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演奏時のブレス・呼吸の重要性と、良いブレスの習得・練習方法について(すべての楽器奏者の方へ)

はじめに


管楽器奏者は言うまでもなく、全ての楽器の演奏家にとって、演奏時に、まずは呼吸、そして何よりも呼吸ありきであるという重要性には、なかなか気づくまでに時間がかかるかもしれません。

演奏者の発する一音一音は、呼吸のサイクルのある一瞬で、実際に音を出す前にも関わらず、もうすでに決定されています。それぐらい重要なファクターである呼吸を見直すことで、楽器の技術向上はもちろん、特にジャズミュージシャンであれば、即興演奏・アドリブを演奏するにおいても、また、本番でのプレッシャーやメンタルの強化についても、劇的に素晴らしく変わることが多々あります。

というわけで、今回はこのトピックで、なるべくシンプルに焦点を絞って書いてみます。もしかしたら、今回の内容は、呼吸が演奏に一見直結していないように思われるような、管楽器奏者以外の演奏者の方々にとっての方が、多くの気づきを得てもらえる内容かもしれません。

もし、早く上達したい、行き詰まっている、上達に伸び悩んでいる…など、モヤモヤを抱えられていらっしゃる方は、ぜひ、下記をお読みいただき、呼吸のトレーニングをできるだけ毎日トライされてみるをオススメします♪
楽器を必要としないので、一日のどこかで10-15分ほどどこかで時間を割けると良いですね。私は毎朝行っていますよ。
(呼吸の練習方法に関してはレッスンでもとても時間を割いてお伝えしているので、一部を有料記事にさせていただきました。皆さん劇的に変わられます。)


良いブレスがもたらしてくれるメリットについては、端的にまとめると、

・フィジカル面
 効率的な呼吸法を身につけることで、演奏技術そのものが向上する。
・メンタル面
 気持ちを落ち着かせ緊張感を取り除き、リラックスして演奏できる。

心と体は切り離せないもの。呼吸をしっかりコントロールすることは、フィジカル・メンタルの両面から、よりよい演奏をもたらしてくれます。
ちなみに、そもそもの演奏以前に、身体的効果としてたくさん良いことがありますね。自律神経が整い、血流が良くなる、新陳代謝が向上し、内臓機能やインナーマッスルが強化され、脂肪燃焼効率アップして、、etc、健康にもよく、ダイエット効果も期待できますね!

呼吸の効果的な練習方法について

  1. よい呼吸のための基本的な練習法

  2. ハミングを使った呼吸の練習
    音の響きを理解することは、楽器の響きを理解することにもつながります。

  3. 吸う息と吐く息の切れ目を意識した呼吸の練習
    出音に意識を集中することを学びます。(管楽器以外の楽器奏者の方々に特にとても有益なトピックのようにも思います)内なる音を聴くための呼吸のサイクル。

  4. リップロールを使った呼吸
    呼吸のスピードと安定感についての理解を深める。息を吐く間の意識について。

  5. イメージトレーニング・瞑想のススメ
    心を落ち着けてリラックスした呼吸を繰り返しながら同時にイメージトレーニングができると、それは、メンタルの安定と強化、つまり、良い演奏へとつながります。

  6. まとめ
    上記を毎日続けることでもたらされるプラスの効果、そして、本番で良いパフォーマンスをするために、また、向上し続けるために必要なことについて。


①良い呼吸のための基本的な練習法

息をたくさん吸うために、できるだけたくさん息を吐く、というところからトレーニングしてみましょう。まずはこれ以上吐ききれないところまで息を吐いて、その気圧の変化と反動で身体の中に、直接、自然に息が入ってくることを感じましょう。

息を吐いているときに、丹田を意識できて、腹斜筋が外に開くような感じと共に、体内の息がなくなるということは、下腹部が自然と凹んでいくのではないでしょうか。ここでは無理に凹まそうとしないで、リラックスして丹田に意識を集中することが大切です。
可能な限り息を吐き切って力を抜いたときに、気圧の低い体内に自然に息が流れ込んでくるような感覚、それを目一杯受け入れるために身体が反応する、特に腹部と背中、肺に空気が満たされるような感覚が得られると理想的かと思います。息が入るので、お腹や胸、背中は膨らむと思いますが、この時に、肩を無理に上げたり、背中を曲げたり、逆に反ったりしないように気をつけてください(横隔膜の動きについては、目に見えなくて意識しづらいので、ここでは省きます。)この反動を利用して大きく息を吸ってみましょう。

息を吐く時に、丹田に意識を向ける感覚が掴めない人は、お腹に手を当てて「ハイ」と言ってみましょう。お腹が動くのではないでしょうか。その動きを持続させるために「ハーイ」と伸ばしてみましょう。この時に息が吐かれる時にお腹に力が無意識に入る感覚を掴んでください。

8-10回ほど、ゆっくり落ち着いて呼吸してみましょう。

②ハミングを使った呼吸の練習

①の呼吸で大きく息を吸ったら、次はゆっくりと、蚊や蜂が飛ぶ時の羽音のような「ブーン」と言う音のような感じで、ハミングの音を出してみましょう。音の高さは高すぎず、低すぎず、自分にとって最適な音の高さで大丈夫です。音の長さも無理のない、自分にとって心地よい範囲で、慣れたら少し長く伸ばしてみましょう。
意識をしていただきたいのは、この時に頭蓋骨が心地よく響くこと、そして、胸に手を当ててみて、

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