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読書日記 vol.1 ワンオペ日曜日に差し挟まれる好奇心と絵本たち

この世には「読書日記」というコンテンツが存在すると先日知りました。本を読んだ感想を書くというよりは、日記の中に「読書」にまつわる色々を挟み込む、という感じみたい。

本の感想を書くとなるとまとめるのが大変だし、間違えたことを書かないように確認したいし、どうしても腰が重くなりがち。

その点「読書日記」なるものはもっと気軽に書くものらしい。知らんけど。
喋るのは脊髄反射的にさっさとやってしまうくせに、書くのはウジウジしてしまう私にぴったりな気がする。

ということで、変なクオリティを自分に課すことなくサクサク書いてみようと思う。


10月某日。

夫が出張で不在のため、ワンオペの日曜日。お友達に教えてもらった室内遊び場へ娘と繰り出す。日曜日の朝はみんな教会へ行くからか、かなり空いていた。

この遊び場の広いのなんのって。中に入るなり、娘は走り出す。こんなの大興奮だよね〜。私にはもう「室内遊び場」にしか見えないけど、娘にとってみれば遊び場であり、お城であり、迷宮なんだろうな。

大きすぎて写真に全体は入りきらない

縦横無尽に遊びまわる娘を目で追いつつ、ベンチに腰掛ける。周囲は同じように遠くから子どもを見守る親で溢れている。

娘を横目で見つつ、読みかけの本を開く。

とても興味深いのだけれど、物語でないとなかなか読み進められない性質の私はちびちびと読んでいる。

数十秒に一度は娘を目で追うし、数分に一度は娘が話しかけてくるので、こういうのめり込めない本はちょうど良い。

読んだ章に、小説を読むと人の気持ちを推し量る能力が向上する、といったことが書かれていて「ほらほらほら!」という気持ちになる。

小説ばかり読んでビジネス書や新書などをほぼ読まず、良い年して「役に立つ」読書とは程遠いところにいることを、ずっとコンプレックスに感じていた。

ビジネスパーソンに「どんな本を読んでるの?」と聞かれ、小説ばかり答えて「ふーん」と返され、値踏みされたような気持ちになる居た堪れなさ。

そもそも私は「役に立つ」から小説を読んでいるんじゃないんだから、役に立とうが立たまいがどっちだっていいはずなのだけど。

それでも、仮想敵にドヤ顔をして見せる。
どうだ、小説だって役に立つんだぞ。

虚しいことこの上ないが、勝手に抱えたコンプレックスが少し救われた。

本書内で言及されていた、アメリカの奴隷制に対する世論に大きな影響を与えたという「アンクル・トムの小屋」は読んでみたい。でも奴隷の話は本当に心がキリキリするので、心身ともにすこぶる健康な時でないと読めそうにない。


娘がやってきて、巨大なジャングルジムの中へと私を誘う。ちょっと一緒に動いただけでぐったりする。ここをずっと動き回っている子どもの体力たるや凄まじいものがあるな…。

大人が入っても十分なスペースはあるのに、四方をネットで囲まれているからか、少し息苦しく感じる。閉所恐怖症という程ではないのだけれど、以前にMRIをして以来、閉鎖空間が苦手になってしまった。

MRIに何の危惧も抱いてなかったのに、あわや叫び出しそうなところまで追い詰められた。

工事現場の真ん中に放り込まれたのか?と思う程のけたたましい音よりも、身動きが取れないことの不快感・不安感がすごかった。ちょうど体にぴったりのスペースしかない圧迫感に加えて、全身を固定されてぴくりとも動けないこと、検査が終わるまではそこから出してもらえないことが恐怖だった。

「MRI 閉所恐怖症」でググると同じ不安を抱えておられる方がたくさんいるようなので、もし次回があれば絶対に何らかの対策をしたいと思っている。というかしないと多分無理。

そんなこんなであまり狭い空間に留まりたくない。幸いなことに娘はタタタタッと進んでいくのでそこまで不安にならないで済んでいる。

不安なら来なきゃいいんだけど、そんな小さな不安は軽く吹き飛ばすくらいに、ここのローラー滑り台が楽しい。

滑り台の底面が細いローラーになっていて、大人がそのまま滑ると十中八九お尻が痛くなるやつ。ただの直線だし大して長くないのに、これがすこぶる楽しい。持ち手付きのソリがあるからお尻も全然痛くない。ソリは大人も十分乗れるサイズ。

そして大人の体重だとソリの加速が桁違い。一瞬恐怖が湧き上がるくらいには速い。でもすっごく楽しい。

できれば一人でも乗りたいけど、子どもの遊び場でそんな芸当はできないので、娘をダシにして遊んでいる。娘も一人で乗るのはちょっと怖いらしく、二人で乗る。

あまりに加速するので娘が吹っ飛ばないか心配になり、最初の方は足をレール横のスポンジ部分まで伸ばして速度を調整していた。でも摩擦で足の裏が熱くなったのでやめた。書き忘れていたけど、室内遊び場は大人も子どもも靴下なのだ。

出入り自由なので、一度出てお昼を食べに行く。ワンオペの休日は体力との戦いだが、「今日はとことん娘の好きなことをしよう」とか「今日は申し訳ないが私が楽しいことに付き合ってもらおう」とかを私の一存で決められるのは楽でいい。

お昼は近くのMOD PIZZAで。日本に進出してほしいチェーン店、私的No.1。サブウェイみたいにピザの具を自分でカスタマイズして載せ放題のお店。サクサクした薄い生地なのも特徴。MOD PIZZAの魅力は私が語らなくても、BUSINESS INSIDERが語ってくれていた。

まじで美味しいし、自分好みのピザが作れるのは楽しいので、アメリカに来たらぜひ食べてみてね。


さて、一日の終わり、寝る前の読み聞かせで娘が選んできた本がこちら、『リサとガスパールのたいくつないちにち』。

リサとガスパールシリーズは絵が本当に綺麗で見てるだけで楽しいんだけど、ストーリーは要領を得ないものが多い。でもそれも子どもにとっては面白いのかもしれない。

この本なんて、リサとガスパールがおばあちゃんのポスターを内緒で切り刻んでパズルにして遊ぶ。発想がやばい。元に戻すためにテープで貼ったら、なんとピースが一つ見つからない。しょうがないのでポスターを壁に貼った後、欠けた部分の壁を直接マーカーで塗って誤魔化す。というびっくりな解決策。ずさんすぎんか?

挙句これはバレずに終わるのでほんとおかしい。でも大人の都合なんてお構いなしに振る舞う二人、いいよねと思う。

娘が同じことをしたら絶対にバレるし私は叱ると思うけど、そういう精神で育ってほしいな、とも思う。親って勝手だね。

もう一冊は、娘が一歳の頃に数ヶ月だけ日本で通った保育園で購入した『ひょうたんころころ』。

ひょうたんが坂を下っていくだけの話なのだけれど、繰り返される「ひょうたんころころこーろころ」のリズムが良い。水たまりにハマってずぶ濡れになり、泥道で泥だらけになり、葉っぱが身体中にまとわりつき、最後は雪だるまになる。ひょうたんの表情も良い。ひょうひょうとしている。娘も一緒になってころころ言う。

寝かしつけの絵本というと、読めば読むだけ教育に良い、みたいな風潮というか雰囲気というか、そのようなものが漂っている気がする。
「毎日最低5冊は読みます」「10冊は読むので、寝かしつけだけで1時間かかることもあります。」みたいな教育熱心な親御さんの声を見るたびに震え上がる。

冒頭に挙げた『CURIOUS 子どもは40000回質問する』でも、就学前の子どもを対象にした研究で、物語を多く読んでもらった子ほど他人の力を理解する能力が高いという結果を引用していた。

ひえー。
2冊で根を上げている場合ではない。今夜は少し増やすか。


「読書日記」は気軽に書ける、とか言って書き始めたらダラダラと書いてしまった。日常に埋もれている色んな種を、ここに記録していけたらいいな。

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