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漂流する労働者政党ー困惑するNCと保守化する左派政党

2015年イギリス総選挙はとても波乱の展開となりました。労働党党首はエド•ミリバンドで彼はブレア•ブラウン政権で力を伸ばしブレア第三の道後継者でしたが、左派民族主義であるスコットランド党やウェールズ党、そして緑の党など新興左派にやり込まれ選挙では大敗しました。第三の道で労働組合は疲弊し、一部残存勢力は新興左派に流れました。労働党がサッチャーに潰された労働組合を利用するだけ利用し捨てた瞬間映えある英国労働党はさらなる混迷期に入って行きました。

日本の民主党と連合

言わずと知れた日本労働組合総連合会は民主党の支持団体であり、ある意味日本共産党と全労連より組織内議員を出す分密着的な関係で地方組織がない民主党に役員を送り込んだりしています。しかしこれは地方組織の運営は連合の意向に左右され2000年代初頭民主党若手グループが労組依存を批判し、むしろ労働組合は排除しようという動きに出ました。新進党も労働組合に重きがない政党でしたが民主党は労組がなくなればたちまち県連や支部すら移転する場所が続出するため労組に近くない議員も彼らの意見を取り上げられませんでしたが当然シコリは残りました。

社会民主党は労働者政党だったのか?

さて民主党が混乱している時期社会民主党はどうだったのかというと実際連合でも総評どころか一部友愛系と言われる旧同盟労組とも関係を深めており新自由主義者が跋扈する民主党に比べて社会民主党は労働組合として親和的でした。社民党の敗因はそれに満足して民主党から労組の支持を奪い返す努力はせず、市民運動家重視の方針で選挙もその方針で進めました。市民運動は大事ですがNPOは票にはならず劣勢の社民党に必要だったのは労組を巡っての権力闘争でした。むしろNPOを重視しすぎて労働者を敵視するような態度を取ることもありました。後年ある新任社民党常任幹事が障害者の列車の利用を巡って大きな議論となりました。ここで私の賛否は言いませんが、そういった傾向は既に2000年代から始まっていたわけです。

日本共産党は労働者政党なのか

これはあえて言いますが、ある意味連合や国際労働組合総連合に近い組織だと思います。あらかじめ決まった代議員があらかじめ決まった決議に賛成し、あらかじめ決まった挨拶で締め括る。労働組合もこういうある種民主集中制というか消極的民主主義なところがあります。共産党にもその傾向がありますが彼らの1番の欠点は中央の権限が労働組合よりも全然大きいことです。今回の除名騒ぎで露呈しました。私は連合の人間として言いますが人間的に好きな人が多いのは全労連の人の方がよほど好ましく思っています。全労連は政治運動はあくまで仕事の延長戦で政治の話よりも仕事についての話が多くとても勉強になります。そしてそのの仕事の環境をよくしたいから政治活動をするんだという考えが明確でした。連合にも少なくないですが全労連のほうがそういった傾向の人が多いような気もします。ただ連合を擁護するのなら日本最大のNC、ナショナルセンターである連合は苦悩は全労連よりも計り知れないでしょう。口さがない人達が現在の連合会長を揶揄するとき私は強い憤りを感じます。これこそある種女性差別的な揶揄も数多く男が不甲斐なく組織率を落とした結果女が矢面に立っているのではないか?という思いは消えません。

民主党は連合を見放したのか?

前原誠司ははっきりと連合と絶縁宣言をしましたが、小沢一郎が代表になりあまり目立たなかったUAゼンセンはこの時代に膨張しました。連合で1番タカ派で軍事活動による国際貢献に熱心だったUAゼンセンは小沢一郎グループのスポンサーとして有名でした。ゼンセンだけでなく小沢一郎と連合は一蓮托生の間となりました。政権転落後は民主党はむしろ江田憲司など民主党を批判していた政治家と手を組みあげく党を割ってしまいました。民進党の分裂には連合も大きく関わっていたと言われ小池百合子にいっぱい食わされた当時の連合執行部には批判する気もないぐらい間抜けなことをしでかしたと思います。これで少なくとも排除された方は連合を信じられるほどお人好しでは無いと思います。

立憲民主党は労働者政党なのか?

労働組合は社会主義政党の同盟者から一友好組織になった瞬間が希望の党騒動でした。さてここまで私の意見はあまり言っていません。今回は立憲民主党のことを最後に話します。一応国民民主党や社会民主党がありますが彼らは早期に消滅します。労組にしか基盤がない政党は労組が見放した瞬間崩壊しかないからです。社民党は少しは粘るでしょう。ローカル市民運動体は社民党の強みの一つでした。ただ国民民主党も社会民主党も立憲民主党に野党第一党争いに敗北した政党であることは確かです。今後は立憲民主党は維新とその争を繰り広げるでしょう。
さて先程の英国労働党の話。もはや労働党は労働者の政党とは言えないですが、労働組合の人間があえて言いますが今後労働者政党よりも広範な市民政党を目指すのが立憲民主党の道でしょう。場合によってはある意味労働組合を突き放す選択もあるのかもしれません。労働組合はかつて政治運動で力を発揮しましたがその運動は日本だけでなく世界でも弱体化しています。労働組合は労働組合員の手によって政党の力を借りないで新しい運動を模索実行する力が必要です。立憲民主党が目指す先はやはり保守政党に実行できないむしろ苦しめられている後方の数百万人の盾になる政党で立ち上がった市民の前線に立てる政党でしょう。社会主義をあっさり捨てたことは立憲民主党に限らず世界中の元社会主義政党にも言いたいですが保守と近づいては意味がないのです。私たち労組は立憲民主党の右傾化にそのお尻の蹴っ飛ばしてでもより進歩的で革新的な政党になるよう行動します。

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