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映画『ビフォア・ミッドナイト』(2013)

ビフォア三部作最後。1995年に出会った2人は41歳。今度の舞台はギリシャ。どういう風になっているのかネタバレになりそうなことは書かない。説明ゼリフではなくて、パリの再会はあれからどうなったか、2人の関係はどうなのか、見事に映画中で明らかになっていくのでお楽しみに。2作目もそうだったけれど、とても設定がしっくりくる。

相変わらずの2人の会話。下ネタも交えた素早いやりとり。息がぴったり、というか堂に入っている。聞いているほうも気持ちがいい。(喧嘩をしていないときは)この2人は頭の回転やセンスがかみ合っている。そんな人と会話を交わすのは快感だ。

今回のポイントは喧嘩。せっかく2人っきりで楽しく時間を過ごせることになったのに、女が溜めていた不満をねちねちとぶちまける。ああああーやりがち。このセリーヌは頭が良くて、時々素直じゃない。それが男を翻弄してかわいいこともあるけど、今回はタチが悪い。それをジェシーがいなす。我慢強くて、ユーモアがあって優しい。チャーミング。(ギリシャの街を散歩しているとき、ジェシーのシャツが、右半分ズボンに入っていて、左半分が出しっ放しだったので、抜けててかわいい。入れるかしまうかどっちかにしよ?)1作目で頭が悪いと思っていたジェシーは、老けたけどとっても素敵な男性になっている。わたしはすっごい好きだけど?セリーヌ、もうちょい優しくしてあげて!!!

ここで、YouTubeにRhymestar宇多丸さんの映画批評が落ちていたので聞いてみた。「回を重ねるごとに1作目の重みを増す映画」とのこと。同じシチュエーションで変わるもの、変わらないもの。そして1作目から通じているキーワード、登場人物の癖、など。そして繋がる1作目の最初のシーン。(続きを撮る予定ではなかったはずなのに)映画ってすごい。

この映画は9年ごとに2作目、3作目が出てきたそう。50歳になった2人が見たい。リアルタイムで映画館の公開に臨みたい。ラブストーリーを超えて、人生そのものの傑作シリーズとして輝いてほしい。ストーリーがすごかった。そしてすごい演技だった。いつか監督(見知らぬ女の子と恋に落ちるのは彼の経験だったそう)とジュリーと、そしてイーサンに「あなたたち本当にすごいよーーー!ありがとうー!素晴らしい作品だよ」と伝えたい。

映画13 ビフォア・ミッドナイト(2013)

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