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外国人留学生と学生支援緊急給付金

学生支援緊急給付金について物議を醸している。外国人留学生には「成績優秀者」が新たな条件となっているからだ。加えて1か月の出席率も8割以上必要。

勤務先の日本語学校でも、これにのっとって、募集があった。クラスで1名のみの推薦で、学内選考会を経て最終的に決定となる見込みだ。

本日の新聞記事にも、アルバイトできない留学生が食べ物にも困り、留学生ホームレスが出てくるのではないかという懸念の声が掲載されていた。

日頃から、留学生たちと接している私は、多くの学生たちがあまり食事を取っていないことに驚く。聞けば、1日食費は∼円までと決めてそれを厳しく守っているのだとか。朝は何も食べずに、学校の10分の休み時間に、おにぎりやら、パンやらを慌てて口に押し込んで終わり。夜までおなかがすいても我慢。中には、好きなものを好きなだけという恵まれた学生がいないわけではないが、大体が、10分間休み時間・命!状態でその日その日を生きている。20代の学生が多いけれど、いくら若くても不摂生な生活を続けていれば、体調を崩すのは自明の理。コロナ禍の昨今、より心配だ。

留学生たちは、数ある外国の中から「日本」という国を選び、やって来た。日本で働きたいという学生もいれば、進学して専門知識をしっかり身につけ、帰国後、その知識を母国の為いかんなく発揮したいと考えている学生もいる。いずれにしても留学生たちは今、弱い立場にありながら、各自が必死になって学んでいる。それを国は、成績が足りないからと言って、一方的に切り捨ててもいいのだろうか。

そんな中、京都大学や京都市立芸術大学などは、留学生の成績や出席率に関係なく、日本人学生と同様に経済的な困窮度で申請できるようにするそうだ。これらの大学の英断に拍手を送りたい。

今後は、こういった大学や高等教育機関が、同様の取り組みを支持・実行してくれることを切に望む。

「あのコロナで大変だったとき、日本という国は自分たちを助けてくれた。なんと温かいことか。もらった恩を、今度は別の形にして恩返ししていきたい」と思ってくれる留学生を1人でも増やすことが、これからの日本の将来にかかってくるのではないだろうか。強く思う。

参考 朝日新聞6月4日朝刊 「給付金 留学生の憤り」


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