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いつかのメリークリスマスの歌詞の世界

ちょっと時期遅れになりましたが、「いつメリ」の歌詞の世界について語っていきたいと思います。

いつかのメリークリスマスは失恋ソング?

クリスマスシーズンになると、流れてくる曲、いつかのメリークリスマス、略して「いつメリ」。
B'zファンの間でも人気の高い曲です。
私、実はつい最近まで「いつメリ」はあまり好きではありませんでした。
なんとなく、失恋の未練を引きずっている歌のように感じて。
ちょっとなあ~と敬遠してたんですね。
でも、2021年の冬にアルバム「FriendsⅢ」が発売されて、その中に入っている「いつメリ」を聞いたところ本当に今更ですが、その良さに気付いたんですよ。
これは私がただただ歳を取ったから感じ取れるものが変わったのか・・・。
ようやく、この心境に辿りつけたのか・・・。
とにかく「いつメリ」の良さについて語っていきたいと思います。

いつかのメリークリスマスのプレゼントは椅子じゃないとダメなんだ

いつかのメリークリスマスの歌詞を見ていくと、登場するのは
『君の欲しがった椅子を買った』という言葉です。
クリスマスプレゼントなのに、ネックレスとか指輪とかそういったものじゃなくて、椅子というのが非常に印象的ですよね。
しかもこの椅子、買った後は『荷物抱え電車の中1人で幸せだった。』となっています。
つまり、椅子を抱えて電車に乗っているんですよね。
私が住んでいる田舎では電車は混むことは稀ですが、東京などでは椅子を持って電車に乗るって結構な勇気が必要な行為ではないの?と思うんですよ。
でもこの「椅子」っていうキーワードがインパクトを与えると共に、誰かのためにプレゼントを買ってそれを持って帰宅するという幸福感を想像できませんか?
喜ぶかな?きっと喜ぶよね、欲しいって言ってたもん、という気持ちを抱えてワクワクしながら持って行くんですよね。
しかも、椅子だから隠しておく場所もないので、クリスマス当日に閉店間際に買い、彼女に会いに行く。
この行動すべてが「ああ、若い・・・。」と感じさせてくれるエピソードなんですよね。

いつかのメリークリスマスは色あせている

そんなエピソードを終えて、曲は1メロに突入します。
ここでこの椅子を買ったエピソードは過去のことなんだ、と分かるんですね。
『喜びも悲しみも全部分かち合う日が来ること 想って微笑みあっている』
そんないつかのメリークリスマスを思い出しているんだ、と。
そしてそれはもう色あせているんだということも。
この「色あせた」と一言入れることで、この時の幸せはもう今はないんだと気付かせてくれるんです。
なのでクリスマスの曲なのに、どこか切なさまで感じてしまう曲になっているんですよね。

日常的なシーンが重なり合う

そして2サビです。
ここでは椅子を抱えて彼女に見せた時のことを歌っています。
欲しがってた椅子を彼女に誇らしげに見せると彼女もすごく喜んで、そして幸せ!というのがバンバンに訴えてきてくれる部分ですよね。
『素直に君を抱きしめた』という一言があることで、とっても純粋な毎日だったんだと思うんですよ。
しかも彼女は夕飯を作っている最中。
きっとクリスマスディナーを作っているのでしょう。
なんという幸せなクリスマス。
そんなクリスマスを「いつかのメリークリスマス」と振り返っている、それがこの曲の切なさの全てです。

大切なことに気付く

私は、ずっと「いつメリ」は失恋ソングだと思ってたんですよね。
でも最近では別に失恋ではないんじゃないの?と思うようになってきました。
というのも、2メロから最後までの歌詞に全てが詰まっています。
『何もかもがきらめいて』いたいつかのメリークリスマスは失った過去ではありますが、彼女との失恋には繋がらないんじゃないかと思うんですよね。
なぜなら、『君がいなくなることを初めて怖いと思った。』という部分と『人を愛すると言うことに気がついた』という部分があるからです。
とても大切な存在の彼女はこれからも失ってはいけない、と気付いてしまった。
それほど自分にとって彼女は特別な存在になってしまった。

それは、『離れることはないと言った後で急に僕は何故だかわからず泣いた』という部分にかかっていくんだと思います。
泣いてしまうほどに大切な存在だからこそ、「もし失ってしまったら」と考えてしまっただけで悲しくなってしまった。
それほど大切な存在なんだよ、という愛の告白ですよね。

そして想いは続いて行く

最後の最後の部分では、「いつかのクリスマス」を振り返っている自分のそばを違う誰かが嬉しそうな顔をしながら荷物を抱えて帰っていく、となっています。
自分の中で光り輝いていたクリスマスをこれから経験するであろう誰か。
名前も知らない誰かではありますが、同じ想いがこうやって続いて行く素敵な日、それがクリスマスなんだなあ・・・とようやく気付きました、私が(^^;
こんなにも素敵な歌だったのに今まで「ちょっと苦手」なんて思っててごめんなさいです(笑)。
『好き!』という真っすぐな気持ちと「もし失ったらどうしよう。」というネガティブな気持ち。
その二つともがすごくリアルに感じられる素敵な愛の歌なんだなあと、今更想いました。
是非、一度じっくりいかがでしょうか?





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