私の家の近くに、ペットショップがある。

このペットショップは、いつも通うフィットネスクラブの通り道にあるので、筋トレ帰りに、よく立ち寄る。

様々な種類の子犬や子猫が、ガラスケースに入れられているのだが、ある日、一匹のメスの柴犬を見つけた。

目が丸くて、黒目がキラキラ。顔立ちが優しく、耳の形もとってもきれい。よく見る薄茶色の柴犬とは違い、体の色は白っぽい。足の肉球は、小さく盛り上がっていて、肉球スタンプにでもしたら、きっと愛らしい足形になるだろう。

この柴犬の名前は「みどりちゃん」。お客さんがなぜかこう呼ぶので、名前が付いたそうだ。なんか女の子の名前みたいだけれど、とにかく「みどりちゃん」は私を癒してくれる。見ていると、幸せホルモン「オキシトシン」がたっぷり出ているのが、自分で感じられるのだ。

この幸せなひととき！

でも、でも。

いつものように、筋トレ帰りに立ち寄ってみた。・・・が、「みどりちゃん」がいない。いつもの場所には、お気に入りのおもちゃと犬用トイレのみ。

場所が変わったかと思い、店内に入って密かに探してみたけれど、やっぱりいない。私は彼女のことを、店員さんに尋ねることはしなかった。というか、尋ねる勇気がなかったのだ。

「みどりちゃん」はきっと、親切な飼い主と巡り合って、今は新しい家族と幸せに楽しい毎日を過ごしている・・・と強く、信じていたいから。

これ以外の状況は、あまり考えたくない・・・

Dear　みどりちゃん　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　誰もに愛されるみどりちゃんだから、きっと、明るく楽しい日々を過ごしていることでしょう。短い間だったけど、ありがとう！出会えて嬉しかったよ。また、いつかどこかで会えたらいいね。元気でね。

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