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自分しか知らない世界について発信と表現をする大切さ

『透明人間 Invisible Mom』山本美里 写真・文


「お母さんがお願いします」の一声で、
この世界の大半の問題は解決できるように出来ている。


この一文を読んで、本当にそうだ!
と、すごく納得しました。


今回は、stand.fmの私のラジオでも、お話ししました。(なんじゃらほいラジオ)


「医療的ケア児」という言葉を聞く事も増えてきた昨今。


医療的ケア児とは、

日常生活を送る上で医療的なケアと医療機器を必要とする 子どものことである。 ケアとは具体的に、身体に気管切開部がある、人工呼吸器 を装着している、痰の吸引が欠かせない、在宅酸素療法を受けている、胃や腸などから経管栄養を受けている、などがある。

とのことです。


もちろん私も、言語聴覚士として、医療的ケア児と関わる事があります。


しかし、著者の山本さんの様に、学校にお母さんも毎日下校まで付き添わないといけない地域があることや、スクールバスにも乗せてもらえないという状況があるとは知りませんでした。


山本さんは、特別支援学校の中でも、本当に少数派であるご自身の状況を、写真という表現方法を使って、作品として完成させる事で、誰も知らない世界の事を教えてくれました。


必要な時以外、お母さんは気配を消していてください。


そう言われて、毎日毎日何時間も、学校で過ごす山本さん。


この誰も知らない世界を、お母さんが担う事で、誰も知らない世界は、ますます誰も気づかない世界になっていくんだなと感じました。


同じ「お母さん」の立場である私も知らないし、気づきませんでした。



ユーモアを交えながら、でも確信をついてくる写真と文章。

かっこいい!と、ページをめくるたび感動しました。


この誰も知らない世界にいる、透明人間のお母さん達の事を、今回作品を通して知る事ができて良かったです。


記事にしたり、講演をする事でも、この世界を知る事が出来るかもしれないけど、

そこに居る人達の想いを1つの形にするという、「作品」であるからこそ、山本美里さんだから表現できる強く残るメッセージになるのだと感じました。


どんな人でも、どんな形でも、自分自身を表現することは、自分を生きるということ。

自分しか知らない世界を発信し、表現することは、そこに生きている自分を見つけてもらえるということ。


私も自分自身を表現し、自分を精一杯生きて、楽しみたいなと思います。

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