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ザ・ノンフィクションの秋山木工さんの回を見て思ったこと

先日、ザ・ノンフィクション4月9日放送
ボクらの丁稚物語 2023 前編
~泣き虫同期の6年~
見逃し配信を観た。

横浜市にある家具製作会社「秋山木工」の
家具職人として一流になるための丁稚制度から
職人に昇格したり、技術五輪に挑戦する話など
年月をかけて取材したドキュメンタリー。

数年前にも秋山木工さんの丁稚制度は
パワハラだとかブラック企業だと話題になり
その時にもみたけど、
私自身、宮大工の鵤工舎の徒弟制度に
感化されているからか、
ただただ秋山さんはそういう修業なんだと
思っただけで賛否があるわけではない。
料理や美容師やスポーツ選手なども
中にいると当たり前だったりするだろう。

しかし。労働基準法とか外野からみたら
ブラックなのかもしれないとは思うし
自分が同じような育成方法をするかというと
全然違うやり方をすると思う。
なぜなら自分が見習い中にとても苦しくて
気に病んだからだ。厳しいだけでは病む。

秋山木工さんは年々新規の丁稚さんが減少し
2022年は新規は0で辞めた人もいるため
3人のみということ。

これをみたら秋山木工さんの丁稚制度が悪く
秋山木工さんに来ないと捉えるのが普通だけど
一般的にも家具職人になりたい若い人は減少。
私の知人も若い家具職人さん探しているけど
なかなかこないしすぐ辞めることをよく聞く。

私が20年ほど前に家具職人になりたくて
木工所にアタックしていた頃
私『給料いらないから修業したいです』
木工所『そういう男性がたくさんくるから
あえて女の子のアンタを選ぶ理由がない』
と今なら無給・性差別が問題視される
断られ方をするほど家具職人になりたい人は
比較的多かった。

ノンフィクションの中でも数年前までは
倍率が高く、丁稚も狭き門だったと窺えた。
時代は流れ、なりたいと思う人が減り
高齢化して閉める木工所もある。

やり方はその企業ごとに違うから
口出しはしないけども
気になったのが秋山木工さんでは
丁稚さんが技能五輪に出る風習。
その長年の風習記録をリセットしたのが
前回の放送で密着していた彼。
社長からでる権利を与えられなかった。

また再度挑戦するために先輩にサポートされ
頑張っていたけど全国大会には行かなかった。

物語はきちんとあるが、簡潔に書くと、
修業はしたいが技能五輪は出たくない。
もう少しで職人昇格だったけど退社した。

気持ちわかる。

試験と仕事は違う。
試験は得意でも仕事できない人、
仕事は出来るが試験は向いてない人がいる。
練習は上手くても本番で失敗する人がいる。

技能五輪で結果出すのが一流というルール。
それは間違いではないと思うけど技術以外に
メンタル的にどうしても無理な場合がある。
過度なあがり症や不安神経症
受験ノイローゼというものもある。

これは全く違うレベルで申し訳ないけど
私はインテリアコーディネーターの二次試験の
製図がどう頑張っても試験時間内に描けない。
毎朝毎朝2時間半〜模写しても描けない。
制限時間内というルールに添えないから
受験する資格がないけど描くのは好き。

特にインテリアコーディネーターの二次試験は
手描きの製図だから現代の実務で全く使わない
すると…費やす時間ももったいないし
必要なくない?と邪念が生まれて悪循環に。
(資格は仕事に対する心構えや
 お客様の信頼の証明でもあるのは承知)

試験は苦手でも仕事は得意な人もいる。
でもルールや基準がある限りは出来ない方が
諦めるしかない。それがその場の条件だから。
もちろんその彼は技能五輪だけが理由ではない
ただ、向き不向きがあるという事。
さっきもかいたけど不安神経症や勉強鬱もある

っと話が私の手描き製図スキルが低い言い訳に
すり替わってしまったけども
私は適材適所で得意を活かして技術を磨き、
人の役に立つのが木工の魅力でもあると考え
機転がきき、人一倍助手力が高い人もいる。
きっと一件目で評価されなかったとしても
ピッタリはまるところもあるはず。

まだ自分が未熟なうちに新人指導するのは
精神的にも難しいしうまくいきにくい。
自分の居場所がまだ確立されていないのに
追い抜かれたらどうしようとなると
ピリピリしてしまうし優しくできない。
すでにゆとりがある人が教えることが
新人が成長できるのではないかと
自分自身が今歳を重ねて教えて実感する。

そうはいっても秋山木工さんは
このやり方で一流の職人を育て
一流の仕事で技術も高いと評価されている
から歴代は間違えてはいないのだろう。
木工業界を覗き見すると勉強になるし
後半をまた見逃し配信で観ようと思う。

その後、Instagramをみたら
新人研修の様子がアップされてました。
甘酸っぱくて懐かしい思いになったし
こうやって働きながら座学など含め
みっちり研修制度があるのは
当時の私にとってはうらやましく思うし
雑念捨てて集中できるって素晴らしい。

あとこれは今回のことではなく、
前からずっと違和感があることだけど
親を大事にするのが大切なのはわかるが
ヤングケアラーを美談にしたり
稀にいる尊敬できない親に対しても
親孝行と感謝を押し付けるのは精神的に病む。
親を敬えない自分を責めるし苦しい。
教えは正しくてもいろんな家族の形があるし
誰もが自分の家族構成と同じと思ってはダメ。
悩みを理解し解放してあげるケアも大事だ。
(まあそんな複雑な家族関係のある子は
採用しないから堂々と掲げるとは思うけど…)

個人的には家具職人になりたい当時、
移住して修業に没頭するお金がなくて諦めた
現・森林たくみ塾のノンフィクションが観たい

※後半を見ての追記

後半はなんだか無口な食事風景や
仕事中に焦っておどおどしてしまうこと、
性格的な部分の指摘に関して
自分のことにもかぶって感情移入して
ずっと胸につまり涙をこらえていました。

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