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体の声・心の声

自分の声、体の声、心の声(本音)を聞いているようでちゃんと聞いていなかったなぁと最近気づくことがありました。
聞いているフリして、思考で「こうだから」と決めつけてしまっていたり、逆に「なんでこう感じるの?ねえ、なんで?このモヤモヤは何?どこからくるの?どうしてモヤモヤ感じるの?もしかして〇〇と感じたから?そうだよね?」と自分を質問攻めにしていたり。汗。
これ、一見自分の声を聞こうとしているようで、何か答えを期待して心や体からの返事を迫っていますよね。これでは、真に自分の体や心に耳を傾けているとは言えないなぁと思いました。

私たちの心と体は、私たちにいろいろなメッセージを送ってくれています。「不調やストレスを感じる」ということは、「あなたの中の何かがうまくいっていない」ということです。自分の価値観と合っていないがために「苦しい」とか「辛い」と感じますよね。

先日医療相談の仕事をしていると、「この痛みは〇〇の病気じゃないかと心配で・・・」というご相談を受けました。伺ってみると、すでに検査を十分に受け、異常はないと言われているにも関わらず、それでも不安でご相談にいらっしゃっていました。このような場合、患者さんは「痛み」を自覚したからこそ、医療機関を受診し、各種検査を受けられていますので、体からのメッセージ「痛み」を無視せずにきちんと聞いて、それに従って行動していますね。これはとても良いことですが、精査の結果「異常なし」となってもなお、「〇〇の病気ではないか」と心配されて、「本当は〇〇の病気なんじゃないか」と疑っていてはキリがなくなくなってしまいます。ただ実際に「痛み」があるので、いくら「異常なしです」と言われても、その症状が消えたわけではないので、心配が募るのは当然です。こんなときは、身体的な異常は検査では見つからなかったので、別の角度からアプローチする必要があるのですが、この患者さんを通じて感じたこと、それは、体からの痛みのメッセージをちゃんと聞いている、それを真摯に受け止めてはいるのですが、残念ながらそのメッセージを「〇〇の病気ではないか」と頭で決めつけてしまっているということです。つまり体からの訴えを聞いているようでいて、実は勝手に「これ」と決めつけて、純粋に訴えを聞いていない状態なのではないかと。

実は、私自身にもまったく同じようなことがありました。先日ママ友と会ってモヤモヤした時のことです。私は日頃から自分の心や体の声に耳を傾けるということを大切に思っているので、すぐこのモヤモヤを感知して、この感情は無視しないで少し立ち止まった方がいいなと思いました。そして、「どうしてモヤモヤ感じたのかな?〇〇だから?それとも〇〇ということ?落ち込んで当たり前だから、モヤモヤするのは当然だよね。」と頭の中(思考の中)で次々と会話が繰り広げられていきました。
が、気づくとこれは、思考が勝手におしゃべりしているだけで、私の心からの声ではありませんでした。これでは、まるで心の声を無視しているのと同じだなと思いました。

「心や体の声を聞く」というのは、「なんでそうなったの?」「なんでそう感じるの?」「なんで調子がおかしいの?」と質問攻めにすることではなく、静かに心や体に耳を傾けることです。
「聞く」と言ってしまうと、「体の声聞いて、ちゃんと検査してるじゃん!」「心の声聞いて、どうしたの?って聞いているよ!」となってしまいます。だから、ニュアンスとしては、「聞く」より「耳を傾ける」つまり「傾聴」の方が真の意味での「心や体の声を聴く」ということなんじゃないかと思います。

もし検査など受けても異常なしと言われ、それでも症状があって心配になるとき。一度その体の部位に優しく手を当て、体の真のメッセージを聞いてみてください。そこからどんなメッセージが受け取れますか?あなたの体や心はあなたに注意を向けてほしいと思っているのかもしれません。

あなたの親友が同じ状況にあったら、あなたはどのように対応しますか?
何か苦しい状況にあるとき、辛い状況にあるとき、どのように接しますか?
私だったら、そんな辛そうにしている親友を見て、まず質問攻めにすることはないでしょう。その友人の苦しみが痛いほどわかるからこそ、ただそっと隣に寄り添い、相手が話したくなるまで待つと思います。

まさにこの姿勢こそが、私たち自身、私たちの心や体に対しても必要なのだと思います。

「私の声を聴く」というのは、単に「痛み」や「疲れ」「だるさ」などを自覚するのではなく、そこから一歩自分に寄り添ってその体の部分が感じている声に耳を傾けることです。肩に痛みを感じ、手で触れて肩の筋肉の硬さを感じるのであれば、「ああ、肩に力が入っていたな。一生懸命頑張ろうと知らず知らずのうちに力んでいたのかな。」と肩がいかに緊張していたかが、わかります。そうすれば、解決法が自然と浮かんできますね。

私はこうして、改めて「私の声を聴く」「心と体の声を聴く」について考えました。いかに自分が自分に優しく寄り添っていなかったかもわかりました。
自分自身に対しても思いやり、セルフコンパッションを持って接していきたいと思います。「大切な私を労ってほしい」というのが、心と体からの一番のメッセージなのかもしれません。




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