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生き方 愛犬ベンと生きる

こんにちは。小説家の藪田建治と申します。
この記事でも生き方や人間関係に悩みを抱えている方に向けて、小説を通してちょこっと泣ける物語をご提供しています。30歳前後となれば生き方で悩むことも多い。そんな人に読み終えた後、少し心が晴れたような気持ちになる物語り。
 

 僕はもうこの先どうやって生きていけば良いのか分からない。いろんな人がネガティヴな話題を取り上げ、ネガティヴな話を持ち掛けてくる。

 僕の心はその度に不安に陥り、将来に漠然とした不安が胸の中を支配するようになる。

 僕は非正規の派遣社員。与えられた仕事を淡々とこなせばもうそれで良い。特別難しい仕事内容でもない。職場の人間関係も本心から尊敬を抱く人、本心から繋がりたいと思う人以外の関係は程ほどで良い。

 でもいろんな人からそんなんで良い?もっと正社員でバリバリ働いたらどうなの?とよく言われる。
 でも僕はこれまでずっと正社員で働いてきたけど、職場の人間関係でいつも悩んできた。マウントを取る人、自分の思い通りにならないとこちらに八つ当たりしてくる人、いつも上から目線の人、他にも挙げたらキリがないくらいに。そんなことにもう心底嫌気が指していた。当時の自分は今以上に自分自身に自信がなく、相手の考え方や意見を鵜呑みにしてきた。でも心の中ではどこか半信半疑だったように今は思う。

 のんびり過ごしたいと思うような一方で、大企業で収入も多く、一見華やかに見える人達を羨ましく思ってばかりいた。そんなことをもう10年くらい思い続けてきた。

 でも30代になり、自分の人生を見つめ直した時にようやく今の答えらしきものが見え始めた。それは大企業で正社員として働く人達も1つのモデルでしかないということ。
僕はもう人間関係の悩みはもう極力なくしたい。その為にはむやみやたらと関係を持つよりも、関係を持つ人は少なくて良いから、その人達との関係は今以上に深くする。

 人間関係ってなんで築くんだろ。
 なぜ誰かと繋がるんだろ。
 なぜ誰とも仲良くしなければならないのか?なぜ誰とも仲良くすることを良しとするのか?それは僕にとっても正しいのか?

 行き着いたのは、その人との繋がりがどちらにとっても幸福に繋がるから。僕にとってもそれから相手にとってもプラスになるから心が動く。これが人間関係を築きたい基本だと思う。

 もしそれが片方だけがプラスになる関係なら、もう1人にとっては苦痛でしかない。それでは幸せには繋がらない。どちらか一方だけが・・・、僕はあまりそういう考え方が好きじゃない。どちらも良いと思うから意味はある。
 僕は非正規でも良い。僕自身はそれ程趣味も多くない。それより家で愛犬と戯れることが1番幸せだと感じる瞬間だし、愛犬は僕にとっての親友と言える存在。

 ベン、この愛犬との日々の生活をブログにしようか。記録することで、僕の記憶にも残り易い。
 それを誰かに見てもらいたい。多くの人と繋がりたいとはここでも思わない。僕とベンの日常を良いと思う人と繋がりたいだけ。
 
会社員として会社の中で働くよりも自宅で働く時間を長くさせられないだろうか。その方がベンがいつも近くにいる中で暮らすことも出来る。
 確かに収入も必要だ。生活をする上で収入がないと生活が困難になっていく。
 だが収入だけを考えて、会社で働くという選択肢を取るよりは、もっと在宅で出来る仕事を増やしていく。そうだとすればブログを書くにも、どんな風に書いていけば見てもらいたい誰かに見てもらえるか。
 ベンと暮らすまでは僕も犬と暮らしている人が羨ましかった。今もそんな人がいると思う。都会で暮らして、ペット不可のようなマンションに住んでいる人、家族にペットを飼うことを拒否されて、一緒に暮らしたくても暮らせない人、そんな人にまるでペットを飼っているような擬似的な感覚を提供する。
 そうすることで少しでも飼いたいけど飼えない環境にいる人達の気持ちを満足させてあげる。そんな風に考えていけばどうだろう。日常の一時を綴ることで、その時あたかもそこにいるような感覚。

 ただベンは売り物じゃない。僕の大切なパートナー。ベンがいるから今僕は幸せでいられる。1番軸にあるのはベンの幸せ。それを邪魔するようであれば、ブログやSNSの発信もやらなくて良い。

 働き方は1つじゃない。今は特にそういう時代になってきた。正直誰もがやれることじゃないとは思う。でも自分の好きなこと、幸福を感じる部分を仕事に出来れば、自然と幸福感は上がる。
 これからは働く環境、人との付き合い方、自分の行動ももっと僕自身が生きやすいように変えていこう。他人のものさしによって他人のレールを歩いていくのではなく、自分の人生なんだから、自分がレールを敷いてその歩みたい道を進んでいく。今すぐ環境を完全に変えなくても、少しずつでも実現させていく。
他人が正社員の方が良いと言っていたからといって、それがそっくりそのまま自分にも当てはまるとは限らない。
今ベンは横で気持ち良さそうに眠っている。
「なあベンこれからは出来る限り一緒にいような。」
「く~ん。」
 ベンが不意に寝息を漏らす。
 思わずベンを抱きしめる。可愛いやつだな。
 ごめんな、今まで一緒にいる時間が少なくて。でも僕はこれからベンとの時間を少しずつでも増やしていくから。もっとベンにも幸せな時間を増やしていくから。だからずっと2人で一緒にいよう。
ベンを撫でながら誓う。
 
 ベンはどうなったら今よりももっと幸せになるんだろう。どこか遠くへ行くことが幸せだろうか?
でも思い出すのは散歩の時川沿いの土手の道、ベンが勢い良く走り回っている姿。こっちを見て早く早くと言わんばかりに吠える姿。
 僕達は2人だけの空間のように感じる。そんな何でもない時間がベンにとっては幸せな時間なのかもしれない。
 どこか遠くへ行ってやることも犬用のケーキなんかも良いけど、僕はこのベンが喜ぶ何でもない時間をもっと増やして、ベンを幸せにしてあげたい。
 それが今僕が考える僕とベンの幸せを築く形。


いかがだったでしょうか。あなたのちょっと泣ける、幸せな気持ちになる時間になっていれば幸いです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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