そんなに簡単に人を嫌いになれないよね

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写真はアラーキーの有名な写真をオマージュした作品。左右反転。飲み物はポカリスエットではなく現代風にアクエリアス。お粗末だか真似してみた。

人のことを嫌いになる。それは簡単なことでもあると思う。小っちゃい飲み屋で話しかけられたおじさんに今の若者は〜なんて説教されたら二度とソイツが居るときに店に入るもんか、なんて思うは当然だろう。

でも愛していた人ならどうだろうか?それも破滅的な事も無く道を別れた者なら。
死別なんて事もあるかもしれない。これは完全に一方的な運命の定め。神のみぞ知る世界だけれど。

この時は完全に自分のせいだった。もう頑張っている彼女について行けなくなってしまった。燃え尽きて、休職していた私は毎日仕事に行く彼女に、いってらっしゃい無理しないでねと、終わったらお疲れさまでした。今日も無事乗り切れて偉かったねとLINEで送るのが精一杯だった。とてもやるせなかった。
そんなことが続いたある日、いつも通り彼女と新橋ではしご酒をしていた。私は薬のせいもあるのか殆ど言葉を発することもなく彼女の話に耳をかたむけていて、でもれも嫌いではなかったし、仲の良い常連客からも声をかけられるので、それ応じたりしていた。だけど三件目に行く途中切り出した。自分の不甲斐なさとそれで辛いこと、毎日送り出すのが辛いこと、そして一緒に居て幸せですか?と。
彼女も同じ事を考えていたらしい。あっさり別れることになった。3軒目で山崎のストレートを二人で飲んだ。最後の想い出にと。

別れるときの約束で新橋はお互い自由にお店に行こうということにしてるので未だにはち合わせる事がある。会うと話すこともあるが決して良い思い出ばかりじゃなかったけど嫌いじゃない。


人に対して嫌いというか無関心になれたらなと度々思う。

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