掘削」。銀河も滅ぼすほどのパワーを持つものだったが、10-Cがバリアを張るために必要だったという「理由」が判明したとたん、あっさりとその脅威がなくなってしまうことこそ、このシーズン全体にわたる物足りなさの象徴であると思った。

個々には良い要素もある

とはいえ、個々には良い要素もあったので、各論になってしまうが述べていきたい。

①カーデシアやフェレンギに先に加盟していて、ニヴァー(バルカン)や地球があとで加盟する惑星連邦、という設定。カーディア人が連邦大統領を務めているのは、まさに隔世の感があった。

②未知の生命体10-Cとのファーストコンタクト。ホルモンのような化学物質と光パターンを使ってコミュニケーションを行う10-Cとのファーストコンタクトは、スタートレックならではの良さだと思った(けれど、これも銀河の外でやる必要ないよね・・・1000年後である必然性もない)。

③サルーとトゥリナの熟年ロマンス。二人ともいい感じ。

④タルカとオロスの友情(エメラルド・チェインに捕まっていたとき)。友情自体は良かったが、銀河を滅ぼすほどの動機としてはどうかと・・・

⑤シンス・ボディのピカード提督への言及。PICの世界線を引き継ぐ正史であることが確認できた。

⑥ディスカバリーのバーが、DS9のクワークのバーのオマージュとなっている点。バーテンはフェレンギ人士官、そして、モーンを彷彿とさせるルリアン人がいつもバーにいる。⑤と同じく旧シリーズファンへのサービス。

次のシーズン5で最後になるそうだが、なかなか期待薄かも知れない。それより、フィリッパ・ジョージャウのスピンオフ「セクション31」の方が期待ができそうである。



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