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子供からイジメを打ち明けられた

私が姉一家と一緒に住んでいた時のこと。
小学高学年の長男(甥っ子)と電車に乗ってお出掛けしていたら、「ねえ、質問なんだけど。Rurikoは、学校でいじめれたことってある?」と突然質問された。

私「うーん、ないなぁ…。でも女の子グループの中で悪口とか言ってて、嫌だなぁ〜って思ったことは何度もあるよ。でも突然なんで??」

長男「いや、別に。ちょっと聞いてみただけ」

私「そっか。ほんとに?」

長男「うん。ただ、どうなのか知りたかっただけだよ」

私「ふーん。でも、もし長男がいじめられたり、学校でそんなことを見かけたら、話して欲しいな。ママも私もみんな長男の味方だからね!分かった?」

長男「うん…。分かった。」

なんか気になるな。と思った私は、夜、子供が寝静まってから姉に相談してみた。

私「今日、長男からいきなりイジメられたことがあるかって質問されたんやけど、大丈夫なんかな?学校で何かあったりするのか、気になったんやけど。」

姉「そうなんや・・・。あの子最近、兄弟喧嘩多いし、そんなことで怒ったりする子じゃないから、少し気になっててんけどね。」

私「え?そうやった??喧嘩はよくある事やから、全然気が付かなかった。けど、言われてみれば、そうなんかな…。(さすが母親!)」

姉「ちょっとちゃんと長男と話してみるわ」

私「わかった。よろしく!」

翌日の夜、仕事から帰宅後、姉に聞いてみた。

私「どうやった?長男と話せた?」

姉「うん。話したよ。女の子からイジメられてたわ。長男が言うには何もしてないのに、突然蹴られたり、悪口言われるようになったって。」

私「え?女の子から??だってあの子、クラスの人気投票で、女子から大人気やったやん!」

姉「そうやねんなー。まぁ、長男のクラスは6割強が女子やし、成長も早いしな。で、長男はあの通り超ピュアボーイやん?優しいし。で、こういうのは早く動かなアカンから、早速担任と話してきたわ」

私「えっ。はやっ。で、先生はなんて?」

姉「まだ新米先生で、若いしかなり頼りないねんけど…とりあえず、当事者に話を聞いてみて、報告しますって」

私「そっか。にしても、イジメた女の子って愛足りてないんとちゃう?家庭で何かあったんかな??」

姉「そうかもなぁ・・・。あの子には”長男が悪いんじゃないよ。心がとっても優しいから、そこに甘えて、反撃しない子を選んでるんだよ。だから、きちんとそんなことをされるのは嫌だとハッキリ言った方がいい。ママもあなたを守る為に動くから。”って言っといた。」

私も何か出来ることないかな…。そうや!長年イジメられた経験のある、あの人に相談しに行こう!!と、アポをとったら、快く受け入れてくださった。

土曜日になり、長男と二人で会いに出掛けた。行きの電車の中で私は長男に改めて聞いてみた。

私「この間は、せっかく聞いてくれたのに、気付いてあげられなくてごめんね。今日は、小学校の時にイジメられてたけど、それを乗り越えて楽しく生きている人のところに行くよ。何かヒントになるようなことが聞けるといいんだけど。」

長男「うん…。ちょっと楽しみ。」

私「うん。・・・・・。長男、イジメは辛かったね。どんなことされたのか聞いてもいい?」

長男「うん。朝ね、いきなり死ねって言われて背中を蹴られたり、気持ち悪いって言われて物を投げられたり…。蹴られたり髪の毛引っ張られたりするのが、すごく痛いし嫌なんだ…(涙)。死ねとか、キモイ、バカとか、書かれたり、笑われたりするのもね…うっ(涙)。僕ねちゃんと嫌だからやめてって言ってるんだけどね、全然やめてくれないの…うっうっ(涙)」

私は、はじめて本人から具体的な話を聞いて、心がえぐられるように痛かった。長男を思うと涙が止まらなかったし、今までゆっくり話を聞いてあげられなかった自分を悔やんだ。行きの電車は、二人でほぼ号泣しながら向かった。

知り合いの家に着くと、彼女は笑顔で迎え入れてくれた。ソファに座るなり、早速、電車の中で聞いた話をし、どうやって乗り越えたのか聞いてみた。

知「そっか。イジメる人は、大人しくて言い返さない人を攻撃するから、思いっきり怒るのが一番いいんだよ。」

長男「僕、嫌だ、やめてって言ってるよ。それでもやめてくれないの・・・。」

知「うん。ぜーんぜん、パワーが足りないなぁ〜(笑)」

私「え?」

知「相手の怒りのパワーよりももっともっと強く出さないと。むこうは殺すって言ってるんだよ?だからこっちも ”テッメェ〜!!!ぜーーーーったいにお前は許さん!!!!次やったらボッコボコにぶっ殺してやる!!” ぐらいの気持ちがないと。ドラゴンボールのスーパーサイヤ人ぐらいの強い覇気だよ。分かる?怒りが燃え上がるようなすっごい覇気!グワァァ~!!!って」

長男「わかった。僕、ぜーんぜん足りなかった!絶対許さん!!!ぶっ殺すだね!!!」

私「え?えぇぇ…。」←

帰り道…長男の顔は満面の笑みで超晴れやかになっていた。
スキップする勢いの、ルンルン気分が伝わってくる。

長男「なんか、すっっごく勇気出た!!月曜日、さっそく学校でやってみるよ♪それに、もし次男がイジメられたりしたら、こうやればいいって教えてあげられるね。あぁ〜、来てよかった〜!」

家に着き、姉に報告。

私「でさ、ぶっ殺すとか言ってて、ちょっと過激で心配なんだけど、今のあの子なら乗り越えられそう。帰りは凄く顔が晴れやかになってたわ。次男のことまで…本当に優しい子やわ。で、相手の子や学校の方はどうなん?」

姉「その子の親とも話したんだけど、家庭で夫婦喧嘩が増えてたらしいわ。やっぱりなぁ…。先生からは、本人が長男に謝ったとも聞いてるけど、もしまたあれば、再度学校行くわ。」

月曜の夜、長男が寝る前にどうだったか聞いてみた。

長男「朝は戦う気持ちだったんだけど、久しぶりになーんにも無かったの。全くイジメられなかったよ!よかった〜!!」

と、これで長男のイジメは幕を閉じた。

私は、子供にとって、すぐに親が動き守ってくれるという姿を見せることの大切さを感じた。

なぜなら、家族の団結を強め、子供が相談しやすい環境づくり、そして長男が親になった時、きっと子供を守れる親になるだろうから。

また、自分の身や、尊厳を守る為に、時には戦う心の強さが必要なことも教えてもらった。

辛かったが、やはりこれもとても大切な経験の一つとなった。ありがとう。

因みに、そのイジメた女の子は、長男の事が好きだったらしい…。←おいっ。やり過ぎやろ

しかし、子供がイライラし過ぎている時は、必ず何か原因がある。

大人が気付いて、話を聞いてあげられるか、そこもとても大切なのだと思う。

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