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私は今年課長になり、チームのマネジメントをしています。

人員としては私を入れて6名。半分が一般職、残りが総合職です。

今年異動してきた人も3名います。私も課長になる直前に異動してきましたから、実質6名中4名がこの仕事のキャリアが半年程度ということになります。

厳密にいえば、私自身若いころに今と同じ仕事をしていたものの、もはや15年以上前の話です。

私のチームは事業計画を担当していますが、これは立案業務もあれば、実績分析業務もあり、毎月ルーティン作業が非常に多くあります

私たちの仕事は財務データをベースに分析する業務が多くあるので、一つ一つがまさに作業として回っており、6人いるチームメンバーそれぞれが持ち場をもって作業してくれることになります。

ルーティン作業ですから、もちろん私が課長を務める前から存在している業務で、今年異動したメンバーの前任者もいます。
今年、私が業務一つ一つを深く理解していなかったこともあり、まずは前任者から新任者へ「そのまま」引き継いでもらうことにしました。

幸運なことに、人の入れ替わりがあったものの、人数的な増減はなかったので、仕事をそのまま移行してもらうことが可能でした。

各メンバーがスムーズに引継ぎをしてくれたため、大きな問題もなくチームが回り、半年が経過しました。

大きな問題がない、と言いましたが、これは「業務が止まる」ということがなかっただけで、半年間メンバーを見ていると、どうも問題がありそうだと思われるポイントがありました。

1.(私を除く)メンバー5名の負荷にばらつきがあること。
2.各メンバーが似たような作業をしていること。

おそらく、私が来る前の前任者もそうだったのだろうと思います。しかし、みなそれに疑問を持たず粛々と作業をしていました。そしてそれをそのまま引き継いでいます

しかし、負荷にばらつきがあるということは、忙しい人も暇な人もいるわけで、決して組織として健康的とは思えません。
そして、集中してしまう人は仕事の時間が長くなるという意味で個人の生活にとっても組織(労務費)にとってもよくありません。

また、その忙しい内容を見てみても、単純な作業から複雑な作業まですべて一人でしていたり、その作業も複数名が同じことをしていたりしました

先ほど述べたとおり、我々の仕事は財務データをベースに進みますから、データの出どころは一か所なわけです。
そのデータを分割して、プロジェクトや項目別の分析をかけていくわけですが、出どころが一つということは最初に触るデータは皆同じです。

この最初の作業を全員がそれぞれやっていました。
正直、無駄です。同じ作業を誰でもできるというのはスキル面では必ずしも悪いことではありませんが、毎月その時間を使う必要はありません。

私がなぜこの状態に気付いたかというと、私は毎週全員と1on1ミーティングをしていますので、そこで何をやっているか聞いている中で分かってきましたのです。

また、メンバーの中でこの道10年以上のベテランがいますが、その人が「あの作業、全部私に集約すれば早く終わるんだけど、なんでしないんだろう」と話してくれたということもあります。

私は課長として、私のチームの全体最適を図るために、こういった無駄を削減したいと思っています。そこで、これから担当分野を見直そう、と考えました。

そうすれば、似た作業を集約すれば重複がなくなりますし、私が負荷に応じて平準化する分担案を作れば、恐らくある程度の平準化と総量削減ができると思います。

でも、それでいいでしょうか?

私のチームは今非常に負荷が高く、残業をしてもらっています。事業で課題が多いこともあり、ルーティン作業以外にも追加で様々な業務が乗っかってきています。

その中で業務を円滑に回すために見直しを早急にしなければいけない、という事情は間違いなくあります。

しかし、です。

ベテランメンバーが口にした、「私がやれば早いのに何でそうしないの?」というコメントがこのチームの課題を表している、と感じたのです。

端的にいえば、「メンバー同士で話をして、課題を明らかにしてくれればいいのに」ということになります。

ベテランメンバーは、上記のように考えていながら、重複した作業をしているメンバーに声掛けをすることはありません。

逆に、ほかのメンバーは自分の作業を効率的に進めるためにベテランメンバーに相談することもしません。

もちろん上司のいないところで業務分担を勝手に変えてはいけない、それは上司が決めること、という思いもあるでしょう。
確かに組織上、決めるのは課長である私です。しかし、メンバーが話してくれないとわからないこともいっぱいあります。提案してくれれば考えますし、ボトムアップ提案をネガティブにとらえることはしません。

私のチームの課題は、メンバー間でコミュニケーションが取られない、ということなのだと思います。

ではなぜ取られないのか。
メンバーと話していると、「私が相談すると迷惑になるかもしれない」とか、「私はアドバイスするほど知識がない」といった声が聞かれます。

よくわかります。
しかし、すべてに正解があるわけではないですし、一人で考えればいいわけでもありません。わからない同士でも一緒に考えれば解決の糸口が見えることもあります。

「正解を出さねばいけない」というプレッシャーを勝手に感じているのだと思います。

私自身は、一人一人の知恵や知識には限界があると思っています。それを掛け合わせることで組織としてアウトプットが出せると思っているので、私のチームでも、メンバー同士の知恵や知識を掛け合わせてほしい、と思っています。

先ほど述べたように、私のチームは今非常に負荷が高いため、業務の見直しに迫られています。
私なりに新体制の腹案は作りましたが、それをいきなりメンバーに提示するのはやめました。

私はメンバーを集め、「業務の見直しをしたい、でも、その前に、全員で話しましょう」と提案しました。

その時に、全員にお願いしたのが、「チームに必要なのは”共感力”だとおもう。お互い、共感してくれる人には自分の想いを話せるし、前向きな話ができる。いきなり力がつくわけではないが、"共感する"努力をしながら会話しよう」ということです。

ちょうど、会社で職場満足度アンケートが実施されたので、その結果を見ながら、お互い何を思ったか、どういう職場が理想なのかを話すことにしました。

その話をするときに、「話をする側は自分の想いを伝えること。聞く側は頷いたり、質問したりして、反応してあげること」をお願いしました。

幸いにも、私のチームは「本当はみんなで協力したいが、どうしたらいいかわからない」という思いの人が多かったので、この提案に乗ってくれました。

私の狙いは、こうやってお互いの想いを交換し、共感する中で、「私たちはこういう仕事をしたい」ということが自ら言えるようになることです。

そのようになってから、新体制案を見せて話したいと思います。

まずは始めたばかり。チームがどのように変わるか、また共有していきたいと思います。




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