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しまなみ海道縦断記

普段は自転車屋で1番安かったママチャリを使って京都中心部をうろうろしているだけの私ですが、この度瀬戸内にあるしまなみ海道をクロスバイクで縦断してきました。

今治からスタートして尾道まで、2日かけてのんびり行きましたが、普段特別運動もしないので、全部漕げなくても仕方がないかな、位の気持ちで行きました。
ですが、結果的に1度も足をつくことなく(途中白滝山を登山した時は歩きました)、船を使うこともなく(向島から尾道は安全面から渡船推奨されているので、船に乗りました)、ちゃんと全部を漕ぎきることができました。
しまなみ海道は初心者でもサイクリングしやすいと聞いたことがありますが、何せクロスバイクも1度しか乗ったことがなかったので、尾道が海の向こうに見えてきたときはとても嬉しかったですね。

食べたごはんや観光したもの、風景の写真をいれつつ、そんな旅の記録を書こうと思います。

1日目:今治観光

初日はサイクリングとは関係の無いことをしました。ただの今治中心部観光です。といっても思ったよりも見るところが無く(今治の方すみません…)、ゆっくりと今治城の見学をして、おいしいものを食べました。やったことはまとめるとそんな感じです。

朝に京都を出発し、まずは新幹線で岡山へ。すぐに着きました。

隣りの人の香水の匂いがきつかった

そこから在来線特急、特急しおかぜに乗り換え、今治まで乗ります。

特急しおかぜ

結構色々な駅に停まりますし、あまり速くないので、結構時間がありましたね。途中で瀬戸大橋を渡るので、じろじろ景色を眺めたいと思っていたんですけれども、自由席で残念ながら窓側には先客がたくさんいらっしゃいました。隣の窓側の方はずっとゲームをしていて海の方に全く関心を示さなかったので、微妙な気持ちになりましたね(四国に入ってしばらくするとその方が降りたので、右側に見える海を眺めることが出来ました)。

そして今治到着

タオルで有名
出迎えられた。キイ〇イトリに似ているような…?
伊予水軍マンホール

お腹が空いていたので、まずはご飯を。今治のB級グルメがあるらしいと聞き、『白楽天 今治本店』さんへ。駅から歩いても行ける距離です。

人気店のようだ

通りには全然人がいなかったのに、お店の前には人だかりが。平日13時前で4組待ちでした。違う店にしようかと一瞬迷いましたが、レジでお会計する人も多かったので、待つことに。料理写真は13:10に撮られたようなので、結果的に大して待ちませんでした。

食べたのはこちら、焼豚玉子飯

ボリュームありました

元は中華料理屋の賄だったのを、白楽天さんが改良して今や今治の色々なところで食べられる名物となっています。こういうB級グルメってあんまりおいしそうに思えなくてあまり食べないんですけど、すごくおいしかったです。

ご飯を食べた後は今治城へ

白飛び…?でもすごい曇りだったんですよ
近くにはヒト型のサイクルスタンドが

今治城は海の近くにあり、堀には海水を引いているので、海の生き物がぼんやり見えます。

コモンフグ

今の今治城は昭和のお金があったころに建てたもののようです。そのため、天守を中心に主に資料館という感じですね。天守は、城を作った藤堂高虎が建てた後バラバラにして京都の方に持って行ったと資料館に書いてあった気がしますので、江戸時代には無かったのでしょう。また、藤堂高虎は築城の名手だったようで、城づくりのお話もたくさん展示されていました。とても良かったですね。

天守には鎧やら武器やら手紙やらが飾られていて、最上階には展望室もあります。

苦しむバリィさんを横目に天守の階段を上る
晴れていればはっきりと島が見えただろう
今治国際ホテル。ここら辺では1番高いビル。
小説『汝、星のごとく』に登場したホテルだ

今治城本丸には明治時代に吹揚神社という神社ができたので、そちらで参拝もしました。

風や砂が吹き上げる場所として、今治城には吹揚城という別名がある
藤堂高虎と天守

お城を見学した後は、今治港の方へ少し散歩をしました。

来島海峡大橋がうっすらと見える

その後は同行者の花粉症薬を買うなど、つまり暇していたのですが、しばらくうろうろしてから夕食を食べました。

『五味鳥』さんへ

メニューにも、ところどころに駄洒落

今治は串に刺さずに鉄板に押し付けて食べる焼き鳥がおいしいと聞いてやってきました。

「かわ」というメニュー名だが、皮ではない
「せんざんき」という唐揚げのようなザンギのような今治名物
手羽先。マジでおいしかった

鶏の写真ばかりですが、野菜も食べました(少し)。どれもとってもおいしかったです!

食べ終わって今治駅に向かうと、怪しげな夕景が。

ここから1駅乗った波止浜駅から歩いて20分ほど、「サンライズ糸山」にこの夜は泊まります。なぜそこに宿泊するのかというと、今治側のサイクリングロードがそこから始まるから、ですね。施設の隣では自転車を貸し出しており、最初の橋、来島海峡大橋のすぐ近くにあります。

駅からそこそこ暗い道を歩いて到着

洋室は全室から来島海峡大橋が見える凄い立地ですが、2人だと1人1泊3300円です。館内にはレストランもあります。

部屋のベランダに出て眺められる。写真は少しぼやけてしまいましたね

これにて1日目は終了。2日目からがメインです。

2日目:今治から大三島まで

2日目はタイトル通り。朝今治を離れ、大島で高龍寺、村上海賊ミュージアムに寄った後で、伯方島、大三島へ。大三島では大山祇神社へ参拝しました。大体こんなルートで、結構時間に余裕がありましたね。

朝起きると、ベランダから来島海峡大橋が綺麗に見えました。

よく見ると下の方で工事中
東からは朝日が

館内のレストランを使っても良かったのですが、1日目の夜に買ったコンビニおにぎりで簡単に朝ご飯を済ませます。

ムクドリだろうか。部屋より

チェックアウトすると、自転車を借りに行きます。ヘルメットも無料で貸し出していて、条例で決まってるからね、被ってね、と言われました。1日目の今治でママチャリにヘルメットをした方がいたので、珍しいなと思っていたのですが、この辺では普通なのでしょうか(京都府ももうじき、着用努力義務化みたいなのが始まるらしいとか…?ちょっと詳しくありません)。

サンライズ糸山のロビー

クロスバイクは全然乗らないことを伝えると、簡単に使い方を教えてくれました。
その後隣にあるSHIMANAMIモニュメントで記念写真を撮ってもらい、いざ出発です(尾道まで70km、という看板を撮っておけばよかったと後悔)。

しまなみ海道の橋は、向島と尾道を繋ぐ新尾道大橋以外、全てに自転車のための道があります(原付、歩行者も通ります)。その自転車道というのは入口から自転車道で、急な坂にならないように回り道をしながら緩やかに橋まで上って行くことができます。また、しまなみ海道のサイクリングロードにはずっと青い線が地面に引かれているので、地図を見なくとも迷うことはありません。

橋まで上ってきた

最初の橋、来島海峡大橋は、橋の中では1番長い橋だと思います。調べてはいませんが、明らかに他より長かったんですね。漕いでも漕いでも島につきませんでした。

綺麗な景色

ようやく橋を下っていきます。

秘密のビーチ…?

橋の出口を抜け、大島の港に出ました。

人少ない
マンホールは橋

亀老山展望公園に行こうとしたのですが、下から山を眺めて諦めました。その前に坂があって、そこでだいぶしんどかったので、無理だと判断したのです。
後で色々試してわかったことなのですが、この時はまだギアを使いこなせておらず、かなりペダルが重かったのでした。代わりに参拝というのは良くないかもしれませんが、山のふもとにある高龍寺へ寄りました。

カッコいい門
御朱印待ちをしていたとき

温かく穏やかな空気が流れる素敵なお寺でした。
参拝を済ませ、村上海賊ミュージアムへ。

街を抜け
再び海へ近づいていく
マンホールが村上さんに

左手に海を見ながら坂を上ると、村上海賊ミュージアムに到着。

とても眩しかった

昔ここらへんの島々には村上という姓の海賊がいたようで、ミュージアムではそんな村上さん達(村上氏は3つに分かれていたらしい)について学ぶことが出来ます。海賊と言ってもパイレーツとは異なっていて、この辺の海の治安維持、商売などをしていたようです。昔は支配者が何層にもなってたくさんいたようなので、その中の1つという感じなのでしょうか。村上海賊の娘っていう小説、有名ですよね。読んでみたくなりました。

何かの賞を取っていた気がする

ミュージアムには小さいレストランも併設されていて、チーズカレーを食べました。アツアツでおいしかったです。

タコがのっている

食事を済ませると、伯方島へ

途中、能島村上氏の拠点があった島が近くに。
右に見える船で観光するのも良いだろう。
伯方・大島大橋を渡る
不思議な形のビーチが見えてきた

橋から見えていたビーチの隣には道の駅がありました。お土産を物色する同行者を待ちます。

南国風

伯方島の定番観光地にはドルフィンファームしまなみがありまして、この道の駅の隣にあります。てっきりイルカを展示しているのかと思いきや生簀のような場所にイルカを入れて、触れ合えるようにしているみたいですね(※パッと見ての推測です)。寄ろうかと近くまで行きましたが、眩しくて何となくやめてしまいました。
そのまま大三島へ渡ります。

船を作っているところもたくさん
大三島橋を渡る
橋の出口

橋を出て坂を下っていくと、眼前に海が広がりました。

向こうに多々羅大橋が見える
マンホールは多々羅大橋に

そのまま、海の横を走っていきます。

イルカ

途中でレモンコーディアルのお店、『果輪弥』さんへ寄り道。レモンの他にハーブなど美味しくなるものを漬けた美味しいドリンクが飲めます。とってもおしゃれなお店です。

映えを意識した時人は正方形のものを撮る
めっちゃ絵がうまい

漕ぎ進め、多々羅大橋の麓にある道の駅にやってきました。

ところで、なぜこのような停め方なのだろうか

この辺にはサイクリストの聖地というモニュメントもあり、写真を撮りました。

石舞台古墳に似ている

道の駅でじゃこ天を買って食べたり、のんびりしました。実は自転車の調子が変だったので、ここのターミナルで新しいものに変えてもらったりしています。それもあって時間が余っていたのが、丁度良い位の時間になりました。

その後はメインのサイクリングロードから外れ、大山祇神社へ向かいます。

海を離れ、山の方へ
前方に梅が

神社へ向かうには峠を越えなければならないのですが、自転車のために勾配の緩い回り道が用意されていました。ありがとう…
坂を1番上まで上ると、新しい町にはいったようです。
今治市の取り組みなのか、島独自の取り組みなのか、マンホールが町ごとに変わっているような気がしますね(普通は、こんな頻繁にデザインが変わらないような気がしますが…他もそうなのでしょうか)。どれも目を引くデザインで、探していたわけではないのに目に入ってきました。尾道市に入ってからは撮っていません(残念ながら伯方島のマンホールは見つけ損ねたようです…)。

広義のみかん…私には見分けられない

坂を下って町に入り、大山祇神社に到着

全国に多くの分社をもつ大きな神社
総門はヒノキ…だったはず

境内には大昔から楠がたくさん自生していたようです。勿論植えられたものもあって、伊藤博文が植えた楠なんていうのもありました。

御神木。息を止めたまま3度周りを回ると願いが叶うらしい(無理だった)

人が少ないと、神聖な雰囲気を味わえますね。
参拝を終えると、今晩の宿へ。神社の近くにある「旅館さわき」で1泊します。

漢字は左脇らしい

旅館に着くと、近くにある「マーレ・グラッシア大三島」で海水風呂に入れると教えてもらいました。せっかくなので行くことに。
車で5分ほどですが、私たちは自転車なので送迎してくださいました。

シャンプーなどは持ち込み

施設は海の横に位置していて、窓の外に沈んでいく丸い夕日が見えました。一部の浴槽にはお湯がなかったのですが、海水風呂以外にも期間限定のラベンダー風呂やマッサージバスが。歩行風呂というのもあったものの、地元の方がぐるぐる歩きながら世間話をしていたので、結局入る勇気が出ませんでした。

出ると既に沈んでいた

旅館に帰ると、待ちに待った夕食。瀬戸内海の海の幸がテーブルにずらりと並べられました。これがもう本当においしかった。

カレイとタモリ(セトダイ)の南蛮漬け。私はこれが1番好きだった
これもタモリさん…
そして船盛である。
左の黒い魚がメバル、右は来島鯛(?)
貝はヒオウギガイ

大変贅沢な時間でした。
ご飯を食べた後は部屋でのんびり。2間続きの広い部屋です。旅館って素晴らしい…

これにて2日目は終了。最後はただただ癒されましたね。
初めこそギアを使いこなせずに上り坂で苦労しましたが、前輪と後輪両方のギアをうまく変えられるようになってからは大分楽になりました。足は疲れましたが、元気なまま2日目を終えたので、同行者は意外だったようです。

3日目:大三島から尾道まで

3日目は大三島で数か所寄り道をしてから生口島の耕三寺へ。その後因島で自転車神社(大山神社)に寄り、白滝山に登って五百羅漢を見ました。そして向島、渡船で尾道へ。2日目と比較するとハードで時間も無かったと思います。

朝起きて用意をしていると、「釜の調子が悪いので朝食が15分遅れる」と電話が。釜炊きなのか…楽しみだ…と思いながら朝食会場へ。

モリモリだ

チェックアウトを済ませると、みかん(広義)を持ってきた旅館の方が、「自転車なら水の方が良いよね」と冷えた水をくださいました。有難い。

この日はまず「生樹の御門」へ。2日目に行った大山祇神社の奥にあり、神社の奥の院に続く道に聳え立つ楠です。ちょうど空洞があるため、奥の院への門となっているよう。ガバガバリサーチだったので、昨日は行っていなかったのです。

圧倒される

奥の院へ行く時間は無さそうだったので、そのまま近くの道の駅へ。旅館で全国旅行支援のクーポンを貰ったのですが、大三島を出ると広島県になってしまうため、愛媛県内で使う必要があったのです。サイクリングの負担にならないお土産として、みかんジュース蛇口が縫われたハンカチを買いました。

ちなみに、今回のサイクリングではずっと2泊3日の荷物を背負っていました。荷物を最小限にしていましたし、クロスバイクは前傾姿勢なので、意外と辛くなかったです。ですが、郵送サービスもあるようですね。

お土産を買った後は、多々羅大橋へ。2日目に越えた峠を再び越えます。

峠を越え、坂を下った先に広がる海(眩しい)

いよいよ橋を渡ろうとした時、とんでもないミスをしてしまいました。あろうことか橋の入口だと勘違いして、名前からして苛酷そうな「いろは坂」を上ってしまったのです。見れば坂だと分かる急な坂で、メインロードから外れた道にも自転車道があったのに、なぜ急にドSに…?と思いながら意地で漕いだのですが、単純に道を間違えたのでした。
しかし、そのおかげで展望台へ上ることが出来ました。

多々羅大橋
来た道を眺める

下って今度こそ多々羅大橋へ

県境を越える

橋を下る道沿いには、みかん(広義)やレモンがたくさん植えられいて、爽やかな香りがほのかに香っていました。

レモンベンチがあった

レモンベンチで写真を撮っていると、近くのおじさんがひょうたん島という島の話をしてくださいました。
愛媛県と広島県の間にあるひょうたん島は昔愛媛の神様と広島の神様がそれぞれ自分のものだと主張して引っ張ったので、ひょうたんのような形になった、というお話。くびれの部分に県境があるそうです。

ひょうたん島

海沿いの道を進みます。

海を向いているお地蔵さん

次の目的地、耕三寺に到着

門の外から既に凄い

昭和の頃、実業家がお母さんのために作ったお寺のようです。支配者じゃない1民間人が作ったとは信じがたいですね。

河津桜、変な咲き方

境内は五重塔と本堂が前後に並び立つ四天王寺式伽藍だと説明にありました。こちらのお寺は過去の素晴らしい様々なお寺ズを参考にしていて、本堂は平等院鳳凰堂を参考にしているようです。

手前に見える白い地面は全て大理石だ
左にも建物が伸びており、左右対称である

振り返ると孝養門が。日光東照宮の陽明門じゃんと思ったそこのあなた、正解です。この門は陽明門と全く同じ大きさのようです。

徳川家…

本堂の横には、千仏洞という洞窟もあります。人の手で掘った洞窟の中にあまたの石仏が置かれており、往生要集が視覚的に理解できるようになっているそうです。洞窟のひんやりした空気も相まって圧倒されました。なんとなく抵抗があるので写真は載せません。

そして、敷地内には映えそうなスポットも。未来心の丘という怪しげな名前のついた白い空間です。

合掌

未だにこの空間が何だったのかピンと来ていないのですが、仏教の教えからインスピレーションを受けた大理石の庭園なんだと思います。

良い景色

他にも博物館などあったのですが、あまり時間も無かったのでこれ位で出発することにしました。

そのまま急ぎ足で因島へ。この先は急いでいたので、あまり道途中の写真がありません。

途中で一休み。水分補給
生口橋を渡る
「しまなみ海道」ではない場所にも島と島を繋ぐ橋があるのだろう

因島に入ると、「まち」という感じが強くなってきました。尾道に近づくにつれ、少しずつ賑やかになっているような気がします。

急ぎ足で到着したのは自転車神社。大山祇神社の分社、大山神社の中にある神社です。

自転車を持ち込める

自転車の写真を撮っていると巫女さんが「自転車神社参拝記念」と書かれたボードを持ってきて、記念写真を撮ってくださいました。おもてなし精神の強い神社さんですね…

参拝後は昼食を。時間があまり無さそうだったので、すぐに食べられそうなラーメンにしました。神社に近かったので、すごくローカル臭のあるお店に入りました。

さっぱりしていてすぐに食べられた

『孫悟空』さんという名前だったと思います。

その後は来た道を戻ってメインのサイクリングロードに合流。白滝山を目指します。山頂にある五百羅漢、石仏群が目的。
少し内陸に入ったところを上って行くと、それっぽい山が

おそらくこの山だ(未確認)

そしてこの先は必死だったので写真を全く撮っていないのですが、徒歩でも絶望するくらい急な坂がずっと山頂まで続いていました。多々羅大橋のところで間違えて上ったいろは坂の何倍もの長さが、ひたすらひたすら続いています。さすがに漕ぐのは諦め、クロスバイクを杖のようにして体を支えながらのろのろ登りました。すごくしんどかったです。

束の間の平地

ようやく駐車場(駐輪場)に着いて喜んでいると、更に階段が

辛い道を歩んでお参りすることに意味があるのだ

そしてついに到着!

最後の階段を振り返る

本当に素晴らしい眺め、素晴らしい石仏群でした。

因島大橋が見える

元は因島村上氏が海の見張りをしていた場所で、江戸時代に豪商がこのような石仏群を作ったようです。石仏群は1つとして同じ顔が無いとか、自分に似た顔が必ずあるとか、色々書いているのを読みましたが、結構お顔はつぶれている印象を受けました。村上海賊ミュージアムでも思ったのですが、京が都とするとこの辺は良い立地ですし、随分栄えていたのでしょうか。

鐘もある

鐘を撞くこともできます。周辺に障害物も無く、静かな場所だったので、綺麗な音が響きました。景色も素晴らしかったのですが、この鐘の音が1番感動したかもしれません。

歩きでは二度と行きたくありませんが、本当に良い場所でした。
あんなに苦労して上った坂も、自転車での下山は秒速でした。

下り坂のスピードが写真に影響?

そして因島大橋を渡り、最後の島――向島へ

この橋の自転車道は車道の下にある
橋を下りると海が広がる

向島では行きたかったアイスクリーム屋さんへ

海に石を投げて遊ぶ少年たち
向島大橋が見えてきたらすぐ

到着、「tsubuta SANK!」さんです(外観の写真を撮り忘れました…)。
残念ながらその日のアイスクリームは売り切れていて、カップに入ったソルベやアイスの提供、となっていました。

リベンジします

海沿いのサイクリングロードに面した好立地。おしゃれでおいしかったです。

食べ終えて、いよいよ終点・尾道に向けて出発です。
実は、向島と尾道は昔来たことがあるんですね。渡船のりばに近づいていくと、何となく見たことのある風景が

この川知っているかも…?
このスニッチもどきは絶対に知っている

乗り場に到着

冒頭でも書きましたが、向島ー尾道間の橋には自転車道が無いため、渡船で渡ることが推奨されています。道端には「渡船を使ってください」という看板もありました。なので、これにてしまなみ海道自転車縦断が完了、として良いでしょう!

船を待つ
鴨川でもよく被写体になっているアオサギ

しばらくすると渡船が来ました。

このカメラはやっぱり西日と相性が良い(個人の意見です)

乗り込んで出発
尾道が見えてきた

見覚えのある尾道が見えて、走ったんだなあと実感が湧いてきました。ただ2日かけて観光もしながらゆっくりと漕いだので、しんどかったという記憶は全部消えていて、達成感というより、ただただ嬉しい気持ちになりました。
下り坂で登山の疲労も吹き飛んでいて、3日目もかなり元気に終えられました。

尾道に到着した渡船はすぐにまた向島へ出発

自転車を返却して歩いていると、こんな看板を発見

サンライズ糸山の看板も撮っておけば…

時刻は17:30頃、尾道の観光地はもう閉まっている時間でしょうし、第一あの階段は上りたくありません(流石に)。初めは3泊4日にして次の日に尾道観光も考えたのですが、尾道の坂に耐えられない足になっているだろうということで、この日に帰るプランにしたのでした。実際にやってみた感じでは、気合で観光できた可能性はありましたね(ただ、確実に足は死ぬ)。
海辺で夕日を見ても良いのですが、お腹が空いたのでご飯を食べます。新幹線で駅弁はどうかと同行者は言っていましたが、多分福山駅に着くころには売り切れているだろうと思って、尾道で食べることにしました(実際売り切れていました)。

そして、またラーメン。尾道なのに、いわゆる「尾道ラーメン(背油たっぷり醬油味)」ではありません。
ただ、広島県では何店舗かあるお店のようです。お店の名前は写真の通り。
私はとんこつが大好きなので、大変満足致しました。

結局とんこつが1番

ラーメンを胃袋に収めると、もう日が暮れてきました。

駅に併設されたお土産物屋さんで買い物をしていると、そろそろ帰宅の時間です。帰りは福山駅で新幹線に乗り換えます。

すっかり暗くなった

ではこれくらいで

さいごに

ここまで長文にお付き合いいただき、ありがとうございました(そんな方はいらっしゃるのだろうか)。

普段運動しない私がちゃんと漕げたのは、しまなみ海道が自転車に大変優しい道だったからでしょう。美しい瀬戸内に、このようなサイクリングロードを作ってくださって本当に有難いことです。写真は沢山載せていますが、顔に当たる風や柑橘類の香り、痛むおしりなど、まだ行ったことが無い方はぜひ五感で体験しに行ってほしいと思います。

そして、幸い私はまだ若さに助けられている年齢なのだ、ということに気づいた2日間でもありました。2日目の果輪弥さんで白髪交じりのご夫婦が、荷物を担いで颯爽と漕いでいかれるのを見かけたのですが、私もあんな風になりたいなと思いましたね。

こんな風にパソコンの前でキーボードを打ったり、モニターで小さな字を眺めていてはいけないのです。それでは

p.s.
iPhone以外の写真はSonyのコンパクトデジタルカメラ、RX100Ⅴで撮影しています。
今回は設定をこねくり回したり構図を考えることなく撮影した写真が多いのですが、カメラのモニターを見る時間が少なく、ズームもほとんどしていないので、むしろ記憶の景色が写真となって出現しているように感じられました。眩しくて白とびしている部分も含めて、です。
小さくて軽い、私の大好きな1台です。

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