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なぜ勉強にご褒美をあげると成績が下がるのか

子どもが勉強しません。どうしたらいいでしょうか。
本当によく聞く疑問です。

親御さんに聞くと、褒めたり叱ったり、ご褒美を与えたり、罰を与えたりと試行錯誤しているようです。
一方で、東大生の友人には「親から勉強しろと言われたことが一度もない……」などと言っている人が多く、この差はなんなんだろう? と思っていました。

実は、この話は教育学でも話題になります。

研究者の中には、「ご褒美や褒めで勉強させるのは問題である」という人がいます。「モチベーション」が成績と関連することは、よく知られていますが、問題は、その種類にあるようです。

内発的動機付けと外発的動機づけ

モチベーションには、外発的なものと内発的なものがあります。

お菓子や小遣いのような「ご褒美」、または褒めたり叱ったり、大人が学習者に具体的な報酬を与えることを、外発的動機づけExtrinsic Motivation と呼びます。外側から与えた何かによって勉強のモチベーションとすることです。

長年、教育現場で使われてきましたが、これは近年、長期的に見ると有害であると言われています。以下はDevという人の1997年の論文の翻訳です。

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