母にハグをした日。

2019年の奈良旅行。母との一番新しいツーショット。

【きっかけ】

母にハグをしようと思いついたのは、年末年始にかけて帰省したあとだった。
「時間見てなるべく帰ってきてね」
と妹と私を送り出した母。

そんな弱気な言葉は母から聞いたことがなかった。

2019年の床上浸水、そして、母の認識では車のブレーキが効かないことによる車全損及び運転を辞める決断による喪失感。それに加え、コロナ禍で以前のように友達と集まったり出来ない、東京や旅行に行けない状態がある。

常に減らず口を叩き、気丈な母でも、心細く感じたのだろう。

「こんなに背が低かったっけ? こんなに肩狭かったっけ?」

その瞬間、私の主観では親子の立場が逆転したと実感したのだった。

私のスイッチが入り、
「どうしたら母に安心して幸せに日々を過ごしてもらえるだろう?」
と考えはじめた。

【逡巡する想い】

幾つか浮かんだアイディアの1つが、"ハグをする"であった。

人の温かさを感じられるボディタッチやスキンシップは絶対に良い。

私自身もハグされると肩の力が抜けるし、ストレスが10%は減る気がする←データありそう。

「今度帰省する際に実行しよう!」
心に決めたが、かなーり抵抗がある。

留学してた時は男女関係なく普通にハグしてたし、今もコーチ仲間とはハグすることも多い。泣いてる人が居るとハグを自然にする。

しかし、母とですか?

赤ちゃんの頃は抱っこされてたであろうが、物心ついてから、ハグされた記憶もない。手を繋いだ記憶も幼稚園位まで。

考えただけで、脂汗が出てくる。

照れくさいし、拒否られたらどうしよう?と起こってもないことに対して不安を抱く。

【リサーチしてみた】

でも、ハグはいいはず。これだけは確信がある。
そこで、周りにリサーチしてみた。

親とのハグを実施しているケースは2例。

1人は、年老いた親が立ち上がったり、洋服を着替える時に手を貸す際に自然にハグするようになったそうだ。安心しきった笑顔を見せてくれるのこと。

もう1人は、帰省の際等に手を広げるとハグしに寄ってきてくれるとのこと。

他の人達、合計で10人程に聞いただろうか。

「ありえな~い!」や若干悲鳴混じりの反応がほとんど。やはり、私と同じように照れくさいのか、考えもつかないのか。

私が参考に出来るコツはみつからなかったので、こんな本↓も買ってみた(笑)。

「ありのままでいいよ」が一瞬で伝わる ハグする習慣――こんなに近くにいるのに気持ちが伝わらないのはなぜ? 「大切な人、そして自分をハグ」

慣れない者同士の場合は、まずは手を広げて笑顔を浮かべよう、とのこと。

うーむ、リサーチ2人目のパターンかぁ。自然に寄ってきてくれるか?

まずは自分の背中を押すために、次回の帰省時に実行するとコーチ仲間の前で宣言してみた。

【Xデー】

そして、この土曜から二泊三日で帰省した。母は認識してなかったと思うが、いつもとは異なる心持ちの滞在。折に触れて「どうやって実行するか?」と策を練ってた。まるで、次回のデートでキスをしようと計画をする男子学生のような気分😆。

Xデーを東京に戻るために実家を離れる瞬間にすることだけは決めたが、特に良策は思い浮かばないまま。

実家を出るほんの30分前頃に

「今さ、ハグの練習してるの」
「ハグ?」
「ほら、こういう、外人みたいなやつ」
「ああ。そういうの。なるほどね〜。今はそういうのも必要なのね」

今どきは仕事で必要なのだと納得したらしい🤣。
「お母さん相手に練習させて。玄関出るときに」
「いいわよ。私達の時代にはそういうの全然無かったけど」

特に説明は要らなかった。

そして、駅に向かうために迎えに来たタクシーに乗り込む時に
「お母さん、あれ」
と腕を広げてハグをしたら、身を固くすることはなく、向こうからも手を回してくれた。

案ずるより産むがやすしだったし、やはり良いものだと思った。

これから、習慣にしよう。
ここで宣言することで、自分に強制力を働かす。

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