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子どもは小さな言語学者!?言語習得のステップを療育目線で解説する

今週で令和5年度が終わります。
来週からは、
新しい学年、
新しい学校、
新しい職場、
新しい年度に挑むスタートです。

開幕戦に向けて、
英気を養う1週間にしましょう!


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


今週の「お品書き」です🎵

📘今週のLIBRARYのラインナップ📗

(2024.3.25~3.31)

📒→全員最後まで読める記事
📓→メンバー以外は途中まで読める記事

【月曜日】
📒子どもは小さな言語学者!?言語習得のステップを療育目線で解説する
【火曜日】
📓仕事の成功は「準備」が9割
【水曜日】
📓《仕事④》今週の1冊 from library
📒この世は鏡の法則なり!3月の紹介記事お返し特集!
【木曜日】
📓未来格差を埋めよう!今後の未来に起こりうる変革パターン3選
【金曜日】
📓《note論》そろそろフォロワー戦略を語る時がきた
📒愛の正体とは?言語×哲学×科学×授業で徹底解説!
【土曜日】
📓なぜこれが知られていないんだ!?右脳と左脳の機能の真髄
【日曜日】
📒コントロールできればADHD脳は武器になる!効果的な支援法

読みたい記事があれば、
是非、LIBRARYにお越しくださいね✨


かわいい、かわいい赤ちゃん。

たくさん赤ちゃんに語りかけていく内に、
気付けば言葉を発するようになり、
知らない内に、
凄い勢いでぐんぐん話すようになっていきます。

ただ、
様々な基準や、
言語の発達過程を知らなければ、

「うちの子どもは遅れているんじゃないだろうか?」

と不安になってしまうこともあるでしょう。

そこで、
この記事では、
生後から子どもが言語を獲得していく過程を、
子どもがどんなことを考えているのかを含めながら、解説していきます。

この記事だけでまとめきることはできませんが、大枠を示す記事として、全体像をつかむために役立てていただければと思います。

知っておけば、
いつか役立つこともあると思うので、
ぜひ、ご覧ください。



言語発達過程+獲得目安年齢

まずは、ざっくりとした、
言語の発達過程をお伝えします。

0~6歳の、
就学前の年齢までです。

あくまで子どもによって、
差が生じやすいことはご理解ください。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

【6~12ヶ月】
・2つのものを見比べる
・共通のものを指さしできる
・二音の反復的音声を発する
・簡単な身振りの模倣
・一定の事物に一定の音声が結びつく

【1歳】
・共通する特徴をもつグループの名称を言葉にする
 (四足動物 → ワーワなど)
・聞かれたものを指さしできる
・ワンワン・ニャーニャの区別

【2歳】(語彙数500~)
・多様な二語文を話す
・二次元的な認識の獲得(大小)
・「なんで?」が多くみられる
・名前・年齢・性別を獲得

【3歳】(語彙数1000~)
・経験を言葉で伝える
・質問を一般化して捉える

【4歳】(語彙数1500~)
・接続詞+複文で話す
・言葉が行動の自己調節機能として働く

【5・6歳】(2000語~)
・3個ワンセットに興味をもつ
(ジャンケン、信号)
・3次元の世界の形成
(過去・現在・未来)
・道順や経験を文脈を作って説明
・理屈を根拠にした説明

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

認識に関することを載せているのは、
言語獲得にとって、
認識をするという行為が、
必要不可欠なものだからです。

今度は、日本語の音を、
獲得していく年齢を見てみます。

「音」の獲得とは、
それを話すことが出来ることに加え、
発音ができる年齢の目安ということです、

これもあくまで目安。
個人差は必ずあります。

そして、
発音に注目し過ぎるのもよいとは言えません。

大事なのは、言葉の土台にある力。
それが1つ1つ形成されていけば、
言葉として表出していく。

そうやって、
言語がきちんと構築されることが、
発音発展の土台となります。

ここまでが、
簡単な全体像です。

今度は、
言語を構成する4つの柱についてです。


言語を構成する4つの柱

言語獲得を考える上で、
言語を構成する要素を4つに分けます。

それが、

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

■ 語彙
■ 文法
■ 音韻
■ コミュニケーション

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

です。

【語彙】

共同注意とは、
大人が指をさした対象を、
一緒に見ることができること。

三項関係の成立は、
犬を見た大人が「ワンワンだね」と言えば、
「ワンワン」と認識できることです。

言葉を発し始めてから、
50語頃から爆発的に伸びるようです。


【文法】

目安として、
二語文が2歳
三語文が3歳ぐらいでしょう。


【音韻】

語音弁別とは、
母国語の発音を聞き分ける力です。

胎児の時から言語は聴いているので、
幼少期の環境によって、
外国語を混じってしまうと、
混乱してしまうことが分かります。

「さかな」という言葉があった場合、
「ちゃーな」と発するのはことばの輪郭。
それが「たたな」のように、
3つの音があるという感覚に育っていきます。

これがですね。

音韻抽出は、

『「おにぎり」の2番目の音は何か』

といった具合に、抽出する力。

LDの子どもは、
これが決定的に弱いです。

連濁は、
「いちひき」を「いっぴき」、
「ごみはこ」を「ごみばこ」と、
特殊な形に変える力です。


【コミュニケーション】

社会的参照は、
お母さんの表情を見て、

「今は危険だ」
「リラックスできる」

などを読み取る力のことを言います。


ちいさい言語学者

ここからは、
子ども視点での言語獲得の世界について、です。

子どもは、
教えたことをそっくりそのまま吸収して、
それを繰り返して覚えていくのでしょうか。

上記の語彙のところでも記したように、
言葉には、
上位カテゴリーや、同意語であったり、
助詞といった文法の問題があります。

それらも大人がいちいち解説をして、
覚えさせていくのでしょうか。

よく、子どもの言語獲得の段階で、
あげられる間違いに、

「死む・死まない・死めば」

があります。

なぜ、子どもは皆、
共通してこのような間違いをするのか。

周囲でこういった、
間違える例を聞く機会はないはずなのに。

それは類推しているからです。

元々、ナ行の五段活用は、
日本語は「死ぬ」ただ1つ

よって、

「飲まない・読まない」

という活用と同じだと類推して、
活用していると言えます。

「おきさせる」

のような使役の場合もそうです。

それを使用し、
大人が間違いを指摘したり、
正しく使っている例を聞いたりして、
自分の仮説を微修正し、
自分の中に再認識していく
のです。

実は、子どもは一定の時期から、
教えたことをそのまま吸収しなくなります。

「このパターンでいけるはず」

言語の共通点を見つけ出し、
その規則を適用し、
表出して正誤を確かめ、
適宜修正していく。

教えてもらうよりも、
自分の力でルールを完成させたいという気持ちが勝つ。

これが、

「小さな言語学者」

と呼ばれる所以。

だからこそ、子どもの時期に、
大人との会話量をたくさんこなすことが、
非常に重要なのです。

この方法は、筆者が、
英語を学ぶ時に使っていた手法そのもの。

生まれながらにしてその能力を持っている、
子どもの力はやはり侮れないものがありますね。


言葉あそびキャリア

最後に言語を獲得する上で、
とても大切な遊びを分析しておきます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■しりとり
■なぞなぞ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

の2つです。

【しりとりキャリア】
・3歳→ねこを「ね/こ」を分けられない
・4歳→単語を拍で自覚的に区切り始める
・5歳~拍が一致していない言葉のやりとり

しりとりを始めることができるのは、
個人差はあれど、
大体4歳頃からのようです。

そして、

「でんしゃ」
「ジェットコースター」

などの拍の判断が難しいもの、
言葉の終わりの音韻抽出が難しいものを、
ゲームのやり取りの中で、
確認していきます。

しりとりは、
言語獲得において、
非常に重要なステップの1つ
と言えるでしょう。


【なぞなぞキャリア】

「大阪城を建てたのは誰か知ってる?」
「豊臣秀吉でしょ」
「ぶ~!大工さんでーす!」

こんなやり取りを、
小学生の頃にやったことはありませんか?

これは、
「建てる」という言葉の意味が、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

①実際に建築する作業に携わる
②建設することを命じ、お金を払う

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

という、
2つに分かれることを知っていなければ、
できない言葉遊びです。

通常の文脈で尋ねられる時は、
「命じてお金を払う方」
ということを予測した状態で、
敢えてそれを覆しているという、
非常に高度な言語遊びであると言えるでしょう。

もちろん、
このようななぞなぞができる年齢は、
大分上になりますが、
始まりは7歳頃に、
「心の理論」を理解し始めてからです。

要するに、

「相手の立場に立って物事を考えることができる」

というものですね。

だからこそ、7歳から、
間接的表現と言う、
言葉のウラと呼べる文脈を、
理解できるようになっていきます。

◇「ピーマン食べたくない!」
◆「じゃあ、まず他のおかずから食べなさい。」
◇「食べたよ。ごちそうさま。」
◆「ちょっと、ピーマンも一口は食べなさい。」
◇「え?ピーマンは食べなくてもいいって言ったじゃん!」

みたいな感じですね笑


まとめ

ここに書いてあることは、
個人差があります。

それでも、
明かな言語の遅れが見られたり、
年齢の目安のわりに発音が・・・
という状態であるならば、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

①自閉スペクトラム症
②知的発達症/表出性言語症、発達性発語失行、特異的言語発達遅滞
③聴覚障害

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

の可能性がある。

後は、
環境的な要因でそうなっているかです。

そういった部分は、
1歳6ヵ月児健診
3歳児検診などで相談し、
必要な場合は、
専門機関で療育を受けるようにするといいでしょう。

あせらず、
ゆったり構えながらも、
相談すべきときは相談する。

ここに書いてあることが、
少しでもお役に立つのならば幸いです。


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「コメント」も残してくださると有難いです!コメントを読んだ方々が、より教育についての知見が深めることができる図書館でありたいと思います。

いつもいつも、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます!


明日の記事は、

📓仕事の成功は「準備」が9割

です。

ここ最近、

「どうやってこのペースで記事を書いているのか」

という質問をされることが何回かありました。
筆者の仕事のペースは、
おそらく「準備」という考えに対し、
普通とは違う考え方をしているからだと思います。
その部分を、明日、できるだけ公開します。

是非、楽しみにしていてください🎵

皆さんの今日・明日がよき1日でありますように😊


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