見出し画像

身の回りのUXを機会・経験・価値観のレイヤーで分析する

どうも、犬派の大学院生です。

日常の何気ない経験から多様で新しい価値軸を発見する
というテーマに沿ってnoteを続けています。

UXに興味があって、最近はあらゆるユーザーの選択を、「機会」「経験」「価値観」のレイヤーで分析すると面白いことに気づいたので、今回はその話をします。


機会・経験・価値観レイヤーの定義

▶️機会
⇒表層化した経験。パッケージされたサービス全体。物理的なモノの購入。
例:留学に行く

▶️経験
⇒機会の中の複数の個別の体験の中で、ユーザーが強く惹かれる体験。
例:外国の人と日常会話する経験

▶️価値観
⇒ユーザー自身の根源的な欲求。その人が追い求めるライフスタイル。
例:英語が話せることで世界中と自由につながりたい

一般に、ユーザーは自分に必要な経験までは理解しているので、「自分にフィットする機会を直感的に選んでいる」と思います。
例えば、学生なら
①英語が話せるようになりたい
②外国人と話す経験がしたい(経験)
③留学に行きたい(機会)

という経験⇒機会を無意識に変換するプロセスを経て、留学を選択しているように思えます。

ここでいう経験の部分がマーケットでよく使われる「顧客ニーズ」のようなもので、留学が提供している価値(だと思われるもの)が「外国人のと話す経験」です。

だから顧客ニーズを抑えつつ、機会を多様化させることで一定規模のビジネスになります。
例えば、外国人と話す経験がニーズとしてあるなら、必ずしも留学しなくていいんじゃないか?ということでDMM英会話とかが留学の競合として売れるんだと思います。

他にも例を挙げると
①痩せて綺麗になりたい
②運動を続けたい(経験)
③パーソナルジムに通う(機会)
→機会レイヤーの競合として、近所のジョギング/youtubeのチャンネル/パーソナルヨガ/など

①生産的に過ごしたい
②短い移動時間がいい(経験)
③タクシーを予約するサービスを使う(機会)
→機会レイヤーの競合として、運転手を雇う/道でタクシーを拾う/自家用車の購入など。(タクシー会社ごとならブランディングの仕方によっても競合になる)

いわゆる顧客ニーズ < ゴールダイレクテッドデザイン

今のマーケティングは経験レイヤーへの注目が盛んで、「【機会】が【経験(顧客ニーズ)】を満たし、【経験】が【価値観】を満たす」というロジックが成り立っているように思えます。

ただ、そういった経験レイヤーへ注目した「いわゆる顧客ニーズ」に合わせて作られたプロダクトはすぐに競合優位性を失ってしまうかもしれません。

理由は2つ
①同じ経験レイヤーのニーズを満たす、同質なサービスを提供する競合が生まれやすいから
②ユーザーのゴール(=ライフスタイル=ありたい姿)に寄り添えていないから
です。

ユーザーのニーズの先にあるゴール(=価値観)を捉え、それに寄り添うようなUXを設計することをゴールダイレクテッドデザインといいます。

留学の例なら、「そもそもなぜ英語が話せるようになりたいのか?(=価値観)」を考えるイメージです。もしかしたら「就活で有利になるから」という短期的な焦りが先行していて、英語はそのための手段なだけかもしれない。

そうしたら、「(英語以外の)もともと持っている強み」の認知が大事なのであって、「内省セッション」とかを提案できる。

ふつうに留学を提供するより、留学と内省セッションを組み合わせてより留学の内容が充実するサービスになるかもしれない。
一定レベルの自己認知力と英語力を保証して、学生を企業にあっせんするサービスにしてもいいかもしれない。

その結果、今まで考えていなかった就活セグメントで優位を取れたり、もっと自社のサービスにお金を使ってくれるかもしれない。

価値観レイヤーの視点で見れば、もっと根源的なところにユーザーの欲しいものを見つけられる可能性が広がります。その結果、提案できるサービスの幅・質ともに広がっていきます。

価値観レイヤーの提案を

しかし、ユーザーは自身の価値観的なニーズについては自分で全然分かっていませんし、簡単には教えてくれません。
(そのため、安易に「【経験】が【価値観】を満たす」というロジックは使えないと思っています)

「そもそもなぜ英語が話せるようになりたいのか?」
「痩せてキレイになった先にある自分はなぜ善いのか?」
というところからすべて考えることができたら、悟りが開けます。

Why?から考えて自分に最適な手段を選ぶよりも、解決策(=経験)を提示してもらってなんとなく自分に合っていそうな選択肢を選ぶ方が楽ですよね。

だから、【価値観】のレイヤーからありたい姿に近づける計画を持つような【一連の経験】を編み、その経験を満たす複数のサービス(機会)を提供することが大切になっていきます。
そして、そのためには「ユーザーのライフゴール(ありたい姿)をいかに解像度高く捉えるか?」が重要です。

ここに関しては、ユーザーインタビューやデザイン思考が重要になってくると思いますが、まだまだ理解が浅いので勉強していきます!

今回はここまでになります!読んでいただきありがとうございます!

まとめ

・ユーザーの行動は「機会」「経験」「価値観」のレイヤーがあり、ユーザーは経験⇒機会の返還を無意識に行う
・しかし、経験⇒機会の解決策を提示しても競合優位性はとりにくい
・価値観レイヤーの視点をゴールダイレクテッドデザインといい、その視点ではサービスの幅も質も向上できる可能性がある

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?