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技能実習生と私たち日本の労働者

人不足ではない産業はどこかにあるのでしょうか?私は労働組合の専従になったとき色々な業種の人と仲良くなりました。最近会えばうちも人手不足で••との声です。実際に技能実習生を導入する職場が急速に増えています。ある意味悪名高き技能実習生制度。問題の本質はどこにあるんでしょうか?

日本の若者失業者は少ない

日本という国はもちろん職によってかなりの差がありますが完全に失業している若い世代はごく少数派です。もちろん皆さん様々な問題を抱えていますが選ばなければ仕事だけはあるというのもまた事実です。もちろんブラック企業対策は必要です。今回はその問題と切り離して考えます。

純粋だった若き異国の労働者

私の会社も昨年から部署によってですが技能実習生を雇用しました。会社は単純に人不足を解消するためでしたが、しっかりと審査され案外厳しい管理のもと多くの外国人労働者が仲間となりました。私の職場はある程度年数が立てば男女問わず大型免許を取得する会社なので私はマイクロバスで同僚となる彼らを中部国際空港で送迎しましたが大歓迎されました。ただの運転手として同行した私ですが技能実習生達は色々と聞いてきました。皆夢を持っていました。もちろんしっかりと技能を身につけ母国の役に立ちたい人も故郷に家を建てたい、コンビニの経営者になりたいと様々でした。彼らは純粋にお金が欲しいのだと感じました。そうでしょう。故郷離れ外国で働いた彼らと福井から愛知の短大に出て就職して結婚して離婚した私ですが、18歳で知らぬ土地に来た私と重なりました。私は当時少し捻くれていて親と進路で喧嘩しいっそのこと働きながら資格を取ってここよりもっといいところで就職してやる!という若気の至りがありました。あれから20年。私は送迎車で異国出身の同僚を乗せて高速を走らせました。人生塞翁が馬とはよく言ったものです。

危うい経営者側の認識

若者の求職者は少なく技能実習生を欲している職場は危険で時間帯も不規則な職場になりがちです。当然定着率は悪くコロナ禍で誰も彼もが濃厚接種者になった時大変でした。ある職業の人から聞いた話です。その業界は屈指のブラック企業が多い業界。技能実習生を心待ちにしていた経営陣はコロナ禍が少し収まるとすぐに来日させました。そこの社長が言うには「3年契約とは言え確実に3年働いてくれる技能実習生はありがたい。日本人雇うより金はかかるが簡単に辞めてしまう日本人よりも技能実習生を増やしたい」危ういと思います。これは安っぽい愛国心ではなくそれを利用する人間が多くいるからです。

偏見、差別と闘うには

外国人生活保護費を削減して日本人のためにお金を使えという主張を耳にしました。まるで日本が外国人に特権を与えているかのような言い分ですが生活保護費は国民の権利であり当然大半は日本人に支給されています。権利ですので堂々と貰えばいいのですが何かにつけて野次が飛ぶのも生活保護費です。ある労働組合では技能実習生に頼らない職場を作ろうと言っていました。流石に反論の声が多くタカ派で鳴らしたUAゼンセンからもその手の考えは現状不可能だ。それよりも建設的な議論があると言う人が複数いました。私達労働者は国際的な連帯を目指していますが当然背景や歴史によって考えは大きく違います。外国人に関する事も多く誤解を誇大に誇張して諸悪の根源のように語る人も多くいましたあ。技能実習生を導入する企業は今後急増しますがあるべき労働環境がもし外国人差別と結びつき労働者階級が熱狂的にそれを支持した時私達は身代をかけてそれに反対しないといけません。私達は労働者がある種デマに熱狂しやすい性質を知っています。だから悪質なデマには毅然とした態度が必要です。闘いましょう。是非。

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